元となった辞書の項目
antibiotic
解説
1. 基本情報と概要
英単語: antibiotic
品詞: 主に名詞(「抗生物質」)、形容詞としても用いられる(「抗生物質の」「抗生物質に関する」などの意味)。
意味(英語): A substance that is used to kill or inhibit the growth of bacteria.
意味(日本語): 細菌を殺す、またはその増殖を抑えるために使用される物質、いわゆる「抗生物質」です。
「病院で処方される薬で、抗生物質と言われるものを指します。細菌による感染を治療するときに使われる、医療分野でとても重要な薬です。」のようなニュアンスで使われます。
活用形
- 名詞形: antibiotic(単数形)、antibiotics(複数形)
- 形容詞形: antibiotic(例: antibiotic drugs = 抗生物質薬)
他の品詞形
- “antibiotic” は形容詞としてもそのまま使えます(例: antibiotic treatment = 抗生物質治療)。
CEFRレベル目安
- B2(中上級)
医療的・科学的なトピックで頻出するやや専門性のある単語ですが、一般のニュースや健康情報などでも出てくるため中上級レベルあたりで学習されることが多い語です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- anti-: 「~に対して」「反対の」という意味の接頭語
- bio: 「生命」「生物」という意味の語根 (ギリシャ語由来)
- -tic: 形容詞化・名詞化で使われる接尾語(語尾)
“antibiotic” は文字通り「生命(細菌)に対抗するもの」という意味合いをもちます。
派生語・類縁語など
- antibacterial: 抗菌性の、抗菌の
- antiviral: 抗ウイルスの
- antimicrobial: 抗菌、抗微生物(細菌以外の微生物にも作用する広い意味)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- antibiotic resistance(抗生物質耐性)
- broad-spectrum antibiotic(広域抗生物質)
- antibiotic therapy(抗生物質治療)
- prescribe antibiotics(抗生物質を処方する)
- antibiotic usage(抗生物質の使用)
- antibiotic regimen(抗生物質療法)
- antibiotic properties(抗生物質の特性)
- intravenous antibiotics(静脈内投与抗生物質)
- antibiotic course(抗生物質の服用期間)
- antibiotic stewardship(抗生物質の適正使用管理)
3. 語源とニュアンス
“antibiotic” はギリシャ語の
- anti(反、対)
- bios(生命)
から来ています。もともと「生命に対抗するもの」という意味で、病原菌の増殖を抑える観点から名づけられています。
歴史的背景
20世紀初頭にペニシリンが発見されたことによって、“antibiotic” という言葉は医療用語として定着しました。医療分野で非常に重要な役割をはたし、感染症対策の要となっています。
ニュアンスや使用時の注意点
- 主に医療・学術文脈で用いられる専門的な単語ですが、一般の健康やニュースの話題でも頻出します。
- カジュアル/フォーマルともに場面によって使われるが、基本的に正確な文脈で使用されることが多いです。
- 強い口語表現ではありませんが、「処方された薬の一種」として日常会話に普通に登場することもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞として使うことが多いです。たとえば「an antibiotic(ある抗生物質)」や「some antibiotics(いくつかの抗生物質)」という言い方をします。
- 形容詞として使う場合、「antibiotic treatment(抗生物質治療)」のように名詞の前で修飾します。
一般的な構文・イディオム
- take antibiotics(抗生物質を服用する)
- be on antibiotics(抗生物質を飲んでいる途中である)
- finish/complete a course of antibiotics(抗生物質の服用期間を最後まできちんと守る)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I’m taking an antibiotic for my ear infection.”
(中耳の感染症のために抗生物質を飲んでいるんだ。) - “You should always finish the full course of antibiotics, even if you feel better.”
(たとえ調子が良くなっても、処方された抗生物質は最後まで服用しないといけないよ。) - “My doctor prescribed an antibiotic to treat my sinus infection.”
(副鼻腔炎を治すために、医者が抗生物質を処方してくれたよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Our pharmaceutical company is investing in the development of a new broad-spectrum antibiotic.”
(私たちの製薬会社は新たな広域抗生物質の開発に投資しています。) - “The marketing team is preparing a campaign to launch our latest antibiotic.”
(マーケティングチームが新しい抗生物質の発売に向けたキャンペーンを準備しています。) - “We need to ensure our antibiotic manufacturing processes meet quality control standards.”
(当社の抗生物質製造工程が品質管理基準を満たしていることを確認しなければなりません。)
学術的・専門的な文脈での例文(3つ)
- “Recent studies focus on antibiotic resistance and its global health implications.”
(最近の研究は、抗生物質耐性とその世界的な健康への影響に焦点を当てています。) - “This new antibiotic shows promising results against multiple drug-resistant bacteria.”
(この新しい抗生物質は、多剤耐性菌に対して有望な結果を示しています。) - “Overuse of antibiotics in livestock farming is considered a major contributor to antibiotic resistance.”
(家畜の飼育における抗生物質の過剰使用は、抗生物質耐性の主な原因のひとつと考えられています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- antimicrobial(抗微生物の)
- 抗生物質に加え、ウイルスや真菌、その他微生物にも有効なものを含むより広い概念です。
- 抗生物質に加え、ウイルスや真菌、その他微生物にも有効なものを含むより広い概念です。
- antibacterial(抗菌の)
- 細菌に特化して作用する点では似ているが、医療用語としては “antibiotic” のほうが専門的。
- 細菌に特化して作用する点では似ているが、医療用語としては “antibiotic” のほうが専門的。
反意語
- probiotic(プロバイオティクス)
- 「身体に有益な微生物」を摂取する考え方。直接の反意語とは言いにくいですが、「バクテリアを殺す」方向性とは逆の「良いバクテリアを取りこむ」方向性なので、対照的な存在として挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国英語): /ˌæn.t̬i.baɪˈɑː.t̬ɪk/
- IPA(英国英語): /ˌæn.ti.baɪˈɒ.tɪk/
強勢は「bi」の部分(baɪ)の音節に置かれるのが特徴です。
- アメリカ英語では「バイアティック」のように聞こえ、母音が /ɑː/ になる部分があります。
- イギリス英語では /ɒ/(オ)に近い音となり、若干違う響きになります。
よくある間違いとして、アクセントを最後や最初においてしまう例があるので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “antibiotic” を “antiboitic” などと書き間違えることがあります。
- 同音異義語との混同: “antibiotic” と “probiotic” は綴りも音も似ている部分があるが、意味はまったく異なります。
- 試験対策: TOEICや英検でも医療や健康の話題リングの中で頻出する可能性があります。「処方する」「耐性」など関連する文脈とあわせて覚えておくとよいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ連想: “anti-” (反対・対) + “bio” (生命) + “tic” → 「生命を妨害するもの → 細菌を殺すもの」
- 語源を意識: “anti” という接頭語はほかにも “antivirus,” “antidote,” “antifreeze” など「反対・対策」を意味する単語で頻出なので、まとめて覚えると便利です。
- 勉強テクニック: “antibiotic” のつづりを「anti + bio + tic」で3ブロックに分けると、スペルミスを減らせます。
医療ドラマや健康関連の記事など、実際の文脈で目にすると覚えやすくなるでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
抗生物質(ペニシリン,ストレプトマイシンなど)
意味(2)
抗生[物質]の