最終更新日:2025/10/18
(人)に訴える, 《Aが》《...する》ように懇願する《to A to do》 / 《...を》(人)に求める,要請する《for ...》 / ...に魅力がある, ...の興味を惹く
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元となった辞書の項目
appeal to
(人)に訴える, 《Aが》《...する》ように懇願する《to A to do》 / 《...を》(人)に求める,要請する《for ...》 / ...に魅力がある, ...の興味を惹く
解説
1. 基本情報と概要
単語(表現): “appeal to”
品詞: 句動詞(動詞フレーズ)
英語での意味
- to make a serious or urgent request to someone or something
- to be attractive or interesting to someone
日本語での意味
- “appeal to ~” は「(人・集団など)に強く訴える」「~の心に訴える」「~に懇願する」「(興味や好みなどを)引きつける」という意味のニュアンスがあります。
- 例えば、「この商品は若い世代の心を掴む」というような文脈でも “appeal to young people” と言えますし、「審判に判定の再考を求める」場合にも “appeal to the referee” という使い方ができます。
活用形
- 動詞フレーズなので、主に「appeal to + 目的語」の形で使います。
- 例: “He appeals to the audience for support.”
- 時制による変化: “appealed to,” “will appeal to,” “is appealing to,” など、通常の動詞の時制に合わせて変化します。
- 例: “He appeals to the audience for support.”
関連する別の品詞形
- 名詞形: “appeal” (訴え、魅力、控訴など)
- 例: “His appeal to the court was denied.”(彼の控訴は棄却された)
- 例: “The movie has a broad appeal.”(その映画は幅広い魅力がある)
- 例: “His appeal to the court was denied.”(彼の控訴は棄却された)
- 形容詞形: “appealing” (魅力的な、訴えるような)
- 例: “That idea is appealing.”(そのアイデアは魅力的だ)
- 例: “That idea is appealing.”(そのアイデアは魅力的だ)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): “appeal to” は、具体的な状況(裁判所への訴え、関心を引きつける)や抽象的な場面(理性的に訴える、感情に訴える)などで幅広く使われるため、中級学習者にとってやや上のレベルですが、ビジネスやアカデミックでも珍しくありません。
2. 語構成と詳細な意味
“appeal” は、語源的には「呼びかける」「引き寄せる」というニュアンスがあり、そこに前置詞 “to” を組み合わせて「(相手や対象に)訴える」という意味を作っています。
関連表現やコロケーション(10個)
- appeal to reason
- 日本語: 理性に訴える
- 日本語: 理性に訴える
- appeal to emotion
- 日本語: 感情に訴える
- 日本語: 感情に訴える
- appeal to authority
- 日本語: 権威に訴える
- 日本語: 権威に訴える
- appeal to the public
- 日本語: 世間(一般大衆)に訴える
- 日本語: 世間(一般大衆)に訴える
- appeal to the court
- 日本語: 裁判所に訴える(控訴する)
- 日本語: 裁判所に訴える(控訴する)
- appeal to a higher power
- 日本語: より上位の権限・機関などに訴える
- 日本語: より上位の権限・機関などに訴える
- appeal to the audience
- 日本語: 観衆(視聴者)に訴える
- 日本語: 観衆(視聴者)に訴える
- appeal to common sense
- 日本語: 常識に訴える
- 日本語: 常識に訴える
- appeal to a demographic
- 日本語: ある特定層(市場)の心を掴む
- 日本語: ある特定層(市場)の心を掴む
- appeal to one’s sense of justice
- 日本語: 正義感に訴える
- 日本語: 正義感に訴える
3. 語源とニュアンス
- 語源: “appeal” はラテン語の “appellāre”(呼びかける)に由来します。フランス語を経て英語に入り、「訴える、控訴する、心に訴えかける」という広い意味を持つようになりました。
- ニュアンス: “appeal to” は相手の注意や感情・理性などに「強く働きかける」イメージがあります。裁判などの正式な訴えから、マーケティングで「このコンセプトは若者にアピールする」まで、公式/非公式どちらでも使います。
使用時の注意
- 感情・理性など「何に」訴えるかを明確にすることで意味の幅が変わります。
- 口語でもビジネスでも広く使いますが、書き言葉で裁判などの正式な文脈では「控訴する」「上訴する」という非常にフォーマルな意味合いを持つ場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 構文: “appeal to + 目的語(人または抽象的対象)”
- 例: “We appealed to the government for financial support.”
- 例: “We appealed to the government for financial support.”
- 文法上のポイント:
- “appeal” は自動詞としても他動詞としても使えますが、「appeal to ~」という形では「~に訴える」という他動詞(+ 前置詞 to)の形になります。
- 法的文脈では “appeal” を他動詞的に使って “appeal the decision” のように前置詞が省かれる用例もありますが、それは “裁定を控訴する” という特殊な形です。
- “appeal” は自動詞としても他動詞としても使えますが、「appeal to ~」という形では「~に訴える」という他動詞(+ 前置詞 to)の形になります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “That movie really appeals to me because I love science fiction.”
- 日本語: 「あの映画はSFが大好きな私の心をとらえるんです。」
- “Could you appeal to his sense of responsibility and ask him to help?”
- 日本語: 「彼の責任感に訴えて、手伝ってもらえないか頼んでみてくれない?」
- “If you want them to change their minds, you need to appeal to their interests.”
- 日本語: 「もし彼らの考えを変えたいなら、彼らの興味に訴える必要があるよ。」
ビジネスでの例文(3つ)
- “We should appeal to a wider audience by updating our marketing strategy.”
- 日本語: 「マーケティング戦略をアップデートして、より幅広い層にアピールすべきだ。」
- “He tried to appeal to the board of directors for more funding.”
- 日本語: 「彼は取締役会に、より多くの資金提供を求めて訴えかけた。」
- “This product is designed to appeal to the eco-conscious consumer.”
- 日本語: 「この製品は環境を意識する消費者層に訴求するように設計されています。」
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “The organization appealed to the United Nations for humanitarian aid.”
- 日本語: 「その組織は人道援助を求めて国連に訴えた。」
- “Attorneys appealed to the Supreme Court, arguing the verdict was unconstitutional.”
- 日本語: 「弁護士は判決が違憲だとして最高裁判所に上訴した。」
- “In his speech, the politician appealed to democratic principles.”
- 日本語: 「その政治家は演説の中で民主主義の原則に訴えかけた。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “plead with”(懇願する)
- 日本語: 〜に嘆願する
- 違い: “plead with” は強い懇願のニュアンスを持ち、やや切迫した響き。
- 日本語: 〜に嘆願する
- “call on”(呼びかける)
- 日本語: 〜に呼びかける
- 違い: “call on” は特定の人・団体に対して公式の求めをする感覚があるが、「訴えかける」よりもやや直接的・簡潔。
- 日本語: 〜に呼びかける
- “urge”(促す、力説する)
- 日本語: 〜を強く促す
- 違い: 具体的な行動を強く推奨・要求するニュアンスがある。
- 日本語: 〜を強く促す
- “address”(演説する、呼びかける)
- 日本語: 〜に(問題などを)対処する、呼びかける
- 違い: 演説や文書で相手に向けて話をするニュアンス。
- 日本語: 〜に(問題などを)対処する、呼びかける
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、「reject」(退ける、拒否する)や「ignore」(無視する)などが “appeal to” が示す「訴え」の成功が得られない場合を表す文脈で反対の行為として考えられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /əˈpiːl tə/
- イギリス英語: /əˈpiːl tʊ/ または /əˈpiːl tuː/
- アメリカ英語: /əˈpiːl tə/
- 強勢(アクセント): “apPEAL” の第二音節に強勢があります。
- よくある発音の間違い: 「アピール」ではなく、「アピール(ピにアクセント)」のように「ピール」の部分をはっきり発音しましょう。
- アメリカ英語では「トゥ」、イギリス英語では「トゥ」または「トゥウ」と、若干の母音の伸ばし方に違いが見られます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “appeal” は「appealing(魅力的な)」との混同やスペルを間違いやすいので注意が必要です。
- 前置詞 “to” を忘れがちで、「He appealed me.」のように直接目的語を置くのは一般的に誤りです(例外的に法的文脈で “appeal the decision” のように使われることがあります)。
- TOEIC や英検などでは「心に訴える」「顧客の興味を引く」という文脈で頻出です。特にビジネスシーンでのマーケティング文脈や、法的文脈での「控訴する」という意味で出題される傾向があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “appeal” は “ap-” (~へ) + “peal(呼びかけ)” とイメージしておきましょう。「人々の心にむかって呼びかける」感じです。
- 「アピールする」という日本語に近いイメージで覚えられますが、英語では前置詞 “to” を伴うことで「〜(相手や対象)に訴えかける」ニュアンスを正しく表現できます。
- 法的文脈だけでなく、「魅力的だ」と感じさせるニュアンスも持っているため、マーケティングや日常会話でも使える汎用性の高い表現です。
以上が “appeal to” の詳細な解説です。日常会話からビジネス、法的な文脈まで幅広く活用される表現なので、例文とともに練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人)に訴える, 《Aが》《...する》ように懇願する《to A to do》
意味(2)
《...を》(人)に求める,要請する《for ...》
意味(3)
...に魅力がある, ...の興味を惹く