元となった辞書の項目
tend to
...しがちである, ...する傾向がある《~ do》 / ...という気がする,どちらかといえば...のようだ《~ think that》 / ...に気を配る, ...の世話をする
解説
1. 基本情報と概要
英語表記: tend to
品詞: 動詞句 (主に「tend」という動詞 + 前置詞/不定詞マーカー “to” の組み合わせ)
意味(英語): to be likely or inclined to do something
意味(日本語): 「〜する傾向がある」「〜しがちである」という意味です。たとえば、「私は忙しいときに外食しがちです」と言ったり、「彼は面倒なことを避ける傾向があります」など、人や物事がどんなふうになりやすいかを表すときに使われます。日常やビジネスの文脈など幅広い場面で使える表現です。
活用形:
- 原形: tend
- 三人称単数現在: tends
- 過去形: tended
- 過去分詞: tended
- 現在分詞: tending
- 原形: tend
関連する品詞形:
- tendency (名詞): 「傾向」「性質」
- 例: “He has a tendency to be late.” 「彼は遅刻する傾向がある」
- tendency (名詞): 「傾向」「性質」
CEFRレベル目安: B1(中級)
- B1: 身の回りのことや一般的な話題を理解し、ある程度まとまりのある文章を作れるレベル。
2. 語構成と詳細な意味
- tend: 元々は「世話をする」「注意を払う」「向かう」などの意味をもつ動詞です。そこから「〜に傾く、進む」という意味が派生し、さらに「tend to + 動詞の原形」で「〜する傾向がある」となる表現に発展しました。
- 「to」は不定詞の “to” で、「傾向がどちらへ向かうか」を示します。
関連フレーズやコロケーション(10個)
- tend to overthink (考えすぎる傾向がある)
- tend to procrastinate (先延ばしにする傾向がある)
- tend to focus on details (細部に集中しがちである)
- tend to forget (忘れがちである)
- tend to get nervous (緊張しがちである)
- tend to be late (遅刻しがちである)
- tend to skip meals (食事を抜きがちである)
- tend to doubt oneself (自分を疑いがちである)
- tend to consume more (より多く消費しがちである)
- tend to take risks (リスクを取りがちである)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「tend」はラテン語の “tendere” (伸ばす、向かう) に由来し、フランス語を経て英語に入ったとされています。その根本にあるイメージは「何かに向かって伸びる」「注意を向ける」という感覚です。
- ニュアンス: 「〜しそうだ」という可能性を示す意味合いですが、実際の意図としては「かなりの頻度で起こる」「個人の習慣としてそうなる」のような感覚です。フォーマル・カジュアル両方で使えますが、カジュアルな口語でもよく見かける表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- 構文:
- “S + tend(s) to + 動詞の原形 + ...”
- 例: “People tend to assume things without evidence.”
- “S + tend(s) to + 動詞の原形 + ...”
- フォーマル/カジュアル問わず使えます。論文やビジネス文書でも日常会話でも通用する汎用的な表現です。
- 他動詞 / 自動詞の区別:
- tend 自体には他動詞的用法 (“tend the garden” = 庭の世話をする) と自動詞的用法 (“The conversation tended towards politics.” = 話が政治の方向へ向かった) がありますが、本項の “tend to + 動詞原形” は自動詞的な慣用表現です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I tend to stay up late on weekends.”
「週末は夜更かししがちなんだよね。」 - “She tends to lose things easily.”
「彼女は物をよくなくしがちだよ。」 - “We tend to overuse our phones these days.”
「最近はスマホを使いすぎる傾向があるよね。」
ビジネスシーンでの例文
- “Our clients tend to prefer flexible working hours.”
「顧客は柔軟な勤務時間を好む傾向があります。」 - “He tends to stick to a strict schedule.”
「彼は厳格なスケジュールを守る傾向があります。」 - “Managers tend to focus on short-term results.”
「管理職は短期的な成果に注目しがちです。」
学術的な文脈での例文
- “Data show that people tend to follow social norms under group pressure.”
「データによれば、人は集団圧力の下で社会的規範に従う傾向があることがわかっています。」 - “Studies suggest that children tend to learn languages faster at an early age.”
「研究によると、子どもは幼い頃に言語をより早く習得する傾向があることが示唆されています。」 - “In this experiment, the variables tend to stabilize after five trials.”
「この実験では、変数は5回の試行の後で安定する傾向が見られます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- “be likely to” (〜しそうだ)
- 「確率的に起こりやすい」というニュアンスが強い。
- “It’s likely to rain.” = 「雨が降りそうだ」
- 「確率的に起こりやすい」というニュアンスが強い。
- “be prone to” (〜になりやすい、〜しがち)
- 特に悪い状況に陥りやすい傾向を示すときに用いられる。
- “He is prone to injury.” = 「彼はけがをしやすい」
- 特に悪い状況に陥りやすい傾向を示すときに用いられる。
- “have a tendency to” (〜する傾向がある)
- “tend to”よりもややフォーマルで名詞構文。
- “tend to”よりもややフォーマルで名詞構文。
- “be likely to” (〜しそうだ)
反意語:
- はっきりとした反意語表現はありませんが、“rarely do” (めったにしない) や “unlikely to” (そうならない可能性が高い) が文脈によって「〜をしない傾向がある」といった趣旨で使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /tɛnd tuː/
- アクセント: 「tend」の “e” の音は日本語の「エ」に近く、母音は短めに発音し、「tend」の後に少し歯切れよく “to” を続けます。
- アメリカ英語 / イギリス英語: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “to” の “t” が弱く /tə/ に近い音になることが多いです。
- よくある間違い: “tend” の
en
を長音にしすぎたり、 “to” を強く言いすぎて別の単語のように聞こえてしまうケースがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “tend to” と “tend” の区別: “tend” だけで「世話をする」という意味になることもあるので、「〜するつもり」と誤解しないように注意が必要です。
- “tend to” の後ろは必ず動詞の原形: “tend to do something” の形を忘れがち。
- スペルミス: “tendence” や “tendancy” のように “tendency” (名詞) を間違える例が多いです。
- 試験対策 (TOEICや英検など): “tend to” は傾向や習慣を述べる際に出題されることがあります。選択問題や長文読解でも頻出フレーズです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “tend” は「伸びる」「向かう」というイメージ:普段から「〜の方向に向かいやすい、伸びやすい」→「〜する傾向がある」と結びつけて覚えると良いでしょう。
- “tend to” と “be likely to” は同じような意味なので、頭の中で「似た表現セット」として暗記しておくとスムーズです。
- 簡単な例文を使って自分の習慣を書き出してみると、使い方を身につけやすいです。例: “I tend to watch YouTube before bed.”
以上が “tend to” の詳細解説です。日常からビジネス、学術場面まで幅広く使える便利な表現ですので、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
...しがちである, ...する傾向がある《~ do》
意味(2)
...という気がする,どちらかといえば...のようだ《~ think that》