by the time
1. 基本情報と概要
◼︎ 英語表現: by the time
◼︎ 日本語訳: 〜する頃には、〜するまでに
「by the time」は、特定の時点までに何かが起こる、または起こっていることを表すフレーズです。たとえば、「By the time I got home, it was already dark.(家に着く頃には、すでに暗くなっていた。)」というように、「いついつまでに〜している」「いついつまでには〜しているだろう」というニュアンスを伝えます。時制を合わせながら、未来・過去どちらにも使える表現なので、会話でも文章でもよく使われます。
- 品詞: フレーズ(従属接続詞句として用いられ、接続詞的な役割を果たします)
- 活用形: 単独の動詞ではないので活用形はありません
- 他の品詞になった例: 「by」や「time」はそれぞれ前置詞・名詞として用いられますが、「by the time」は句として特定の用法をとります。
CEFRレベル目安: B1(中級)
→ 具体的な文脈で時間的条件を表す表現として、よく使われる単語(表現)です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- by: 前置詞で「〜のそばに」「〜までに」「〜経由で」などの意味を持ちます。
- the: 定冠詞。
- time: 名詞「時間、時刻、時期」。
これらが組み合わさることで、「ある時刻・時期に至るまでに」という意味を表します。
コロケーション(共起表現)・関連フレーズ(例と日本語訳)
- By the time I arrive(私が到着する頃には)
- By the time we finish(私たちが終える頃には)
- By the time this meeting is over(この会議が終わる頃には)
- By the time you wake up(あなたが起きる頃には)
- By the time it gets dark(暗くなる頃には)
- By the time I realized(気づいた時には)
- By the time we get there(私たちがそこに着く頃には)
- By the time you return(あなたが戻る頃には)
- By the time the movie starts(映画が始まる頃には)
- By the time the deadline comes(締め切りになる頃には)
3. 語源とニュアンス
- 「by」は古英語の bi(〜の近くに)に由来し、「〜のそばに、〜までに」などの幅広い意味を持ちます。
- 「time」はラテン語 tempus を源流とする語で、「時間」を意味します。
「by the time」は主に文語にも口語にもよく使われる接続的フレーズです。フォーマル・カジュアルいずれも問題なく使えますが、学術的な文章では「by the time that ...」のように「that」が入る場合もあります。ニュアンスとしては「ちょうどその時点(またはそれ以前)にはすでに何らかの状況が成立している・していた」という強調があります。
4. 文法的な特徴と構文
主な構文パターン
- By the time + 主語 + 動詞(現在形/過去形/未来形) + 〜, ...
- 例: By the time she arrives, he will have left.
(彼女が到着する頃には、彼はすでに出発しているだろう。)
- 例: By the time she arrives, he will have left.
- または文中に挿入して使われることも多いです。
- 例: I will be done by the time you come back.
(あなたが戻ってくる頃には終わっているよ。)
- 例: I will be done by the time you come back.
「by the time」は時を表す従属節を導く表現なので、後ろに接続する節の時制を合わせる必要があります。未来の文脈なら「will have + 過去分詞」がよく用いられます。
- 可算・不可算の区別: 「time」は不可算名詞ですが、句として使われる場合は接続詞句のように扱います。
- フォーマル/カジュアル: どちらでも使用可能。会話でも文章でも使える無難な表現です。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアルな場面)
- “By the time you get home, dinner will be ready.”
(あなたが家に帰る頃には、もう夕食ができているよ。) - “It rained so hard that by the time we arrived, we were soaked.”
(大雨が降っていたから、到着した頃にはびしょ濡れだったよ。) - “By the time I noticed my phone was missing, I was already on the train.”
(携帯がなくなっていることに気づいた時には、もう電車に乗っていたよ。)
ビジネスシーン(ややフォーマル)
- “By the time the project is complete, we will have saved 20% on costs.”
(プロジェクトが完了する頃には、コストを20%節約できているでしょう。) - “By the time you receive this email, I will be on my way to the conference.”
(このメールを受け取る頃には、私はもうカンファレンスへ向かっているはずです。) - “By the time we review the final draft, we should have all stakeholders’ feedback.”
(最終稿をレビューする頃には、すべての関係者のフィードバックが集まっているはずです。)
学術的・フォーマル(論文やレポートなど)
- “By the time the data collection phase concluded, a total of 500 samples had been analyzed.”
(データ収集段階が終了するまでに、合計500のサンプルが分析された。) - “By the time the theory gained acceptance, numerous studies had already supported its validity.”
(その理論が受け入れられるようになった頃には、多くの研究がすでにその妥当性を裏付けていた。) - “By the time the policy was implemented, several pilot studies had demonstrated its feasibility.”
(政策が実施される頃には、いくつかの試験的研究がその実現可能性を示していた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- when(〜するとき)
- 「By the time」と比べると「when」は単に同時点を示し、「そのころまでに完成/状態が成立している」ニュアンスは弱い。
- 「By the time」と比べると「when」は単に同時点を示し、「そのころまでに完成/状態が成立している」ニュアンスは弱い。
- until(〜するまで)
- 「by the time」は「その時間帯 前 に起こる」ことを示すのに対し、「until」は「継続の終点」を強調。
- 「by the time」は「その時間帯 前 に起こる」ことを示すのに対し、「until」は「継続の終点」を強調。
- once(いったん〜すると)
- 「by the time」は「その時までに完了」という意味合いが強いが、「once」は「〜した後はすぐに」や「一度〜すれば」のニュアンス。
- 「by the time」は「その時までに完了」という意味合いが強いが、「once」は「〜した後はすぐに」や「一度〜すれば」のニュアンス。
反意表現の例
- 直接的な反意語はないが、「after」や「later than」は「〜の後で/〜以降に」という点で対照的な概念。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA):
- イギリス英語: /baɪ ðə taɪm/
- アメリカ英語: /baɪ ðə taɪm/
- イギリス英語: /baɪ ðə taɪm/
- アクセント:
- 個別の単語にアクセントがあり、「by」は /baɪ/、「the」は /ðə/、「time」は /taɪm/。強勢は文内の流れに左右されますが、多くの場合「time」に少し強めのイントネーションが置かれます。
- 個別の単語にアクセントがあり、「by」は /baɪ/、「the」は /ðə/、「time」は /taɪm/。強勢は文内の流れに左右されますが、多くの場合「time」に少し強めのイントネーションが置かれます。
- よくある間違い: 「by the time」を続けて「bythetime」のように書いてしまうスペルミスがあるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 時制の組み合わせ
- 未来の文脈で「By the time + 現在形」で従属節を書く場合がある(例: By the time I arrive, he will have left.)。この時制のずれが初心者には混乱しがち。
- 未来の文脈で「By the time + 現在形」で従属節を書く場合がある(例: By the time I arrive, he will have left.)。この時制のずれが初心者には混乱しがち。
- スペルミス
- “by the time”は3 語であり、くっつけて書かないように注意。
- “by the time”は3 語であり、くっつけて書かないように注意。
- 混同表現
- “until”や“when”と混同しやすいので、状況に合わせて適切に使うこと。
- “until”や“when”と混同しやすいので、状況に合わせて適切に使うこと。
- TOEIC・英検などでの出題
- 接続表現や副詞節の整序問題で頻出するパターンです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「by the time」は、「その時点に到達する前に何が起こるのか」をイメージすると覚えやすいです。
- 未来表現では、従属節が現在形、主節が未来形や完了形になる点が重要な特徴です。
- 覚えるときは「by(〜までに)」+「time(時間)」の組み合わせをしっかり意識すると、「その時間までには〜となる」とイメージしやすくなります。
以上が、「by the time」の詳細な解説となります。ぜひ参考にしてみてください。
《接続詞的に》…するまでには