of course
以下では “of course” という表現について、学習者向けに詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “of course”
- 日本語: 「当然」「もちろん」
「of course」は「当然だよ」「それは当たり前だよ」というニュアンスで使われるフレーズです。相手から質問・依頼を受けたときに、「それは言うまでもない吧」という気持ちを込めて使われることが多いです。
品詞
- 応答表現(慣用表現)
※ 文章の中では副詞句(adverbial phrase)のように機能したり、相槌として独立したフレーズとして扱われることがあります。
活用形
- 固定表現のため、通常は“of course”のみで変化はしません。
他の品詞形
- “course” (名詞) 「コース、進路、課程」
- “of course” のまま別の品詞として変化することはありませんが、ベースの “course” は名詞として「進路」「課程」「方向性」などの意味を持ちます。
CEFR レベルの目安
- A2(初級)〜B1(中級)
使い勝手がよく、初級・中級レベルの英語学習者でも比較的早い段階で知る表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- of: 前置詞
- course: 名詞(ここでは “当然のこと” という文脈で使われています)
もともと “as a matter of course” (当然のこととして)から派生して短縮されたのが “of course” と言われています。
関連語や派生語
- course (名詞): 「進路、課程、方向」
- coarse (形容詞): 「粗い」 — スペリングが似ているため混同に注意。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- “Of course not.” → 「もちろん違うよ。」
- “Yes, of course.” → 「ええ、もちろんです。」
- “Of course you can.” → 「もちろんできるよ。」
- “Of course I will.” → 「もちろんやるよ。」
- “Of course I agree.” → 「もちろん賛成です。」
- “Of course I remember.” → 「もちろん覚えてるよ。」
- “It goes without saying.” → 「言うまでもないよ。」(“of course” の言い換え表現)
- “Naturally.” → 「当然だよ。」(単語ひとつで言い換え可能)
- “Clearly.” → 「はっきりとそうだね。」(強調のニュアンスが近い)
- “Obviously.” → 「明らかに。」(説明が不要なほど当然であることを示すとき)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「course」はラテン語の “cursus”(走る、進む)から派生し、古フランス語 “cours” を経て英語に入りました。
- “of course” は “as a matter of course” (物事の自然な成り行きで当然のこと) の略形として、日常的に使われるようになったと考えられています。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「言うまでもなく当然である」ことを強調する表現です。
- 口語でも文章でも頻繁に使われますが、あまりに連発すると失礼に聞こえることもあります(相手の質問を「そんなの当たり前じゃないか」という含みで否定するように捉えられる場合があるため)。
使われるシーン
- カジュアル: 友人同士の会話で相槌としてよく使います。
- フォーマル: ビジネスメールや会議でも返答として “Of course” を使うことがありますが、時に “Certainly” のほうが礼儀正しく響く場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 文頭での使用例: “Of course, I can do that.”
- 文中・文末での使用例: “I can do that, of course.”
- 独立した応答として使うときは「Of course!」のように一言で返事することも多いです。
フォーマル / カジュアル
- フォーマル: “Certainly,” “Indeed,” “Without a doubt.”
- カジュアル: “Of course,” “Sure,” “Sure thing.”
“Of course” 自体はあらゆる場面で使えますが、よりフォーマルな文脈ではほかの類似表現を使うことも検討します。
5. 実例と例文
ここでは、場面別に自然な例文を提示します。
日常会話 (カジュアル) 例文
“Could you pass me the salt?”
— “Of course. Here you go.”
(「塩を取ってもらえる?」「もちろん。はいどうぞ。」)“Are you free this evening?”
— “Of course. What’s up?”
(「今晩空いてる?」「もちろん。どうしたの?」)“Do you mind if I borrow your pen?”
— “Of course not. Help yourself.”
(「ペンを借りてもいい?」「もちろんいいよ。自由に使って。」)
ビジネスシーン (ややフォーマル) 例文
“Can you send me the sales report by tomorrow?”
— “Of course. I’ll have it to you first thing in the morning.”
(「明日までに営業報告書を送ってもらえますか?」「もちろん。朝一番でお送りします。」)“Would you be willing to join our project?”
— “Of course. I’d be glad to help.”
(「私たちのプロジェクトに参加していただけますか?」「もちろん。協力できれば嬉しいです。」)“Please let me know if you need any additional support.”
— “Of course. I appreciate your help.”
(「もし追加のサポートが必要な場合は知らせてください。」「もちろん。ご協力ありがとうございます。」)
学術・フォーマルな文脈 例文
“Of course, further research is required to validate these findings.”
(「もちろん、これらの研究結果を検証するにはさらなる調査が必要です。」)“It’s important, of course, to examine earlier literature on the subject.”
(「当然ながら、このテーマに関する過去の文献を検証することは重要です。」)“We must, of course, consider ethical implications before proceeding.”
(「当然ながら、実施に移る前に倫理的な影響を考慮しなければなりません。」)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
Certainly → 「確かに」
- “Certainly, I’ll help you tomorrow.”
- ややフォーマル度が高い。
- “Certainly, I’ll help you tomorrow.”
Definitely → 「間違いなく」
- “I’ll definitely be there on time.”
- 強い断定。
- “I’ll definitely be there on time.”
Absolutely → 「完全に、絶対に」
- “Absolutely, I agree with your opinion.”
- より強い共感や確信を表す。
- “Absolutely, I agree with your opinion.”
Sure → 「もちろん」
- “Sure, no problem.”
- カジュアル度が高い。
- “Sure, no problem.”
Naturally → 「当然ながら」
- “Naturally, we should consider all options.”
- 事態が当たり前に想定できるときに使う。
- “Naturally, we should consider all options.”
反意語
- 明示的な反意語はありませんが、強いて言えば「そうではない」「いいや、もちろんそうではない」をいう場合は “Of course not.” と否定形になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号):
- アメリカ英語: /əv ˈkɔːrs/ または /ʌv ˈkɔːrs/
- イギリス英語: /əv ˈkɔːs/ または /ɒv ˈkɔːs/
- アメリカ英語: /əv ˈkɔːrs/ または /ʌv ˈkɔːrs/
- アクセント: “course” の部分に強勢があります(“of COURSE”)。
- よくある間違い: “coarse” ( /kɔːrs/ ) とスペリング・意味が異なるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “of couse” や “of corse” などのミス。
- “coarse”(粗い)との混同: スペルは似ていますが、意味が全く異なるので要注意。
- 会話で多用しすぎる: 質問に対して無意識に “Of course” を連発すると、場合によっては失礼に聞こえることもあります。
- 試験対策: TOEIC・英検などでも頻繁に登場する基本表現ですが、文書・メール内では “Certainly” の方がややフォーマルに感じられることが多いので、文脈に合わせて使い分けましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “of course” = “(It is) of normal course” → 「物事の進む道筋だ」と覚えると「自然な流れでいって当然」というイメージになります。
- スペリング注意: “course” の “u” を忘れずに。「コース」をカタカナで考えてから “cou-r-se” と覚えると漏れにくいです。
- 自然に身につけるには、ネイティブの相槌をよく聞いて、同じリズム・イントネーションで使ってみましょう。
以上が “of course” の詳細解説です。カジュアルからフォーマルまで、幅広いシーンで使われる便利な表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。
もちろん