元となった辞書の項目
pursuant
解説
以下では、形容詞「pursuant」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: pursuant
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): in accordance with, or following something (especially a law, rule, or directive)
意味(日本語): 「〜に沿って」「〜に従って」「〜に基づいて」という意味です。特に法律文書や契約書などフォーマルな文脈でよく使われます。「〜にしたがって動く」「〜を根拠にして行う」というニュアンスで、かなりかしこまった印象を与えます。
- 活用形: 形容詞のため、活用はありません。文脈に応じて (be) pursuant to ~ のように用いられます。
- 他の品詞への変形例:
- pursue (動詞) - 「追求する」「追いかける」
- pursuit (名詞) - 「追求」「追跡」「仕事や趣味などの目的のある活動」
- pursue (動詞) - 「追求する」「追いかける」
CEFRレベルの目安: C1(上級)
法律やビジネス文書で使われることが多く、やや難易度の高い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹 “pursu(e)”: 「追いかける」「追求する」の意。
- 接尾語 “-ant”: 形容詞を作る接尾語として使われることが多い。
- 全体 “pursuant”: 「追求する状態にある」→ 「(法や規定を)遵守している」という意味につながる。
関連・派生語
- to pursue (動詞) - 「追求する」
- pursuit (名詞) - 「追求」「追跡」「探求」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- pursuant to the law
(法に基づいて) - pursuant to the regulations
(規定に従って) - pursuant to the agreement
(契約に基づいて) - pursuant to the contract
(契約に従って) - pursuant to the rules
(規則に基づいて) - pursuant to the directive
(指令に従って) - pursuant to the instructions
(指示に従って) - pursuant to the court order
(裁判所命令に従って) - pursuant to the merger
(合併に基づいて) - pursuant to the existing policy
(既存の方針に従って)
3. 語源とニュアンス
- 語源: “pursuant” は古フランス語の “poursuivant”(追いかける、従う)に由来し、「追求する」「あとを追って起こる」というイメージが元になっています。
- 歴史的使用: 法律文書や公式文書において、伝統的に「〜に基づいて行う」という表現として使われてきました。
- ニュアンス: 非常にフォーマルで法律文書やビジネス文書で使われることが多く、口語ではほとんど用いません。書き言葉的で、かしこまった雰囲気を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞ではありますが、実際の用法としては “(be) pursuant to 〜” の形で「〜に従った形で」「〜に従って」という意味で使われることがほとんどです。
- 大半が文書/契約上の表現で用いられ、フォーマルな業務連絡や公式声明、法律文書で登場します。
イディオム的使用例
- “All terms are set forth pursuant to the agreement.”
(すべての条件は契約に基づいて定められています。)
5. 実例と例文
日常会話
(日常会話ではやや不自然ですが、あえて例示します)
- “Pursuant to your request, I will send you the files.”
(あなたのリクエストに基づいて、ファイルを送ります。) - “We finished the project pursuant to the plan.”
(計画に従ってプロジェクトを完了しました。) - “Pursuant to my schedule, I have an appointment at 3 pm.”
(スケジュールに沿って、午後3時にアポイントがあります。)
ビジネス
- “Pursuant to the contract, payment is due by the end of this month.”
(契約に基づき、支払い期限は今月末です。) - “All employees must act pursuant to the new company policy.”
(すべての従業員は新しい社内規定に従って行動しなければなりません。) - “These rules are established pursuant to the management’s directive.”
(これらの規則は経営陣の指示に基づいて定められています。)
学術的/法律的
- “Pursuant to Section 4 of the Act, no person shall engage in such activities without a license.”
(本法の第4条に基づき、誰も免許なしにそのような活動を行ってはなりません。) - “The research was conducted pursuant to the ethical guidelines set by the committee.”
(この研究は委員会の定めた倫理指針に従って行われました。) - “The merger was completed pursuant to the conditions outlined in the agreement.”
(合併は契約書に記載された条件に基づいて完了しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- in accordance with
(〜に従って、〜に基づいて) - 新聞や公的文書で多用される。 - in compliance with
(〜を順守して) - 法律や規定を守る意味合いが強い。 - under
(〜の下で) - もう少しカジュアルにも使える表現。 - consistent with
(〜と一致して) - 「一致する」という意味合いが強い。
反意語
- contrary to
(〜に反して) - 法律や規則に「反する」場面で使われる。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国英語): /pərˈsuː.ənt/
- IPA(英国英語): /pəˈsjuː.ənt/ (第二音節の “su” が “sju” のように発音される)
- アクセント: “pur-SU-ant” のように第2音節に強勢がきます。
- よくある間違い: “pursUant” のつづりを “persuant” や “pursant” と誤る学習者が多いので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “persuant” など、u の位置を間違える例が多い。
- 紛らわしい単語: “pursue” (動詞: 追求する) や “pursuit” (名詞: 追求) と字面が似ている。派生元ではありますが、意味や文法が異なるので気をつけましょう。
- 試験対策: 法律やビジネス関連の文書問題が出るTOEICや英検1級レベル、さらには大学入試での長文読解などでも出題される可能性があります。慣れていないと戸惑いやすい表現なので、ビジネスや法律関連の英語を学習する方は特に押さえておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “pursue” と関係がある → 「追いかける」→「従っている」という流れをイメージすると覚えやすいです。
- “pursuant to” という一塊の表現と覚えてしまうと自然に使えるようになります。
- スペリングのコツ: “pur-SU-ant” と、真ん中に “su” があることを意識するとよいでしょう。
すなわち「pursuant」は、主に書き言葉で使われる非常にフォーマルな単語です。特に法律や契約など、公的・正式な文書において何かの根拠や規定に「〜に従って」物事を進める際に使われます。普段の会話で登場するケースは少ないですが、ビジネス文書や法律関連の分野では重要なキーワードなので、ぜひ覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
準ずる, 従った, 拠った 《to》
意味(2)
追跡する,追う
意味(3)
…に従って,準じて《to》
意味(4)
(pursúant to A : A《法・規則など》に従って, 応じて)