元となった辞書の項目
goodwill
解説
1. 基本情報と概要
単語: goodwill
品詞: 名詞(不可算名詞)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
意味(英語)
- Friendly or helpful feelings toward other people.
- The value of a company's brand name, its solid customer base, and its good employee relations (会計・ビジネスの文脈での無形資産としての「のれん」).
意味(日本語)
- 他の人に対して親切で協力的な気持ち、好意。
- 会計・ビジネスの分野では、企業のブランド価値や顧客基盤など、目に見えない価値を指します。
「好意的な気持ち、あるいは会社の“のれん”のような意味の名詞です。普段は人間関係の良好さや親切心を表すときに使われますが、ビジネスでは無形資産の説明で登場します。」
活用形
- 「goodwill」は不可算名詞として扱われ、形そのものが変化しません。
- 複数形は通常ありません。
他の品詞形
- 形容詞形として「good-willed」(例: a good-willed gesture) と表現する場合がありますが、あまり一般的ではありません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- good + will
- good: 「良い」「善良な」を意味する形容詞
- will: 「意思」「意志」を意味する名詞
- good: 「良い」「善良な」を意味する形容詞
この2つの要素が結合して「好意」や「良心的な意思」といった抽象的な意味を持ちます。
関連語や派生語
- good-natured: 親切な、温厚な
- good-willed: 善意のある(やや文語的)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- show goodwill(好意を示す)
- gesture of goodwill(好意を示す行為)
- extend goodwill(好意を広げる)
- goodwill ambassador(親善大使)
- maintain goodwill(良好な関係を維持する)
- spirit of goodwill(好意的な精神)
- build goodwill(好意・信頼を築く)
- goodwill payment(和解金や誠意金としての支払い)
- goodwill gesture(和解を促すための行為)
- corporate goodwill(企業の信用・のれん)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語期(Middle English)に 「good」+「will」 という形で生まれました。もともとは「善意の意思」「好意」を率直に指す言葉で、のちにビジネスの領域で「企業ののれん・信用価値」という拡張的な意味でも用いられるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 人間関係では「相手を思いやるいい気持ち」という、ポジティブで温かいニュアンスがあります。
- ビジネスでの「goodwill」はかなりフォーマルな文脈(企業会計、M&A、取引先との関係など)で使われ、かつ非常に専門的な概念(会計上の「のれん」)として扱われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 品詞: 名詞(不可算)
- 単独で「a goodwill」とは通常言わず、冠詞なし、または特定の文脈で「the goodwill of 〜」と使います。
- ビジネス書類やフォーマルな文面、または寄付や慈善活動を指す場面で使われやすいです。
- 口語では、人間関係の好ましい雰囲気を表すのにさらっと使われることもありますが、文語・フォーマル寄りの印象が強い単語です。
一般的な構文例
- build (up) goodwill with …(〜との好意的関係を築く)
- show goodwill toward …(〜に対して好意を示す)
- goodwill between … and …(〜と〜の間の好意的な関係)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
I really appreciate your goodwill in helping me move my furniture.
「家具の移動を手伝ってくれて本当にありがたいよ。あなたの好意に感謝してる。」We should try to maintain goodwill among our neighbors.
「近所同士の良好な関係を維持したいよね。」As a gesture of goodwill, I baked some cookies for everyone.
「好意のしるしに、みんなのためにクッキーを焼いたよ。」
ビジネスでの例文(3つ)
Our company aims to enhance goodwill with local communities through charity work.
「当社は慈善活動を通じて地域社会との良好な関係を高めることを目指しています。」The merger deal includes a significant amount of goodwill on the balance sheet.
「この合併契約には、貸借対照表上で相当額ののれんが含まれています。」Building goodwill with our partners is crucial for long-term success.
「パートナーとの好意的な関係を築くことは、長期的な成功のために不可欠です。」
学術的な文脈での例文(3つ)
Philosophers often debate the nature of goodwill and altruism in human societies.
「哲学者たちは、人間社会における好意や利他主義の本質についてしばしば議論します。」Goodwill is examined as a key intangible asset in corporate finance research.
「コーポレートファイナンスの研究では、のれんは重要な無形資産として検討されます。」Studies on goodwill in organizational behavior suggest that it fosters cooperation.
「組織行動学における「好意」の研究によると、それは協力を促進することが示唆されています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- benevolence(慈悲・博愛)
- 「善行を行おうとする気持ち」を強調し、ややフォーマル。
- 「善行を行おうとする気持ち」を強調し、ややフォーマル。
- kindness(親切)
- よりカジュアルで直接的な「親切心」のニュアンス。
- よりカジュアルで直接的な「親切心」のニュアンス。
- friendliness(友好的態度)
- 「友好的」で社交的な雰囲気を強調。
- 「友好的」で社交的な雰囲気を強調。
- warmth(温かさ)
- 情緒的な「心の温かさ」に焦点を当てる。
- 情緒的な「心の温かさ」に焦点を当てる。
反意語
- hostility(敵意)
- ill will(悪意)
反意語としては「ill will」が最も直接的で、「hostility」はより強いやや硬い表現です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈɡʊd.wɪl/
- アクセント: 「ˈgood-will」のように、最初の「good」の部分に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはありません。どちらも [ɡʊd] の部分が「グッド」で、[wɪl] が「ウィル」となります。
- 「good-will」と区切って発音してしまう・または「gud-wil」と曖昧に発音してしまうなどのミスに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “goodwill” を “good will” と2語で書く場合もありますが、名詞としての定着形は「goodwill」が多いです。文脈によってはハイフンも使われることがありますが、会計用語では1語として扱われることが一般的。
- 同音異義語との混同: 同じ発音の単語は特にありませんが、「good well」のように変な区切りで意味を混同しないように注意。
- TOEIC・英検など試験対策: ビジネスシーンの語彙として登場しやすいです。M&Aや経理関連の長文読解で「のれん」の意味で出題される可能性が高いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「good」(良い) + 「will」(意思) → 「良い意思」=「善意」「好意」。
- 企業会計の「のれん」も、「企業が積み重ねた良い評判・信頼」というイメージで覚えると理解しやすいです。
- ラテン語の「benevolence(bene=良い、volens=意志)」と似たような構成である、という関連付けも面白いかもしれません。
- 音で覚えるときには「グッドウィル」と発音を意識して、文字通り「善い意志」を思い浮かべましょう。
以上が名詞「goodwill」の詳しい解説です。人間関係からビジネスシーンまで幅広く使え、会計上はやや専門的な意味を持つため、適切な文脈で使うように心がけてください。
意味のイメージ
意味(1)
善意,親切;親善,友好
意味(2)
(商店などの)信用,のれん,のれん料