元となった辞書の項目
go around
解説
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): go around
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
CEFR レベル: B1(中級)
「go around」は日常会話でよく使われる句動詞で、「回る」「巡回する」「広まる」「行き渡る」などの意味を持ちます。例えば、「何かが世間に広まる」「何かをぐるっと回りながら進む」「十分に行き渡る」など、場面に応じてさまざまなニュアンスが含まれる表現です。
活用形・その他の品詞
- go の原形 → go
- 三人称単数現在形 → goes around
- 進行形 → going around
- 過去形 → went around
- 過去分詞形 → gone around
「go」は動詞の原型として、さまざまな時制で活用しますが、「around」と組み合わせることで句動詞(phrasal verb)となり、特定の意味を持つフレーズとして使われます。
「go round」と表記されることもありますが、主にイギリス英語で用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- go: 「行く」や「動く」という基本動詞。古英語の “gān” (行く) に遡る。
- around: 「周りに」「巡って」「あちこちに」という意味を持つ前置詞/副詞。
詳細な意味
- 物理的に回る・巡回する
例: 「地球を一周する」「テーブルを一周する」など。 - 十分に行き渡る
例: 「ケーキがみんなに行き渡る」 - (うわさ・病気などが)広がる
例: 「インフルエンザが流行している」 - あちこちを訪れる・出歩く
例: 「町をぶらぶら歩き回る」
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- go around the world(世界を回る)
- go around the table(テーブルを一周する)
- go around in circles(同じことを繰り返す、堂々巡りをする)
- go around the neighborhood(近所を歩き回る)
- rumors go around(噂が広まる)
- a virus going around(ウイルスが流行している)
- not enough to go around(十分な量がない/行き渡らない)
- go around the problem(問題を迂回する/回避する)
- go around with friends(友達とあちこち出歩く)
- go around to each student(生徒一人ひとりに回る)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「go」は古英語の “gān” に由来し、「進む」「行く」の意。
- 「around」は古英語の “aroundan” がもとで、「周囲に」「取り囲むように」という意味。
- 「go」は古英語の “gān” に由来し、「進む」「行く」の意。
歴史的背景・ニュアンス:
もともと「go (行く) + around (周りを)」の組み合わせで、直接的に「物の周りを行く(回る)」という物理的なイメージを表しますが、派生的に「広まる」「出回る」「行き渡る」などの意味へと拡大していきました。使用時の注意点:
- カジュアル: 日常会話でよく使われます。「There’s a bug going around.(風邪がはやっているよ)」など、会話で非常によく登場します。
- フォーマル/ビジネス文書: “circulate” や “distribute” などの、よりフォーマルな語に置き換えることもありますが、口語的なニュアンスで「go around」がそのまま使われることもあるため、状況に応じて使い分けが必要です。
- カジュアル: 日常会話でよく使われます。「There’s a bug going around.(風邪がはやっているよ)」など、会話で非常によく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 句動詞の取り扱い:
「go around」は多くの場合、自動詞的に使われますが、前置詞として「go around something(何かの周りを回る/迂回する)」という形で他動詞的に使われることもあります。 典型的な構文:
- “Someone goes around (doing something)”(人があちこちで〜する)
- “Rumors/disease go around” (噂/病気が広まる)
- “There is enough cake to go around.”(ケーキがみんなに行き渡るだけある)
- “Someone goes around (doing something)”(人があちこちで〜する)
イディオム的表現:
- “go around in circles” :同じ問題に取り組んで前に進まない状態
- “go around the houses (英)” :遠回りした説明をする(やや口語・イギリス英語寄り)
- “go around in circles” :同じ問題に取り組んで前に進まない状態
5. 実例と例文
① 日常会話
- “I heard there’s a bad cold going around at school.”
(学校でひどい風邪が流行っているみたいだよ。) - “Let’s go around the park for some fresh air.”
(公園をぐるっと散歩して、気分転換しよう。) - “Is there enough pizza to go around?”
(ピザはみんなに行き渡るだけあるかな?)
② ビジネスシーン
- “The memo has been going around the office all morning.”
(そのメモがオフィスでずっと回覧されているんだ。) - “There’s a rumor going around that our team will be restructured.”
(私たちのチームが再編成されるっていう噂が広まっているね。) - “Make sure the instructions go around to all departments.”
(この指示がすべての部署に回るようにしてください。)
③ 学術的・フォーマルな文脈
- “Recent studies suggest a new strain of flu is going around.”
(最近の研究によると、新型のインフルエンザが流行しているらしい。) - “Several theories have been going around regarding the origin of the artifact.”
(その遺物の起源について、いくつかの仮説が世間で流布している。) - “We need enough handouts to go around for all attendees.”
(参加者全員に行き渡るだけの配布資料が必要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- circulate(循環する、広まる)
- 例: “Rumors began to circulate that he might resign.”
- よりフォーマルな響きで、ビジネス文書や公的な文章でも用いられる。
- 例: “Rumors began to circulate that he might resign.”
- spread(広がる、広める)
- 例: “The virus spread quickly throughout the city.”
- 移動や広まりのイメージが分かりやすい。
- 例: “The virus spread quickly throughout the city.”
- move around(動き回る)
- 物理的に「動き回る」意味が強い。
- 物理的に「動き回る」意味が強い。
反意語 (Antonyms)
- stay put(その場に留まる)
- remain(とどまる)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ɡoʊ əˈraʊnd/
- イギリス英語: /ɡəʊ əˈraʊnd/
- アメリカ英語: /ɡoʊ əˈraʊnd/
アクセント・強勢
- “go a-ROUND” のように “around” の “round” 部分にやや強調が来るが、人によっては “GO a-round” と言うこともある。口語では前置詞部分を弱く発音することが多い。
- “go a-ROUND” のように “around” の “round” 部分にやや強調が来るが、人によっては “GO a-round” と言うこともある。口語では前置詞部分を弱く発音することが多い。
よくある発音間違い
- “go” を “ga” のように短く発音しすぎる
- “around” の “a” を「ア」ではなく「エア」のように伸ばしてしまう
- “go” を “ga” のように短く発音しすぎる
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルの区別
- 「go around」か「go round」か:イギリス英語では “go round” と表記されることもあり、混乱しやすい。
- 「go around」か「go round」か:イギリス英語では “go round” と表記されることもあり、混乱しやすい。
- 句動詞の意味の幅
- 「広まる」「回る」「行き渡る」など、文脈によって意味が変わるため、例文に触れて意味をつかむ必要がある。
- 「広まる」「回る」「行き渡る」など、文脈によって意味が変わるため、例文に触れて意味をつかむ必要がある。
- 固定表現との混同
- “go around in circles” や “go around the houses” はイディオム的表現で、直訳と実際の意味が異なるので注意。
- “go around in circles” や “go around the houses” はイディオム的表現で、直訳と実際の意味が異なるので注意。
試験対策でのポイント
- TOEIC などでは、パート3や4の会話文中で「噂や情報が広まっている状況の表現」として登場する可能性がある。
- 英検の面接などでも「風邪が広まっている」などの状況を説明するのに役立つ。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “行って(go)、周りを(around)” という直訳のイメージを活かすと、物理的に回るだけではなく「情報やモノがあちこちに広がる」感覚もつかみやすい。
- 「円をイメージする」:周囲をぐるっと回る様子や、噂などが輪のように人々の間を回っていくイメージを思い浮かべると覚えやすい。
- スペリング暗記法: “go” + “a” + “round” を「ゴー・ア・ラウンド」のように区切って読んでみると意外と定着しやすい。
以上が「go around」の詳細解説です。日常会話からビジネス、学術的な文章まで幅広く使われ、文脈によって多様な意味を持つ便利なフレーズです。ぜひ例文を声に出して練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
【句動】(うわさなどが)広まる, (次々と)回る, 動き回る
意味(2)
行き渡る