false
1. 基本情報と概要
単語: false
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): not true, not real, or incorrect
意味(日本語): 「本当ではない」「誤った」「偽物の」
「false」は「本当ではない」「間違った・誤った」「偽物の」というような意味を持つ形容詞です。たとえば、「false statement(虚偽の陳述)」のように、正しくない情報を示すときに使ったり、「false teeth(義歯)」のように本物ではない物を表すときに使ったりします。誤っていることを指摘するときだけでなく、「まるで本物に見える偽物」のように見た目や性質が「偽り」であることを表すときにも用いられます。
代表的な活用形・関連形
- 副詞形: falsely (偽って、不正に)
- 名詞形: falseness (偽り、不誠実)、falsehood (虚偽)
- 動詞形: falsify (~を偽造する、誤りであると証明する)
CEFRレベル: B1(中級)
・日常的にもビジネスシーンでもよく使われる単語で、基本的な文脈での使用頻度は高い方です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: fals-
- 接尾語: -e は特に決まった意味を持たない語尾ですが、形容詞としての形をとります。
- 関連語: falsify(動詞: 偽造する)、falsity(名詞: 虚偽)、falsehood(名詞: 虚偽)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- false alarm (誤報、誤警報)
- false statement (虚偽の陳述)
- false teeth (義歯)
- false eyelashes (つけまつげ)
- false hope (誤った希望)
- false assumption (誤った仮定)
- false impression (誤解)
- false sense of security (誤った安心感)
- false identity (偽りの身分)
- false modesty (うわべだけの謙遜)
3. 語源とニュアンス
語源:
ラテン語の「falsus(欺かれた、誤った)」がフランス語を経て英語に取り入れられたものといわれています。元は「だます、誤解させる」という意味を含んだ語が由来であり、「何かが本来の状態と異なっている」「真実ではない」というニュアンスが強く現れています。
使用上のニュアンス・注意点:
- 「誤っている」ニュアンスを強調するときもあれば、「偽物である」ことに焦点を当てることもあります。
- 口語・文語どちらでも使われますが、「false statement」のような少しフォーマルな響きもあります。
- 誤りを指摘する場合や、あえて偽物をわかりやすく強調したい場合にもよく用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞(adjective): 名詞を修飾して「誤った~」「偽りの~」と説明する。
- 例: a false claim (虚偽の主張), a false passport (偽造パスポート)
名詞形であるfalsehoodは「偽り、嘘」として不可算でも可算でも使われ、文書・会話どちらにも登場します。
- 例: He told many falsehoods. (彼は多くの嘘をついた。)
「true or false question(○×問題)」のように、テストなどで真実か否かを問う構文にも使われます。
イディオムや構文例:
- be proved false: 「誤りであると証明される」
- give someone false hope: 「(人に)誤った希望を与える」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I thought I lost my keys, but it was a false alarm.”
「鍵を無くしたと思ったけど、ただの誤報(勘違い)だったよ。」 - “Are those eyelashes real or false?”
「そのまつげ、本物? それともつけまつげ?」 - “His smile seemed false. I could tell he was upset.”
「彼の笑顔はなんだか偽物っぽかったよ。実は怒ってるのがわかった。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We need to address any false information in the report as soon as possible.”
「報告書にある誤った情報は早急に修正しなければなりません。」 - “Providing false data to clients can damage our reputation.”
「顧客に虚偽のデータを提供すると、私たちの評判に悪影響が出ます。」 - “Make sure to verify the source; we don’t want to spread false rumors.”
「情報源を必ず確認してください。虚偽の噂を広めたくありませんから。」
(3) 学術的・専門的文脈での例文
- “The hypothesis was proven false by the new experimental data.”
「その仮説は新しい実験データによって誤りであることが証明されました。」 - “In logic, a statement is considered false if it cannot be supported by evidence.”
「論理学では、証拠によって立証できない命題は誤りとみなされます。」 - “False positives in medical tests can lead to unnecessary anxiety for patients.”
「医療検査の偽陽性は、患者に不必要な不安をもたらすことがあります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- incorrect (誤った)
- 「答えや情報などが正しくない」という意味で「false」と近いが、主に「事実や答えが正確でない」場合に突出して使われる。
- 「答えや情報などが正しくない」という意味で「false」と近いが、主に「事実や答えが正確でない」場合に突出して使われる。
- untrue (真実でない)
- 「真実ではない」という点をより直接的に言う場合に用いられる。文章・口頭どちらでも柔らかい表現。
- 「真実ではない」という点をより直接的に言う場合に用いられる。文章・口頭どちらでも柔らかい表現。
- fake (偽物の)
- 意図的に作られた偽物で、見た目や内容を偽装しているニュアンスが強い。
- 意図的に作られた偽物で、見た目や内容を偽装しているニュアンスが強い。
- counterfeit (偽造の)
- お金やパスポートなど公式性の高いものを偽造した場合に使われることが多い。
- お金やパスポートなど公式性の高いものを偽造した場合に使われることが多い。
- spurious (疑わしい、偽の)
- よりフォーマル/学術的で「信憑性がない」というニュアンスに近い。
反意語
- true (真実の、本当の)
- genuine (本物の)
- correct (正しい)
- authentic (本物の、真正の)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- イギリス英語 (BrE): /fɔːls/
- アメリカ英語 (AmE): /fɔːls/ または /fɑːls/
- イギリス英語 (BrE): /fɔːls/
- 強勢(アクセント): 単一音節なので、単語全体に強勢があります(“false” そのものが一音節)。
- よくある発音の間違い:
- 「フォルス」あるいは「ファルス」と母音をずらす場合があるため、「フォールス」というように母音をしっかり伸ばすか、地域によっては「ファルス」に似た音になる場合もありますが、/fɔːls/(フォールス)に近づけるように練習しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “faulse” や “fals” と書いてしまう間違いが時々ありますが、正しくは “false” です。
- “false” と “fake” の混同: “fake” はわざと偽ったもの、“false” はそのまま「間違っている」「本物ではない」に広く使えます。
- “true or false question” という構文で混乱しやすいですが、「○×問題」と覚えるとよいでしょう。
- TOEICや英検などでも、T/F問題や文章の中で “false information” が問われることがあるので、十分に理解しておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “true / false” のセットで覚える: 学校やテストでおなじみの “True or False?” というフレーズは「○か×か?」と問うものです。この対比で「false = 偽/誤」というイメージが定着しやすいでしょう。
- 同音異義語と間違えないように: “falls”(落ちる) や “faults”(過ち) と似たスペリングに注意しましょう。
- 覚え方のコツ: 「フォールス」と声に出して、
fall
(落ちる)とは別の単語と認識すると混同しにくくなります。 - 偽の爪・偽の歯・偽のまつげなど、身の回りにも“false”を使うシチュエーションが意外とあるので、イメージと紐づけて覚えましょう。
以上が形容詞“false”の詳細な解説です。日常会話からビジネス、学術的な場面まで幅広く使われる単語ですので、ニュアンスや正確な用法をしっかり身につけてください。
正しくない,誤った
本物でない,作りものの(artificial)
人を誤らせるような,人を惑わせる(deceptive)
信頼を裏切る,不実な
うそを言う,正直でない
だまして