元となった辞書の項目
bound to
解説
以下では bound to
という表現を、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “bound to” = very likely to happen, certain to happen, or obligated to do something
- 日本語: “bound to” は「ほぼ確実に起こる」「必ず〜する」「〜せざるを得ない」といった意味を持ちます。
たとえば「He is bound to succeed.」であれば、「彼はきっと成功するだろう」のニュアンスになります。状況によっては「〜しなければならない」「〜する運命にある」という響きにもなり、確信度や必然性を強調する表現です。
品詞と活用
- 品詞: 形容詞(“bound” が本来「縛られた、拘束された」という意味の形容詞として扱われており、be動詞と一緒に使われることで「〜する義務がある」「〜する運命にある」の意味になります)
- 活用: “bound” は語形変化としては過去形・過去分詞形のように見えますが、形容詞扱いで “be bound to + 動詞の原形” が一般的なパターンです。
- 例) am bound to, are bound to, is bound to, was bound to, were bound to …
- 例) am bound to, are bound to, is bound to, was bound to, were bound to …
- 他品詞形:
- 動詞 “to bind” (〜を縛る)
- 名詞 “binding” (縛ること、製本など)
- 形容詞 “binding” (拘束力のある) など
- 動詞 “to bind” (〜を縛る)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 日常会話でもよく使われる表現ですが、微妙なニュアンスを理解するには中上級程度の英語力があると望ましいです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “bound” は古英語 “bindan”(縛る)に由来します。過去・過去分詞形は “bound”(縛られた状態)ですが、ここでは「〜する運命づけられた」「確実にそうなる」といった形容詞的な意味で使用されています。
- “to” は「〜へ」「〜に」という前置詞や不定詞を表す形ですが、この場合は “bound to do something” の形で不定詞を後ろに伴い、「必ず〜する」「〜する運命にある」という意味になります。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- be bound to do (必ず〜する / 〜しそうだ)
- bound to happen (起こるに違いない)
- bound to succeed (必ず成功する)
- bound to fail (失敗するに違いない)
- bound by law (法律によって拘束されている)
- bound by duty (義務に縛られている)
- bound and determined (断固として / 強い決意がある)
- bound for (〜行きの) ※例: “She is bound for London.” (ロンドン行きである)
- bound hand and foot (手足を縛られて / 完全に自由がきかない)
- morally bound to (道徳的に〜せざるを得ない)
3. 語源とニュアンス
語源
- “bound” は古英語 “bindan”(縛る)の過去・過去分詞形 “bounden” に由来し、そこから形容詞として「縛られている」⇒「運命づけられている」「義務がある」といった意味が派生しました。
ニュアンス・使用時の注意
- “He is bound to pass the exam.” のように、話者が高い確信を持っている場合に使います。単に「〜するかもしれない」よりも強いニュアンスです。
- 一部の文脈では「義務があってどうしても〜しなければならない」のように、責務や義務を強調する場合もあります。
- 会話でも文章でも広く使われますが、ややきちんとした(フォーマル寄りの)響きを伴うこともあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 基本構文: “be bound to + 動詞の原形”
例) “I am bound to finish this task by tomorrow.” - 「bound for + 場所」 で「〜行き」、移動先を表す別パターンもよく使われます。
- 名詞として扱う場合はありません。“bound” を形容詞とみなし、be動詞や補語を伴って使うのが典型です。
- フォーマル / カジュアルどちらでも使われますが、「確実だ」「必然だ」というニュアンスを強く含むため、ビジネスメール、契約文章など堅めの場面でも使われることがあります。
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術的な文脈の例文をそれぞれ3つずつ提示します。
日常会話
- “He’s bound to forget if you don’t remind him.”
(リマインドしないと、彼はきっと忘れちゃうよ。) - “It’s bound to rain today; look at those clouds!”
(今日は絶対雨が降るよ。あの雲見てよ!) - “They’re bound to get here soon, so let’s set the table.”
(もうすぐ彼らが着くはずだから、テーブルを準備しようよ。)
ビジネス
- “Our competitors are bound to respond quickly to our new product launch.”
(新製品の投入に対して、競合社は必ず素早く対応してくるでしょう。) - “The CEO is bound to make an official announcement regarding the merger.”
(CEO は合併に関して正式な発表を必ず行うことになっています。) - “This policy is bound to increase customer satisfaction in the long run.”
(この方針は長期的には顧客満足度を必ず高めるでしょう。)
学術的な文脈
- “Given the current data, the phenomenon is bound to occur under these conditions.”
(現在のデータからすると、その現象はこれらの条件下で起こることが確実です。) - “Such a hypothesis is bound to be challenged if new evidence emerges.”
(新たな証拠が出れば、その仮説は必ず異議が唱えられるでしょう。) - “Under this framework, errors are bound to propagate when the sample size is small.”
(この枠組みでは、サンプルサイズが小さい場合に誤差が広がるのは必然です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “likely”(おそらく〜しそう)
- “He is likely to come.” = 彼は来そうだ。(確度が高いが「bound to」ほどの必然性はない)
- “He is likely to come.” = 彼は来そうだ。(確度が高いが「bound to」ほどの必然性はない)
- “certain”(確実に〜する)
- “He is certain to pass the test.” = 彼は確実にテストに合格する。(必然性のニュアンスはかなり近い)
- “He is certain to pass the test.” = 彼は確実にテストに合格する。(必然性のニュアンスはかなり近い)
- “destined”(運命づけられた)
- “He is destined to become a great leader.” = 彼は偉大なリーダーになる運命だ。(やや文学的・運命的)
反意語
- “unlikely”(〜しそうにない)
- “It’s unlikely to rain today.” = 今日は雨が降りそうにない。
- “It’s unlikely to rain today.” = 今日は雨が降りそうにない。
- “improbable”(起こりそうにない)
- “It’s highly improbable that he’ll accept the offer.” = 彼がその提案を受け入れる可能性はかなり低い。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): [baʊnd]
- アメリカ英語: [baʊnd] (バウンド)
- イギリス英語: [baʊnd] (比較的同じ発音。ただし地域差で微妙な音が変わることはある)
- アメリカ英語: [baʊnd] (バウンド)
- 強勢: “bound” の一音節単語なので、特にアクセント(強勢)の移動はありません。
- よくある誤り: “bond” [bɑnd](ボンド)と混同してしまうことがあるので、/aʊ/ と /ɑ/ の音の違いに注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bound” のスペリングを “bond” と混同しやすい。
- 同音異義語: “bound” は “bound (境界)”・“bound (跳ねる、バウンドする)”・“bookbinding” など他にも意味があるので、文脈で判断が必要です。
- 資格試験での出題傾向:
- TOEICや英検でも「must, have to」などの言い換え表現として “bound to” の設問が出ることがあります。
- 特に読解問題で「話者の確信度合い」を読み取るためのシグナルとして出題されることがあります。
- TOEICや英検でも「must, have to」などの言い換え表現として “bound to” の設問が出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bound” は “bind(縛る)” の過去分詞形から来ている…「縛られている ⇒ 絶対逃れられない ⇒ 避けられない運命」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 「〜するしかない」「〜することが既に運命づけられている」という感覚をぜひイメージしてみてください。
- 発音は“バ(ウ)ンド”で、スポーツの跳ね返り “bounce” との違いを頭の中で区別するとミスしにくくなります。
以上が “bound to” の詳細な解説です。「必ず〜する」というニュアンスを強調したいときに、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
きっと…する, …するはずだ
意味(2)
...しようと決心している《do》
意味(3)
《be ~》…する義務がある, …せねばならない