元となった辞書の項目
fault
解説
以下では、名詞「fault」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 「fault」
1) (人の)過失、責任、ミス
2) (性格・物の)欠点、短所
3) (地質学)断層
「fault」は、人や物、システムがうまく機能しない部分や間違いを表すときに使われます。たとえば「私のミスです」「機械の欠陥です」「地質断層です」など、責任や原因の所在、何かの不具合などを指すニュアンスです。
品詞・活用形
- 品詞: 名詞 (不可算用法も可算用法もあり)
- “It’s my fault.” (これは不可算っぽい使い方)
- “He has many faults.” (何個もある欠点の場合は可算)
- “It’s my fault.” (これは不可算っぽい使い方)
「fault」を動詞として使う(あまり頻度は高くない)場合は「非難する」「あら探しをする」という意味で使われます。
- 例: “They couldn’t fault her performance.” (彼女の演技に非は見当たらなかった)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
「fault」はやや抽象的な概念や責任論を扱うため、日常会話からビジネス、学術(地質学)まで幅広い文脈で使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「fault」には、はっきりした接頭語や接尾語は含まれておらず、主に「fault」という一語で成立しています。
派生語・関連語
- 「faulty」(形容詞): 欠陥のある、不完全な
- 「default」(名詞/動詞): 不履行、初期設定 / (義務などを)怠る
- 「to fault (someone)」(動詞): ~を非難する、あら探しをする
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- at fault(過失がある/責任がある)
- find fault with ~(〜を非難する / あら探しをする)
- fault line(断層)
- it’s my fault(私の責任だ)
- through no fault of one’s own(自分に非がないのに)
- track down a fault(不具合を突き止める)
- rectify a fault(欠点を修正する)
- accept fault(過失を認める)
- fault detection(故障検知)
- fault zone(断層帯)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「fault」は古フランス語の“faute”(欠如、不具合など)に由来し、それが中英語を経て現代英語として定着しました。
- 元々は「欠如」「不足」といったニュアンスを持っていた言葉が、「欠点」「あやまち」「過失」という意味も含むようになりました。
ニュアンス・使用状況
- 責任をはっきりさせたい場面や、欠点を指摘する場面でよく使われます。
- カジュアルとフォーマルどちらでも使えますが、ビジネス文書などでは、よりフォーマルな表現「error」「defect」などを使う場合もあります。
- 感情的な響きとしては、相手に責任を追及するニュアンスが強まることもあるので、使い方には注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としては可算・不可算両方で使えます。
- 不可算用法: “It’s my fault.” (抽象的な「私の責任」)
- 可算用法: “He has a few serious faults.” (いくつかの欠点)
- 不可算用法: “It’s my fault.” (抽象的な「私の責任」)
- 動詞の場合は「(人)を非難する、あら探しをする」という意味になりますが、使用頻度は名詞ほど高くありません。
- 例: “You can’t fault him for trying.” (彼が挑戦したことを非難することはできない)
- 例: “You can’t fault him for trying.” (彼が挑戦したことを非難することはできない)
よく使われる構文・イディオム
- “It’s your fault.”(あなたのせいだ)
- “Who is at fault here?”(ここでは誰に責任があるの?)
- “I can’t fault your logic.”(あなたの論理を責める点はない)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Sorry, it’s my fault we’re late.”
(ごめん、遅れたのは私のせいだよ。) - “Don’t find fault with everything I do!”
(私がやること全てに文句をつけないでよ!) - “He admitted his fault and apologized.”
(彼は自分のミスを認めて謝罪した。)
ビジネス (ややフォーマル)
- “The delay was our fault, and we will expedite the shipment.”
(遅延は当社の過失であり、出荷を急ぎます。) - “We’re working to identify the fault in the system.”
(システムの不具合を特定しようと取り組んでいます。) - “If any fault is found, please report it immediately to the quality control department.”
(何か不具合が見つかった場合は、すぐに品質管理部に報告してください。)
学術的な文脈(地質学など)
- “A severe earthquake occurred along the major fault line.”
(大きな断層線に沿って大きな地震が発生した。) - “Scientists studied the fault zone to predict future seismic activity.”
(科学者たちは将来の地震活動を予測するために断層帯を研究した。) - “The region’s geological structure includes multiple fault systems.”
(その地域の地質構造には、複数の断層系が含まれている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “error” (誤り)
- 一般的に計算や判断などの誤りにフォーカス。
- 一般的に計算や判断などの誤りにフォーカス。
- “mistake” (間違い)
- 日常会話でよく使われ、カジュアル。
- 日常会話でよく使われ、カジュアル。
- “flaw” (欠陥、瑕疵)
- 完璧と呼べるものにある小さな傷や不備を指す。
- 完璧と呼べるものにある小さな傷や不備を指す。
- “defect” (欠陥)
- 工業製品やシステムなど、モノの欠陥に対して使われることが多い。
- 工業製品やシステムなど、モノの欠陥に対して使われることが多い。
反意語
- “merit” (長所)
- “virtue” (美点、徳)
- “strength” (強み)
「fault」は否定的な面や過失を指すのに対し、「merit」や「virtue」、「strength」は肯定的な面や美点を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- イギリス英語: /fɔːlt/
- アメリカ英語: /fɔlt/ または /fɑlt/
アクセント
- “fault” は一音節なので、単語全体に強勢が置かれます。
よくある発音の間違い
- /faʊlt/(ファウト)と「au」をはっきり伸ばしすぎる
- /fɒlt/(フォルト)というイギリス英語風 /ɒ/ の感覚を誤って使う
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “fault” の「l」が抜けて “faut” になってしまうなど
- “fault” の「l」が抜けて “faut” になってしまうなど
- 同音/類似音の混同
- “fault” と “vault” (金庫室) は発音が似ているように感じるが、母音や子音の違いがある
- “fault” と “vault” (金庫室) は発音が似ているように感じるが、母音や子音の違いがある
- 「defect」「flaw」など、類似語と誤用する
- 「fault」は責任や人格の欠点にも使える点に注意
- 「fault」は責任や人格の欠点にも使える点に注意
- 試験対策(TOEIC等)
- パート5,6(文法問題)で「It’s my fault.」のように責任を表す表現として出題される可能性あり
- 読解問題で「fault line / fault zone」の地質学的用語としても頻出
- パート5,6(文法問題)で「It’s my fault.」のように責任を表す表現として出題される可能性あり
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “fault” のスペリングの中に “au” がある → “a” と “u” がくっついて「オー」と発音するイメージを持つと覚えやすい。
- 「フォルト」というカタカナから、テニスの「フォルト(サーブミス)」をイメージすると、責任やミスという意味を思い出しやすい。
- 日常会話でもよく使う「It’s my fault.」(私のせいです) を自分のフレーズリストに入れておくと便利。
以上が、名詞「fault」の詳細解説です。「責任を表す」「欠点を表す」「地質学の断層を表す」などの意味があり、可算・不可算の両用が可能で、日常会話からビジネス、学術的分野まで幅広く使える単語です。上手に使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉誤り,落ち度
意味(2)
〈C〉断層(地層の食い違い)
意味(3)
〈C〉フォールト(テニスなどでサーブの失敗)
意味(4)
〈C〉欠点,短所(defect)
意味(5)
〈U〉(過失の)責任,罪