no good
以下では、「no good」という英語表現について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “no good”
- 日本語: 「ダメだ」「役に立たない」「効果がない」「よくない」
「no good」は、「まったく良くない」「価値がない・使い物にならない」といったニュアンスを伝える、カジュアルな表現です。口語で「これはダメだね」などと言う場面でよく使われます。
品詞
- 形容詞句(idiomatic expression)として使われることが多い
例: “This plan is no good.”(この計画はダメだ) - 名詞的に「He is no good.」のように「価値がない人だ」というようなニュアンスとして使われる場合もあります。
活用形
「no good」自体はイディオム的なフレーズのため、通常の動詞のような活用形はありません。
ただし、文中では以下のように変化させられます。
- “be no good” → “is no good,” “was no good,” “will be no good,” など
- ハイフンをつけて “no-good” と書く場合もあります(例: “He’s a no-good scoundrel.”)。
他の品詞例
- 形容詞句をそのまま名詞句化して表現する場合:
“He’s no good at drawing.”(彼は絵がまったくダメだ)
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
日常会話でよく使われる比較的簡単な表現ではありますが、口語的なニュアンスや使い方をしっかり把握する必要があるため、中級レベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “no” (否定を表す語) + “good” (「良い・良好」を表す語)
直訳すると「良くない」で、「良いものがまったくない」という否定を強調する動的な組み合わせです。
関連や派生
- “good-for-nothing” (役立たず)
- 類義表現として「まったく役に立たない人/物」を指します。
- “no use” (役に立たない)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10選
- be no good → (例) “This computer is no good anymore.”(このパソコンはもう使い物にならない)
- it’s no good (doing something) → (例) “It’s no good complaining now.”(今さら不平を言ってもダメだよ)
- up to no good → (例) “I think they’re up to no good.”(彼らは何か悪いことを企んでいると思う)
- no good at (something) → (例) “I’m no good at math.”(私は数学が全然ダメです)
- do no good → (例) “This medicine did no good for my headache.”(この薬は頭痛に全然効かなかった)
- no good for (someone/something) → (例) “This diet is no good for your health.”(このダイエットは健康に良くない)
- no good reason → (例) “He quit his job for no good reason.”(彼はたいした理由もなく仕事を辞めた)
- no good to me → (例) “This phone is no good to me anymore.”(この携帯はもう私には役に立たない)
- no good apology → (例) “That was no good apology.”(あれはまったく誠意のない謝罪だった)
- he/she is no good → (例) “He’s no good; he’s always lying.”(彼はどうしようもない、いつも嘘ばかりつく)
3. 語源とニュアンス
語源
“no good”は、英語の否定を表す “no” と肯定を表す “good” を直接組み合わせたフレーズで、古くから日常的・口語的に使われています。もともとは of no good
や “not any good” として使われていたものが、省略や口語化によって定着したと考えられます。
ニュアンス
- カジュアル・口語的な表現。フォーマルな文書やスピーチでは避けられる傾向があります。
- 「困った」「がっかり」「残念」といった感情が含まれることが多いです。
- 人によっては「厳しい/やや失礼な評価」として取られる場合もあるので、使用には注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- “be + no good”
- “That idea is no good.”(そのアイデアはダメだ)
- “It’s no good + doing ~” / “It’s no good + to do ~”
- “It’s no good trying to fix that old car.”(あの古い車を直そうとしても無駄だ)
- “It’s no good to argue now.”(今さら議論しても仕方ない)
- “up to no good”
- 「悪いことを企んでいる」ため、日常会話で「何かよからぬことを企んでるよね」というニュアンス。
使用シーン
- カジュアル(口語)主流。友人同士やリラックスした状況で使われる。
- フォーマルな文書やオフィスでの公式な会話だと、より婉曲的な表現「not effective」「of no use」「ineffective」などに置き換えられることが多い。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “This sandwich is no good. It tastes off.”
- 「このサンドイッチ、ダメだね。なんか変な味がするよ。」
- 「このサンドイッチ、ダメだね。なんか変な味がするよ。」
- “It’s no good leaving the house without an umbrella. It’s going to rain soon.”
- 「傘を持たずに出かけてもダメだよ。すぐ雨が降るからさ。」
- 「傘を持たずに出かけてもダメだよ。すぐ雨が降るからさ。」
- “He’s up to no good—look at him sneaking around.”
- 「あいつ、怪しいことしてるよね。こそこそ動き回ってる(何か企んでるよ)。」
(2) ビジネスでの例文
- “This marketing strategy is no good in our current market.”
- 「今の市場では、このマーケティング戦略は通用しません。」
- 「今の市場では、このマーケティング戦略は通用しません。」
- “It’s no good trying to launch the product without proper testing.”
- 「適切なテストなしに製品を発売しようとしても無駄です。」
- 「適切なテストなしに製品を発売しようとしても無駄です。」
- “If the team lacks coordination, all our efforts will be no good.”
- 「チームワークが取れなければ、私たちの努力は全部無駄になってしまいます。」
(3) 学術・フォーマルな文脈での例文
(学術系では若干砕けすぎた表現に聞こえることがありますが、口語的な引用として使用する場面を想定)
- “According to the pilot study, the proposed method is no good for large datasets.”
- 「パイロット研究によると、その提案手法は大規模データセットには適さない。」
- 「パイロット研究によると、その提案手法は大規模データセットには適さない。」
- “Simply dismissing alternative hypotheses as ‘no good’ is not considered rigorous in academic discourse.”
- 「代替仮説を『ダメだ』と簡単に片付けるのは、学術的議論としては厳密さに欠ける。」
- 「代替仮説を『ダメだ』と簡単に片付けるのは、学術的議論としては厳密さに欠ける。」
- “If results replicate poorly, the original model is essentially no good for making predictions.”
- 「結果がうまく再現しない場合、その元のモデルは予測にほとんど役に立たないということになる。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “useless” → 「無駄な、役に立たない」
- “That tool is useless for our purpose.”(あの道具は私たちの目的には役に立たない)
- “That tool is useless for our purpose.”(あの道具は私たちの目的には役に立たない)
- “worthless” → 「価値がない」
- “The currency became worthless after the crisis.”(危機の後、その通貨は価値がなくなった)
- “The currency became worthless after the crisis.”(危機の後、その通貨は価値がなくなった)
- “ineffective” → 「効果がない」
- “This method is ineffective in treating the disease.”(この方法はその病気の治療には効果がない)
- “This method is ineffective in treating the disease.”(この方法はその病気の治療には効果がない)
- “bad” → 「悪い」
- “This idea is bad; we need another approach.”(このアイデアはダメだ;他のアプローチが必要だ)
反意語
- “useful” → 「役に立つ、有用な」
- “effective” → 「効果的な」
- “valuable” → 「価値のある」
“no good” はカジュアルに「ダメだ」「価値がない」と強めに否定するニュアンスを持つのが特徴です。
7. 発音とアクセントの特徴
- アメリカ英語 (IPA): /noʊ ˈɡʊd/
- イギリス英語 (IPA): /nəʊ ˈɡʊd/
会話では “no GOOD” のように “good” の部分を強調して発音することがありますが、自然な繋がりで “noʊ gʊd” とフラットに言う人も多いです。
よくある誤り
- “no” を “know” と混同してしまうこと。スペルや意味を取り違えないよう注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- フォーマルな場では控える
- “no good” はかなりカジュアル〜くだけた印象のため、ビジネス文書や公的な文章にはふさわしくありません。
- “no good” はかなりカジュアル〜くだけた印象のため、ビジネス文書や公的な文章にはふさわしくありません。
- “no use” と混同
- “It’s no use ~” の構文と似ているので、表現を混同しないよう注意が必要です。
- “It’s no use ~” の構文と似ているので、表現を混同しないよう注意が必要です。
- スペルミス
- “no” vs “know” などの混同。意味もスペルも大きく異なるので気をつけましょう。
試験での出題傾向
- TOEICや英検などで直接「no good」が問われるケースは多くありませんが、会話文中に自然に登場することはあり、「カジュアルな評言表現」を理解する一環として覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「no good」は「“no” + “good”」=「良さが全然ない」というイメージで覚えると分かりやすいです。
- “It’s no good crying over spilt milk.”(こぼれたミルクを嘆いても仕方ない)ということわざに近い言い回しから類推すると覚えやすいかもしれません。
- 口語表現で “That’s no good.” と言われるときは、日本語で言う「それダメじゃん」「意味ないじゃん」のような、若干強い否定のトーンがあるとイメージしてください。
以上が「no good」の詳細な解説です。カジュアルな否定表現としては非常に便利ですが、場面や相手に応じて使い分けましょう。
【形】だめな
役に立たない【名
C】《くだけて》 だめな人,だめなもの
役立たず,能無し