元となった辞書の項目
exact
解説
以下では、形容詞「exact」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
・英語表記: exact
・品詞: 形容詞(Adjective)
・意味(英語): precise; strictly correct or accurate.
・意味(日本語): 「正確な」「厳密な」。たとえば数値や数字、情報が一切の誤差なくぴったり合っている状態を表す言葉です。「誤差がないくらいに正確」「細かい部分まで厳しく合う」というニュアンスで、ビジネスから日常会話まで幅広く使われます。
- CEFR レベル: B2(中上級)
┗ 語彙も増え、微妙なニュアンスを理解し始める学習者向けのレベルです。
派生形
- exactly (副詞): 正確に、厳密に
例: “I know exactly how you feel.” - exacting (形容詞): 厳しい、過酷な、要求が厳格な
例: “He is an exacting boss who demands perfection.” - exacted (動詞形, 過去形): 他動詞としては「要求する、取り立てる」の意味(日常ではあまり使わないが、文語表現として存在)
- exaction (名詞): (やや古風・法的文脈) 取り立て、強要
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- ex-: 本来ラテン語の接頭辞で「〜から外へ」「完全に」などを表す。
- act: 「行う」「駆り立てる」といった意味を持つラテン語動詞“agere”に由来。
- ラテン語 “exigere” (要求する、厳しく求める) → 過去分詞形 “exactus” → 英語へ。
関連語や類縁語
- exactly (副詞): 「正確に」
- accuracy (名詞): 「正確さ」→ こちらは別語源ですが「正確」つながりでよく関連して使われる
- precise (形容詞): 「正確な」→ 同義語としてよく使われる
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ (10例)
- to be exact
┗ 「正確に言うと」 - exact change
┗ 「ちょうどのお釣り(小銭)」 - exact figure
┗ 「正確な数値」 - exact amount
┗ 「正確な量」 - exact time
┗ 「正確な時間」 - exact replica
┗ 「精巧な(正確に再現された)レプリカ」 - require exact precision
┗ 「厳密な正確さを必要とする」 - exacting standard
┗ 「厳しい基準」 - exact location
┗ 「正確な場所」 - exact science
┗ 「厳密な科学分野(数学や物理など)」
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の
exigere
(要求する、測り取る)から派生したexactus
が英語化したもの。 - 歴史的使用: 古くは「要求する」という意味合いが強かったが、現代では「厳密」「正確」という感覚で使われる。
- ニュアンス・使用上の注意:
- カジュアル: 日常会話で「正確さ」を強調する際によく使う。
- フォーマル: 論文やビジネス文書でも「厳密に」というニュアンスで使われる。
- 強すぎる場合は「overly exact(必要以上に厳密)」のように、やや批判的な印象になることもある。
- カジュアル: 日常会話で「正確さ」を強調する際によく使う。
4. 文法的な特徴と構文
- 品詞: 形容詞のため、名詞を修飾するか、補語として使われる。
- 例: “He gave me an exact count of the votes.” (名詞を修飾)
- 例: “This result is exact.” (補語として使われる)
- 例: “He gave me an exact count of the votes.” (名詞を修飾)
- 他動詞としての “exact”(かなり文語的): 「強要する」「取り立てる」という意味
- 例: “They exacted tribute from the villagers.” (やや古風、書き言葉)
イディオムや構文
- to be exact: 「正確に言うと」
- nothing could be more exact: 「これ以上に正確なことはありえない」(文語的・強調)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル) 3例
- “I need the exact time we’re leaving, so I can plan accordingly.”
┗ いつ出発するか正確な時間を教えてほしい、計画を立てたいから。 - “Do you have the exact change for a coffee?”
┗ コーヒー代のちょうどの小銭、持ってる? - “I’m not exactly sure what you mean. Could you explain again?”
┗ 正確にどういう意味かよく分からないの。もう一度説明してくれる?
ビジネス (フォーマル〜セミフォーマル) 3例
- “Please provide the exact figure for last quarter’s sales.”
┗ 前四半期の売上の正確な数字を提示してください。 - “We need an exact estimate of the project’s budget to proceed.”
┗ プロジェクト予算の厳密な見積もりが必要です。 - “The contract specifies the exact terms of payment.”
┗ 契約書には支払いに関する正確な条件が明記されています。
学術・専門的文脈 3例
- “In order to replicate the experiment, exact conditions must be maintained.”
┗ 実験を再現するためには、正確な条件を維持する必要がある。 - “The formula requires an exact value for each variable.”
┗ この公式では、各変数に対する正確な値が必要とされる。 - “Exact analysis of the data is critical for reliable results.”
┗ 信頼できる結果を得るには、データの正確な分析が不可欠です。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- precise(正確な)
┗ 「計算や言動が誤差なく的確」というニュアンス。どちらかというと科学的な文脈で使われやすい。 - accurate(正確な)
┗ 「事実や結果が正しい」という意味合いが強い。正答率・正しさを強調するときに使う。 - correct(正しい)
┗ 「正解か誤りか」をシンプルに表す。正確さよりは「誤りがない」イメージ。
反意語
- approximate(おおよその)
┗ 「だいたい」「概算の」という意味で、exactとの対比でよく用いられる。 - inexact(不正確な)
┗ 「正確でない」「曖昧な」
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɪɡˈzækt/ または /ɪkˈzækt/
- アクセント(強勢の位置): 「-xact」の部分が強く発音される (例: ig-ZACT)。
- アメリカ英語とイギリス英語での違い: 大きな差はなく、どちらも /ɪɡˈzækt/ に近い発音。ただし、イギリス英語では前の母音が少し短い/弱い発音になりがち。
- よくある間違い: “e” を読まないで “xact” と速く発音しすぎてしまうミスなど。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “exat” や “exect” のように誤って綴る人が時々いる。スペル確認を。
- “accurate” と混同: “accurate” は「正しくて誤りがない」イメージ、“exact”はより厳密で「少数点レベルまで一致」というニュアンスが強め。
- 試験対策: TOEICや英検などでは「正確に言うと」を意味する表現(to be exact)などで出題される場合がある。ビジネスシーンの正確性を問う問題でも重要。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 綴りのヒント: 最初の “e” と “x” の後に “a” が来ることを意識するとスペルミスをしにくいです。
- イメージ: “exact” の頭文字 “E” は “Error(誤差)” がないイメージ。誤差ゼロの “Exact” とイメージすると覚えやすいかもしれません。
- 学習テクニック: 正確さを強調する表現とセットで覚えると良いです。「exactly」「to be exact」と実際の会話で使ってみると自然に身につきます。
以上が形容詞「exact」の詳細な解説です。正確さを表現したいときに便利な単語なので、場面に応じて使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人が)厳密な;(機械など)精密な
意味(2)
《名詞の前にのみ用いて》(数量など)正確な,きっかりの;(物事が)そのままの,そっくりの