bring out
以下では「bring out」という表現について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語(句動詞): bring out
意味(英語):
1) to make something more noticeable or to highlight something (「引き立てる」・「際立たせる」)
2) to publish or release a product or something new (「発売する」・「公表する」)
意味(日本語):
1) 何かを表面化させたり、より目立つようにすること。たとえば、人の良さや色味、感情などを引き出す感じです。「彼の優しさを引き出す」「味を引き立てる」などのニュアンスがあります。
2) 新商品の発売や、新しい情報・作品を世に出すこと。「新製品を発売する」「本を出版する」というようなシーンで使われます。
「bring out」は句動詞(動詞+副詞)です。日常会話でもよく出てくる表現で、微妙なニュアンスとして「外に持ってくる→世に出す」「内面から外へ引き出す」というイメージがあります。
活用形:
- bring - brought - brought
- bring out の場合、過去形や過去分詞形は「brought out」となります。
他の品詞形:
- bring (動詞) → bringer (名詞:
持ってくる人
ただしあまり一般的ではない) - out (副詞・前置詞・形容詞としての用法) → しかし「bring out」は固まりで句動詞として機能
難易度目安 (CEFR): B2(中上級)
日常会話やビジネスでの使用頻度はそこそこ高く、ただし基礎から少し進んだ学習者向けです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- bring: 「持ってくる」という意味を持つ動詞
- out: 「外に」という意味の副詞(句動詞の一部)
この二つが組み合わさることで「内在するものを外へ出す・引き出す」や「新しいものを外の世界に出す」イメージになります。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- bring out the best in someone(誰かの一番良い部分を引き出す)
- bring out the worst in someone(誰かの一番嫌な部分を引き出す)
- bring out a new product(新製品を発売する)
- bring out new ideas(新しいアイデアを打ち出す)
- bring out a new edition(新しい版を出版する)
- bring out the flavor(味を引き立てる)
- bring out the color(色合いを引き立てる)
- bring out a statement(声明を公表する)
- bring out one’s personality(人の個性を引き出す)
- bring out the truth(真実を明るみに出す)
3. 語源とニュアンス
語源
- bring: 古英語 “bringan” に由来し、「運ぶ・持ってくる」という意味を持つ語
- out: 古英語 “ūt” に由来し、「外に」「外へ出す」というニュアンスを持つ語
句動詞としての「bring out」は、19世紀頃から「出版する」「何かを際立たせる」といった意味で徐々に定着しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「bring out」は日常会話、ビジネス、記事や雑誌などの文章でも広く使われます。
- 「公表する」「出版する」という文脈では、ややフォーマルにも使えます。
- 「(人の特徴を)引き立てる」という文脈では、カジュアルな会話でよく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 「bring out」は他動詞句動詞で、目的語が必要です。
例: “bring out something” または “bring something out”
“We need to bring out a new product.” / “We need to bring a new product out.” のように、目的語が名詞であれば位置を入れ替えられます。 - 目的語が代名詞(it, them, him, her など)の場合、必ず “bring it out” のように「代名詞は中に挟む」形になります。
例: “Let’s bring it out.” × “Let’s bring out it.” (後者は誤り)
イディオムや構文例
- “bring out the best/worst in someone”:「人の良い面・悪い面を引き出す」
- “be brought out”:「(受動態で) 発売される、出版される、引き出される」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での使用例
- “This sauce really brings out the flavor of the meat!”
(このソースは肉の味を本当に引き立てるね!) - “That dress brings out the color of your eyes.”
(そのドレスはあなたの瞳の色を引き立てるね。) - “Spending time with her always brings out my cheerful side.”
(彼女と過ごすと、いつも自分の明るい面が引き出されるんだ。)
(2) ビジネスでの使用例
- “We plan to bring out a new software update next month.”
(来月、新しいソフトウェアアップデートをリリースする予定です。) - “The company is bringing out a statement regarding the recent changes.”
(その会社は最近の変更についての声明を発表します。) - “Our strategy is to bring out a redesigned version of the product by the end of this quarter.”
(今期末までに製品の新しいデザイン版を発売する戦略です。)
(3) 学術・専門的な文脈での使用例
- “The study aims to bring out the underlying causes of this phenomenon.”
(その研究は、この現象の根底にある原因を明らかにすることを目的としています。) - “We need more data to bring out any statistically significant differences.”
(統計的に有意な差を引き出すには、さらなるデータが必要です。) - “This paper brings out new perspectives on climate change adaptation strategies.”
(この論文は、気候変動への適応戦略に関する新たな視点を提示しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- reveal(明らかにする)
- よりフォーマルで、「隠されていた事実を公表する」というニュアンスが強い
- よりフォーマルで、「隠されていた事実を公表する」というニュアンスが強い
- highlight(強調する)
- 「shine a light on something」のように、特定のポイントを際立たせるイメージ
- 「shine a light on something」のように、特定のポイントを際立たせるイメージ
- emphasize(強調する)
- 主観的に「ここを強調したい」のような文脈で使われる
- 主観的に「ここを強調したい」のような文脈で使われる
- unveil(お披露目する、初お目見えにする)
- 特に「新商品・新計画などを公に公開する」というニュアンス
- 特に「新商品・新計画などを公に公開する」というニュアンス
- launch(新しく立ち上げる、開始する)
- 新しい製品やサービスを「市場に投入する」という文脈でよく使われる
反意語 (Antonyms)
- suppress(抑える・隠す)
- 情報や感情などを意図的に「外に出さない」「押し殺す」という意味
- 情報や感情などを意図的に「外に出さない」「押し殺す」という意味
- conceal(隠す)
- 「隠蔽する」という意味合いで「bring out」の逆
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- アメリカ英語: /ˈbrɪŋ aʊt/
- イギリス英語: /ˈbrɪŋ aʊt/
アクセント:
- “bring” の「bríng」に強勢があり、直後の “out” を続けて発音します。
- イギリス英語・アメリカ英語ともに大きな差はありませんが、「out」の発音が微妙に /aʊt/→/æʊt/ と変化する場合もあります。
よくある発音ミス:
- “bring”を「ブリング」ではなく「ブリン(g)」と、語末の子音をしっかりと発音しつつ、ただし-ng 音をねじれず自然につなげるように注意する。
- “out”を /əʊt/ や /oʊt/ としてしまったり、日本語の「アウト」と完全に同じ音で発音するとやや不自然になる場合がある。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 目的語の位置: 代名詞(it, him, them など)の場合は「bring it out」と言わないといけない。 × “bring out it.”
- スペルミス: 「bring」を “brink” と間違えるなど。
- 同音異義語との混同: 「ring out」と誤解されると全然違う意味になるので注意。
- 試験対策: TOEICや英検などで、句動詞問題で“bring out”は「~を引き出す・~を発売する」として出題されることがあるので、意味としては「make something appear or release something」の二つを押さえておくと良いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bring” = 持ってくる + “out” = 外へ →「内にあるものを外へ持ってくる、表に出す」というイメージを常に思い浮かべておくと覚えやすいです。
- 「隠されていたものを外に連れてくる」というドラマチックなイメージで、実際に人の良さや商品、新情報などを「世に出す」一連の場面を想像すると定着しやすいでしょう。
- 音で覚えるときは“ブリンガウト”と区切りなくつなげ、文中でも自然に発音すると良いです。
以上が「bring out」の徹底解説です。
何かを表面化させる、あるいは新しいものを世に出すといった幅広い意味を持つ便利な句動詞ですので、ぜひ使い方をマスターしてみてください。
【句動】(才能・特徴など)を引き出す,をはっきりとさせる
(新製品など)を世に出す
を取り出す,を連れ出す