元となった辞書の項目
act on
解説
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): act on
品詞: 句動詞(phrasal verb, 動詞)
意味(英語)
- To take action based on advice, information, or a feeling.
- To have an effect on something, especially in a scientific or medical sense.
意味(日本語)
- (情報・アドバイス・感情などに従って)行動を起こす。
- 「誰かからのアドバイスや情報をもとに実際に行動に移す」というニュアンスです。
- 「誰かからのアドバイスや情報をもとに実際に行動に移す」というニュアンスです。
- (科学的・医学的に)作用する。
- 「何かが何かに対して作用・影響を及ぼす」ときに使われる表現です。
活用形
- 原形: act on
- 三人称単数現在形: acts on
- 現在分詞/動名詞: acting on
- 過去形・過去分詞: acted on
他の品詞形(例)
- act (動詞) 「行動する」
- act (名詞) 「行為・行動、(劇などの)幕」
- action (名詞) 「行動、作用」
- active (形容詞) 「活発な、能動的な」
- actively (副詞) 「積極的に、能動的に」
難易度(CEFR レベル目安)
- B2(中上級)
「ある程度文章や会話を理解し、適切に使い分けられるレベル」
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- act: 「行動する」という意味をもつ語幹。ラテン語
agere
(行動する、導く)が由来。 - on: 前置詞ですが、ここでは「~について/に基づいて」というニュアンスを補う。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- act on advice
- (アドバイスに従って行動する)
- (アドバイスに従って行動する)
- act on information
- (情報を元に行動する)
- (情報を元に行動する)
- act on a tip
- (密告や耳打ちされた情報を元に行動する)
- (密告や耳打ちされた情報を元に行動する)
- act on instructions
- (指示通りに行動する)
- (指示通りに行動する)
- act on impulse
- (衝動に駆られて行動する)
- (衝動に駆られて行動する)
- act on a hunch
- (直感に基づいて行動する)
- (直感に基づいて行動する)
- act on the results
- (成果や結果を踏まえて行動する)
- (成果や結果を踏まえて行動する)
- act on principles
- (自分の信条や原則に従って行動する)
- (自分の信条や原則に従って行動する)
- act on findings
- (調査や研究の結果を受けて行動する)
- (調査や研究の結果を受けて行動する)
- act on your own initiative
- (自分の判断・主導で行動する)
3. 語源とニュアンス
語源
- act はラテン語の
agere
(行動する、推進する)に由来します。古フランス語や中英語を経て「行動・演じる」という意味をもつようになりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「act on」は「ただ考えるだけでなく、実際に行動に移す」という積極的なニュアンスが強めです。
- また、「~に作用する」という理系分野で使われる際には、より客観的・科学的な文脈となります。
- カジュアルな日常会話でも、「I decided to act on what you said.(あなたが言ったことを実行することにしたよ)」のように使われる一方、ビジネスやフォーマルな場面でも「We must act on these figures immediately.(これらの数字を基に早急に対応しなければならない)」のように使われます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- act on + 名詞/代名詞
例: “They chose to act on the new information.” - act on + 抽象名詞(e.g. advice, news, tip)
例: “She acted on a tip from a reliable source.”
イディオム
- act on/upon something: 「~に基づいて行動する」のバリエーション
- “act upon” はややフォーマルか文語的でもあります。
使用シーン
- フォーマル・カジュアル問わず幅広く使用。
- 指示・情報・感情など、幅広い対象へ「行動に移す」という意味で使われる。
文法上のポイント
- 他動詞的な用法: “act on something.” (“on” がついているため、直接目的語をとらず前置詞の後に名詞が来る形になります。)
- “act on” 自体は目的語を必要とする形が多いですが、「何に対して行動するのか」が文脈上明確であれば省略されることもあります。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
- “I should act on your advice and start exercising more.”
- (あなたのアドバイスを実行して、もっと運動を始めるべきだ。)
- (あなたのアドバイスを実行して、もっと運動を始めるべきだ。)
- “He acted on his gut feeling and quit his job.”
- (彼は直感に従い、仕事を辞めた。)
- (彼は直感に従い、仕事を辞めた。)
- “They acted on the rumor without verifying it first.”
- (彼らは噂を確かめずに即行動に移した。)
ビジネスシーンでの例文
- “We need to act on these findings immediately to stay competitive.”
- (競争力を維持するためにも、これらの調査結果をすぐに行動に移す必要があります。)
- (競争力を維持するためにも、これらの調査結果をすぐに行動に移す必要があります。)
- “The team decided to act on the manager’s instructions without delay.”
- (チームは上司の指示をすぐに実行することを決めた。)
- (チームは上司の指示をすぐに実行することを決めた。)
- “Our company must act on the new regulations to avoid penalties.”
- (当社は罰則を回避するため、新しい規制に対応した行動をとらなければなりません。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “This hormone acts on specific receptors to regulate growth.”
- (このホルモンは特定の受容体に作用して成長を調整します。)
- (このホルモンは特定の受容体に作用して成長を調整します。)
- “Certain chemicals act on the nervous system to induce sleep.”
- (ある化学物質は神経系に作用して睡眠を誘発します。)
- (ある化学物質は神経系に作用して睡眠を誘発します。)
- “The antibiotic is designed to act on a wide range of bacteria.”
- (その抗生物質は幅広い種類の細菌に作用するよう開発されています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- follow (~に従う)
- 例: “She followed his advice.”
- 「act on」は「具体的に行動に移す」ニュアンスが、follow よりもやや強い場合に使われやすい。
- 例: “She followed his advice.”
- take action based on (~に基づいて行動する)
- 例: “He took action based on the doctor’s warning.”
- 同じ意味だが、やや長めの表現。
- 例: “He took action based on the doctor’s warning.”
- respond to (~に応じて対応する)
- 例: “We responded to the feedback by changing our strategy.”
- 対応の幅が広く、行動以外の反応(言葉での返答など)も含まれる。
- 例: “We responded to the feedback by changing our strategy.”
反意語
- ignore (無視する)
- 例: “They ignored the advice and faced the consequences.”
- 例: “They ignored the advice and faced the consequences.”
- disregard (考慮しない)
- 例: “She disregarded his warnings and continued driving.”
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: [ˈækt ɔn] または [ˈækt ɑːn]
- イギリス英語: [ˈækt ɒn]
アクセント
- “act” の “a” に強勢が置かれやすい。
- “on” は弱く発音されることが多い。
よくある発音の間違い
- “act” を「エイクト」のように引っ張りすぎる発音。
- “on” の母音を「アン」や「オン」で強く読んでしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「act」自体は簡単なので綴りの間違いは少ないですが、「act upon」と表記するときに “upon” を “apon” と間違えたりすることはあります。
- 同音異義・混同: “act out” は「行動で示す/問題行動を起こす」という別の意味なので混同しないように。
- 前置詞の違い: “act in” や “act at” など不自然な組み合わせは避ける。必ず “on” や “upon” がセットになる表現。
- 試験対策: TOEICや英検では、長文中に “act on ~” が登場して「指示や情報をもとに行動する」という文意を問われるケースがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「act」は「行動・演じる」、そこに「on(~の上に/~に基づき)」というイメージを組み合わせて、「情報やアドバイスを“土台”として上に乗っかって(=on)行動する」と覚えるとわかりやすいです。
- 「何か(情報やアドバイス)がきっかけになって、一歩前へ踏み出す・実践する」イメージを頭に描きつつ記憶すると、様々な文脈での使い方に対応しやすくなります。
以上が「act on」の詳細解説です。情報・アドバイスに基づいて「行動する」というニュアンスが強い表現なので、日常的にもビジネスの場面でも幅広く使えます。ぜひ覚えて、さまざまなシチュエーションで活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
...に従って行動する, ...に基づいて行動する, ...について決定を下す