最終更新日:2025/01/04
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元となった辞書の項目

put off

動詞

【句動】を後回しにする,を延期する,を先延ばしにする / の気を悪くさせる, を不快にする,をうんざりさせる

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解説

以下では、動詞フレーズ「put off」について、できるだけ詳しく解説していきます。


1. 基本情報と概要

意味(英語&日本語)


  • 「put off」

    1) “to postpone or delay something”(何かを延期する、遅らせる)

    2) “to make someone lose enthusiasm or interest”(人のやる気や興味をなくさせる)

    3) “to distract or disturb someone”(人を混乱させる、集中をそらす)【やや口語的】

日本語では主に「延期する」「先延ばしにする」「気をそがせる・やる気を削ぐ」という意味で使われます。日常会話で「あとにしよう」「先延ばしにしてしまう」といったニュアンスです。

品詞と活用形


  • 品詞:句動詞(phrasal verb)


    • 基本動詞:「put」+副詞(particle)「off」という構造


  • 活用形:


    • 原形:put off

    • 三人称単数現在形:puts off

    • 現在進行形:putting off

    • 過去形:put off

    • 過去分詞形:put off


“put” 自体が変化しない不規則動詞なので、三単現以外は形を変えません。

他の品詞での例


  • 「put」は動詞として使われるのが基本ですが、名詞では一般的に使用しません。

  • 「off」は形容詞や副詞、前置詞として使われる場合がありますが、「put off」はひとかたまりの句動詞です。

CEFRレベルの目安


  • B1(中級)~B2(中上級)程度


    • “put” 自体は基礎的ですが、「put off」という句動詞としてさまざまな意味をとるため、少し応用的な熟語として理解が必要です。



2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • 「put」: “to place something somewhere” が基本の動詞

  • 「off」: 副詞的・前置詞的に働き、離れる・分離するニュアンスを付加

負荷的な意味を持つ「off」が加わることで、単に「置く」という意味を超え、「延期する」「離れさせる」というニュアンスが生まれています。

他の単語との関連性(派生・類縁など)


  • 「put on」(着る、(体重など)増やす)

  • 「put out」(消す、外に出す)

  • 「put up」(立てる、泊める、掲示する)

  • 「put down」(書き留める、けなす)

これらは同じ「put」+副詞や前置詞の組合せで意味ががらっと変わる、典型的な句動詞の例です。

コロケーションや関連フレーズ(10例)


  1. put off a meeting(会議を延期する)

  2. put off the decision(決定を先延ばしにする)

  3. put off doing homework(宿題を後回しにする)

  4. be put off by the smell(臭いで気分が悪くなる)

  5. put off customers(お客の気をそがせる)

  6. put off an appointment(アポイントを延期する)

  7. can’t put it off any longer(これ以上先延ばしにできない)

  8. put off the wedding(結婚式を延期する)

  9. put off the task until tomorrow(仕事を明日まで延期する)

  10. the noise put me off(騒音のせいで集中できなくなる)


3. 語源とニュアンス

語源


  • 「put」は古英語由来で、「場所を変える」「配置する」という意味が原点。

  • 「off」は古英語などで「離れて」「分けて」といった意味を持つ。

  • これが組み合わさり、「(予定を)離す・切り離す→延期する」「(人の気持ちを)遠ざける→興味を失わせる」といったニュアンスが生まれたと考えられます。

ニュアンスや使用時の注意


  • 「postpone」と同義でフォーマルな書き言葉としても使えますが、よりカジュアルな響きです。

  • 誰かの気をそぐ意味で使う場合は口語的で、少し砕けたニュアンスが含まれます。

  • ビジネスでも「予定を先延ばしにする」意味として頻出ですが、書類などの正式文書では「postpone, delay」を使うほうがかしこまった印象を与えます。


4. 文法的な特徴と構文


  1. 他動詞として使い、目的語を取る


    • 例) I put off the meeting.(会議を延期した)

    • “the meeting” が目的語


  2. 場合によっては目的語を代名詞で挟む形にもなる


    • 例) I put it off.(それを延期する)

    • 代名詞の場合は「put off it」ではなく、必ず「put it off」の順番


  3. 口語・カジュアル/フォーマルな文脈


    • 口語的 ⇒ “I’ll put it off until tomorrow.”

    • ビジネス文書などフォーマル ⇒ “The meeting has been postponed.”



5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “I always put off doing the laundry until I run out of clean clothes.”

    (いつも洗濯を後回しにして、着るものがなくなるまでやらないんだ。)

  2. “Don’t put off calling your parents. They worry about you.”

    (両親に電話するの、後回しにしないで。心配してるよ。)

  3. “The smell of that dish really put me off.”

    (あの料理の匂いが、本当に気分を悪くしたよ。)

ビジネスでの例文(3つ)


  1. “We have to put off the project launch due to budget constraints.”

    (予算の制約で、プロジェクトの立ち上げを先延ばしにしなくてはなりません。)

  2. “Could we put off the meeting until next week?”

    (ミーティングを来週まで延期できますか?)

  3. “The client was put off by the lack of clear communication.”

    (クライアントは、明確な説明が足りないことで興味を失ってしまった。)

学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)


  1. “The conference was put off until a more suitable venue became available.”

    (より適切な会場が確保できるまで、その学会は延期された。)

  2. “Researchers decided to put off the experiment due to safety concerns.”

    (研究者たちは、安全上の懸念から実験を延期することにした。)

  3. “The committee put off the vote to gather additional data.”

    (委員会は、追加データを収集するために採決を先送りにした。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語(Synonyms)


  1. postpone(延期する)


    • よりフォーマルな場面でよく使われる。


  2. delay(遅らせる)


    • 「遅れ」というニュアンスが強い。


  3. defer(延期する、先伸ばしにする)


    • 公的文書やフォーマルな文脈で使用されがち。


  4. procrastinate(先延ばしにする)


    • とくに本人の怠惰・気乗りしない気持ちによる先延ばしを意味。


反意語(Antonyms)


  • bring forward(予定を早める)


    • 予定を後ろにずらす「put off」とは反対の「前倒し」をする表現


ニュアンスの違い


  • 「postpone」は事務的・フォーマルで、ビジネスメールなどでよく用いられる。

  • 「delay」は「計画通りにはできない状況」を強調する。

  • 「put off」は日常的表現として広く使える反面、ややカジュアル。相手が不快に感じるニュアンスを示す場合もある。


7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA):/pʊt ɔːf/(イギリス英語), /pʊt ɔːf/ または /pʊt ɑːf/(アメリカ英語 一部地域)

  • アクセント:


    • 「put」に強勢が置かれやすいが、短い句動詞でそれほど大きなアクセントの違いはない。


  • よくある発音の間違い:


    • 「put」を /pʌt/ のように「あ」の音で発音してしまうケースがあるので注意。英語の /ʊ/ は、日本語の「ウ」と「オ」の中間のような音。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • 「put off」と「put out」「put on」「put up」など、似た句動詞の混同に注意。

  • 「off」の位置:代名詞目的語は「put it off」、名詞なら「put off the meeting」も「put the meeting off」もOK。

  • スペリングミス: “put of” と誤記しないように注意。

  • 同音異義語との混同: “put off” と “put over” などの句動詞を混同しがち。

  • 資格試験でも、句動詞問題(TOEIC・英検など)でしばしば登場。特に「postpone」との言い換え問題が出やすい。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “put off” と聞くと「“off”スイッチを押して先送りするイメージ」を思い出すと覚えやすいです。

  • 「後ろにどかす・遠ざける」イメージを頭に置いておくと、延期や気持ちをそぐ感覚が連想できます。

  • 句動詞は映像や比喩で覚えると、使い分けや表現の幅が広がります。


以上が「put off」の詳細解説です。「put」というシンプルな動詞が、「off」を伴うだけで「延期する」や「気をそぐ」意味を持つ点が英語句動詞の面白いところです。ビジネスや日常会話を含む幅広い場面で使えるので、ぜひ活用してみてください。

意味のイメージ
put off
意味(1)

【句動】を後回しにする,を延期する,を先延ばしにする

意味(2)

の気を悪くさせる, を不快にする,をうんざりさせる

頻出句動詞150 / 英英選択問題 / 句動詞⇨英定義

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