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morality
解説
1. 基本情報と概要
単語: morality
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語): Principles or standards concerning the distinction between right and wrong or good and bad behavior.
意味(日本語): 「善悪・正邪を区別し、それに基づいて正しい行動を行うための基準・原則」を表す言葉です。「善悪の区別・道徳的な価値観」といったニュアンスで使われる単語です。
- 「morality」は道徳的な考えや行動指針を表し、個人や社会が「何が正しいか・何が善か」を決めるための基準のことを指します。宗教的・社会的・文化的な観点から用いられることも多い単語です。
活用形:
- この単語は不可算名詞 (uncountable noun) なので、複数形の形は通常ありません。
- ただし例外的に「moralities」の形で「複数の異なる道徳観」「複数の道徳体系」といった文脈で使われる場合があります。一般的には「morality」のままで用いられます。
他の品詞形:
- 形容詞: moral 「道徳の、道徳的な」
- 副詞: morally 「道徳的に」
- 名詞: morals 「道徳的考え方」「道徳観」 (しばしば複数形で使われる)
CEFR レベル目安: C1 (上級)
- 抽象的な議論や道徳・倫理の問題を扱う語彙で、学術的な文脈や議論に対応する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- mor-(ラテン語
mos
・mores
= 慣習、道徳) - -ality(名詞化の接尾辞 “-ality” = 「~の状態」を表す)
派生語・類縁語:
- moral (形容詞/名詞)
- amoral (形容詞: 道徳とは無関係の)
- immoral (形容詞: 不道徳な)
- morality play (名詞: 中世ヨーロッパで見られた教訓劇)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選:
- public morality → 公共の道徳
- personal morality → 個人の道徳
- question of morality → 道徳上の問題
- morality and ethics → 道徳と倫理
- Victorian morality → ヴィクトリア朝の道徳観
- code of morality → 道徳規範
- strict morality → 厳格な道徳観
- morality in politics → 政治における道徳
- religious-based morality → 宗教に基づく道徳
- moral relativism (複合的に “morality” と関連) → 道徳相対主義
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「morality」はラテン語の mōrālitās (mōrālis+tās)に由来し、“道徳的性質”を意味します。さらにたどると“mōs”(習慣・慣習)に遡り、そこから「人が行うべき習慣や行動規範」を示すようになりました。
歴史的変遷:
- 中世ヨーロッパでは宗教的教訓の要素も強く、教会での説教や生活指針で盛んに使われてきました。近代になると社会学や哲学、人文科学の分野で「善悪の基準」「公的・私的な道徳観念」を論じるときにも盛んに用いられるようになりました。
ニュアンスと使用上の注意:
- 「morality」はややフォーマルあるいは学術的に聞こえる傾向があります。日常会話でも使われますが、特に「倫理観や価値観について真面目に議論するとき」によく使われます。
- 宗教や文化によって異なる「morality」のあり方を論じるときに使われるため、意見の対立が起きやすいテーマにもなり得ます。丁寧に文脈を考えて使うことが大切です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 「morality」は不可算名詞として扱うのが一般的です。強調のために複数形「moralities」を使う場合がまれにあります。
- 使用シーン: フォーマルな書き言葉や倫理・哲学の話題、学術的な論文、宗教的な説話などでよく登場します。日常会話でも「道徳の問題」について話す際に用いられます。
- 構文例:
the morality of [something]
→ 「〜の道徳性」a question of morality
→ 「道徳の問題」
イディオム/一般的な文型:
- There is a need for morality in society.
- The issue brings up questions of morality.
5. 実例と例文
ここでは、日常会話、ビジネス、学術的文脈に分けてそれぞれ3つずつ例文を挙げます。
① 日常会話
- “I wonder if lying to protect someone is against morality.”
- (誰かを守るために嘘をつくのは道徳に反するのかな。)
- (誰かを守るために嘘をつくのは道徳に反するのかな。)
- “Her sense of morality guides her every decision.”
- (彼女の道徳観が彼女のあらゆる決断を導いているよ。)
- (彼女の道徳観が彼女のあらゆる決断を導いているよ。)
- “Discussing morality can sometimes lead to heated arguments.”
- (道徳について話すと、時に激しい議論になることがあるよ。)
② ビジネス
- “Our company’s code of morality focuses on honesty and fairness.”
- (当社の道徳的規範は誠実さと公正さを重視しています。)
- (当社の道徳的規範は誠実さと公正さを重視しています。)
- “We must consider the morality of our advertising campaign.”
- (私たちは広告キャンペーンの道徳性を考慮しなければなりません。)
- (私たちは広告キャンペーンの道徳性を考慮しなければなりません。)
- “In business ethics, profitability should not overshadow morality.”
- (ビジネス倫理において、利益追求が道徳をないがしろにしてはならない。)
③ 学術的文脈
- “Philosophers often debate the origins of human morality.”
- (哲学者たちはよく人間の道徳の起源について論じます。)
- (哲学者たちはよく人間の道徳の起源について論じます。)
- “The study examines differing moralities across various cultures.”
- (その研究は、さまざまな文化における異なる道徳観を調査しています。)
- (その研究は、さまざまな文化における異なる道徳観を調査しています。)
- “He challenged the established morality of the society.”
- (彼は社会に定着した道徳観に異議を唱えた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- ethics (倫理)
- 「倫理」は学問的・客観的に「善悪」を考察する枠組みを指すことが多いです。一方「morality」は個人や社会全体がもつ価値観・規範に焦点が当たりやすいという違いがあります。
- 「倫理」は学問的・客観的に「善悪」を考察する枠組みを指すことが多いです。一方「morality」は個人や社会全体がもつ価値観・規範に焦点が当たりやすいという違いがあります。
- virtue (徳、善行)
- 「virtue」は美徳や善い行いを指し、「morality」は全体の道徳規範を示すやや広い概念です。
- 「virtue」は美徳や善い行いを指し、「morality」は全体の道徳規範を示すやや広い概念です。
- principles (原則、指針)
- 「道徳原則」は大まかな考え方を示す語彙です。「morality」は社会全体や個人の持つ善悪の体系に焦点を当てます。
- 「道徳原則」は大まかな考え方を示す語彙です。「morality」は社会全体や個人の持つ善悪の体系に焦点を当てます。
反意語
- immorality (不道徳)
- 「morality」に反して善悪の基準を無視した行動や考えを指します。
- 「morality」に反して善悪の基準を無視した行動や考えを指します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /məˈræləti/ (マ・ラリティに近い発音)
- イギリス英語: /məˈræləti/ or /mɒˈræləti/ (マまたはモ・ラリティに近い発音)
強勢(アクセント)の位置:
- “mo-RÁ-li-ty” の2音節目 “rá” に強勢が置かれます。
よくある間違い:
- “molarity” (化学用語で「モル濃度」) と混同してしまう人がいます。スペルが似ているので注意してください。
- “morale” /məˈræl/(士気) と混ざることもあるため、末尾の “-ity” (morality) と “-e” (morale) の違いに気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: 「morality」は “o” と “a” の順番を間違えやすいので注意してください。
- 同音異義語との混同: 上記の “molarity” や “morale” など、似たつづりの単語には注意しましょう。
- 試験対策: TOEICや英検などでは、倫理・社会問題を扱うリーディングやリスニングで登場する場合があります。文脈から「道徳を論じていること」を読み取る力が大切です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「moral(道徳)+-ity(~の性質)」と考えると覚えやすいです。
- 「morale(士気)」と混同しないように、「-ity」がついているから「道徳的な性質」の方!と意識しましょう。
- 「モラリティ」とカタカナで覚えるよりも、強勢位置を “mo-RÁ-li-ty” としっかり意識して発音する習慣をつけると、耳に残りやすいです。
以上が名詞「morality」の詳細な解説です。個人・社会の善悪基準を示す重要な単語なので、抽象的な議論や倫理・哲学の話題などでよく使用されます。学習の際は、似た単語や発音の混同に注意しながら、さまざまな文脈で使えるように練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉道徳性
意味(2)
〈U〉品行
意味(3)
〈C〉教訓;寓意
意味(4)
〈U〉道徳,倫理;道徳学,倫理学