in order to
以下では「in order to」について、学習者の方が理解しやすいように、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語表記: in order to
品詞: 句(特別な形を持つ表現)
基本の意味(英語): “for the purpose of doing something”
基本の意味(日本語): 「〜するために」
「何かをする目的をはっきり示す、わりとフォーマルな表現です。日常会話でも使われますが、文書や公的な文書など少し丁寧なニュアンスを出したいときにもしばしば用いられます。」
活用形について
「in order to」はあくまで句(句動詞や慣用表現の一部)なので、動詞のように時制や人称で変化するわけではありません。
- 例: 「in order to do」, 「in order to get」, 「in order to achieve」 など。
他の品詞になる例
「in order to」は品詞としては文法上“副詞句”の扱いになりますが、これ自体が名詞・動詞・形容詞に“変化”するわけではありません。ただし、目的を表す際に同じように使われる「so as to + 動詞」や「to + 動詞の原形」など、目的を示す他の表現を比較すると学習がしやすいでしょう。
CEFRレベル
B1(中級)
中級レベル(B1)くらいから「目的を明確にする表現」として紹介されることが多いです。A2でも「to + 動詞」で目的を表す学習は始まりますが、「in order to」はもう少しフォーマルな響きを強調するときに使われます。
2. 語構成と詳細な意味
「in order to」は下記の3つの部分に分解して語源を考えられる場合があります。
- in : 「中に」
- order : 「秩序・順序・命令」など
- to : 不定詞を示す前置詞 / 不定詞マーカー
もともと「何かを行うにあたって順序立てている」や「意図された目的のために」というニュアンスが込められています。
派生・類縁表現
- so as to (〜するために)
- to + 動詞の原形 (〜するために)
- in order for (someone/something) to … (〜が…するために)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- in order to succeed → 成功するために
- in order to understand → 理解するために
- in order to ensure → 確実にするために
- in order to prevent → 防ぐために
- in order to improve → 改善するために
- in order to achieve goals → 目標を達成するために
- in order to comply (with regulations) → (規則に)従うために
- in order to clarify → 明確にするために
- in order to proceed → 進めるために
- in order to confirm → 確認するために
3. 語源とニュアンス
語源
「order」はラテン語の“ordo, ordinis”に由来すると言われ、「配列、秩序、指示」などの意味を持ちます。
「in order to」は「目的を達成するための整った手段」というニュアンスがベースにあります。
ニュアンス・使用時の注意
- フォーマルorカジュアル: 「in order to」は「to + 動詞」と比べると、ややフォーマルな響きが強いですが、日常会話でも使われます。単に「to + 動詞」でも意味は伝わります。
- 強調要素: 「何かをする目的を明確に伝えたいとき」に「in order to」は有効です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
in order to + 動詞の原形
例: “They left early in order to catch the first train.”
(彼らは始発電車に乗るために早く出発した。)in order for + 名詞 (代名詞) + to + 動詞の原形
例: “In order for everyone to participate, we need more seats.”
(みんなが参加できるように、もっと座席が必要です。)
イディオム
「in order to」というまとまった表現自体がイディオム的に捉えられることがありますが、特別な慣用句ではなく「目的や意図を示す構文」です。
使用シーン
- フォーマル: ビジネス文書、論文、公式発表など
- カジュアル: 日常会話でも使えるが、「to + 動詞」だけでもOKな場合が多い
5. 実例と例文
ここでは日常会話、ビジネス、学術的な文脈の3つに分けて例文を提示します。
① 日常会話 (3例)
“I set my alarm earlier in order to go for a quick run.”
(ちょっと走りに行くために目覚ましを早めにセットした。)“She turned down the volume in order to not wake up her baby.”
(赤ちゃんを起こさないように、彼女は音量を下げた。)“We took a taxi in order to get there on time.”
(時間通りに着くために、私たちはタクシーに乗った。)
② ビジネス (3例)
“Our team is conducting surveys in order to identify customer needs more accurately.”
(私たちのチームは顧客のニーズをより正確に把握するためにアンケート調査を行っています。)“In order to improve employee satisfaction, the company decided to implement flexible working hours.”
(従業員満足度を向上させるために、会社はフレックスタイム制を導入することに決めました。)“In order to finalize the project, we need the client’s approval by Friday.”
(プロジェクトを完了させるために、金曜日までにクライアントの承認が必要です。)
③ 学術的な文脈 (3例)
“In order to substantiate the hypothesis, the researchers collected data from multiple sources.”
(仮説を立証するために、研究者たちは複数の情報源からデータを収集しました。)“In order to ensure the validity of the experiment, all variables were carefully controlled.”
(実験の妥当性を確保するために、すべての変数が注意深く管理されました。)“In order to reach a conclusive result, a larger sample size was necessary.”
(決定的な結果を得るために、より大きなサンプルサイズが必要でした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- to + 動詞 (〜するために)
- よりカジュアルかつ基本的な形。「in order to」を省略したような形で広く使われます。
- よりカジュアルかつ基本的な形。「in order to」を省略したような形で広く使われます。
- so as to + 動詞 (〜するために)
- 若干フォーマルで文語的。“in order to”とほぼ同じ意味だがやや硬い表現。
- 若干フォーマルで文語的。“in order to”とほぼ同じ意味だがやや硬い表現。
- for the purpose of + 動詞ing / 名詞 (〜の目的で)
- より明示的に「目的」を言及する表現。正式な文書でよく用いられます。
- より明示的に「目的」を言及する表現。正式な文書でよく用いられます。
反意語
「目的を表す」反意の表現というよりは、逆に目的を示さない表現ですが、強いて言えば「due to」(〜が原因で)などは「理由」を示す表現で目的を示すわけではありません。直接の反意語はありませんが、「because of」「as a result of」などが目的ではなく原因・理由を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- イギリス英語: /ɪn ˈɔːdə(r) tuː/
- アメリカ英語: /ɪn ˈɔːrdər tuː/
「in」「order」「to」という3つの音節に分けられます。話し言葉ではしばしば早口になるので、in order to
が「イノーダツ」や「イノーダトゥ」のように聞こえることもあります。
強勢・アクセント
- “in ORder to” の “OR” の部分に強勢が来る傾向がよくあります。
- ただ会話では流れるように弱めに発音される場合が多いです。
よくある間違い
- “in order to”をはっきり言おうとして、一語ずつ区切りすぎると不自然になることもあるので、ややくっつけて発音するのが自然です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングのミス: “inoder to”や“in ordertoo”などと綴りをひとつにまとめてしまうことがあるので注意。
- “to + 動詞”との混同: 「in order to」を使わない場面でもいつも使いたがる人がいますが、“to + 動詞”だけでも十分な場合が多いです。
- 試験対策: TOEICや英検などでも、目的を表す表現を問う問題は出題されやすいですが、「in order to」はその中でも比較的フォーマルな選択肢として登場することがあります。文脈判断で見極めましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “オーダー”=「目的に向けて準備する」イメージ
「order」は丁寧に用意・命令・秩序といったニュアンスがあるので、「きちんと“目的を設定して”実行する」というイメージを持つと覚えやすいです。 - “to”部分とセットで“行動のゴール”を強調
“in order to” → “手順を踏んで、そのゴール(to)に行く”と考えると理解しやすいでしょう。 - 短く「to + 動詞」の形でも同じ意味が取れる場合が多いので、「なんで敢えて長めに“in order to”を使うのか」を意識すると良いでしょう。「丁寧さ」や「明確さ」、「文書の文章表現」という目的があるからと覚えましょう。
以上が「in order to」の詳細解説です。
「目的を示す」のに便利な表現なので、フォーマルさや強調したい度合いに応じて「to + 動詞」や「so as to」と使い分けてみてください。
《Aが》...するために, ...する目的で《for A to do》