元となった辞書の項目
sovereignty
解説
1. 基本情報と概要
英単語: sovereignty
品詞: 名詞 (不可算名詞)
英語での意味
“Supreme power or authority” または “the authority of a state to govern itself.”
日本語での意味
「主権」「統治権」「最高権力」といった意味です。国や統治体が自らを支配し、他から干渉されない独立した状態を指します。主に政治や法律などの文脈で使われるややフォーマルな語です。
- こういう場面で使われる:国家や政府の主権、外交や国際法の話題など。
- こういうニュアンスの単語:権限・支配権がほかから干渉されずに独立していることを強調する際に用いられます。
活用形
- この単語は不可算名詞のため、複数形は通常ありません。
他の品詞例
- sovereign (形容詞): 主権を有する、独立した
例: a sovereign state (主権を有する国家) - sovereign (名詞): 元首、君主、最高権力者
CEFRレベルの目安
- C1(上級): 政治学や国際関係論など、やや専門性のある文章で頻出。日常会話ではあまり使いませんが、フォーマルな文脈では重要単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- sovereign + -ty
- “sovereign” は「最高権力者」「至高の」という意味をもつ形容詞/名詞。
- “-ty” は名詞化の接尾辞。
- “sovereign” は「最高権力者」「至高の」という意味をもつ形容詞/名詞。
派生語や関連性
- sovereign: 名詞/形容詞 (主権者、主権をもつ)
- sovereignity という誤綴りに注意 (正しくは “sovereignty”)。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- national sovereignty(国家主権)
- popular sovereignty(国民主権)
- state sovereignty(国家の主権)
- assert sovereignty(主権を主張する)
- recognize sovereignty(主権を認める)
- sovereignty dispute(主権をめぐる紛争)
- violate sovereignty(主権を侵害する)
- respect sovereignty(主権を尊重する)
- sovereignty over a territory(領土に対する主権)
- cede sovereignty(主権を放棄する/譲渡する)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語の “soverainte” に由来し、古フランス語の “sovereinté” から。さらにラテン語の “superānus” (「上にあるもの」「最高の」) が由来とされています。
歴史的な使われ方
- 王や君主が絶対的権力を持つ時代に、神が与えた王権というニュアンスで “sovereignty” は使われてきました。近代以降は国家の独立や国民主権を示す語として発展してきました。
使用時の注意点やニュアンス
- フォーマル: 政治学や法律学、国際関係の文脈でしばしば登場する堅い語。
- 感情的な響き: 「独立性」「主導権」を強く主張する時にも使われるため、外交上などで強調表現として機能する場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞(不可算)
- “the sovereignty of a nation” のように、冠詞 “the” を伴うことが多い。
- 単数・複数形はなく、常に不可算として扱う。
- “the sovereignty of a nation” のように、冠詞 “the” を伴うことが多い。
一般的な構文例
- “X has/holds sovereignty over Y.”
- X が Y に対して主権を持つ/行使する。
- X が Y に対して主権を持つ/行使する。
- “to claim/assert one’s sovereignty”
- 主権を主張する。
- “X has/holds sovereignty over Y.”
フォーマル/カジュアル
- 政治や国際問題など、フォーマルな文書や会議で使用される。
- 日常会話ではほとんど使わず、使う場合でもニュースや政治談義など、専門的な話題が中心。
- 政治や国際問題など、フォーマルな文書や会議で使用される。
5. 実例と例文
日常会話(フォーマル寄りになりがちですが、参考例として)
- “I read an article about the country’s struggle to maintain its sovereignty.”
(その国が主権を維持しようと苦闘している、という記事を読みました。) - “There’s a debate on whether people truly understand what sovereignty means.”
(人々が本当に「主権」というものを理解しているかどうか議論になっています。) - “They organized a protest to preserve their cultural sovereignty.”
(彼らは自分たちの文化的主権を守るために抗議行動を起こしました。)
ビジネスシーン
- “Our company must operate under the sovereignty of local regulations.”
(私たちの会社は現地の規制の支配下で活動しなければなりません。) - “Foreign investors should respect the sovereignty of the host country.”
(海外投資家はホスト国の主権を尊重すべきです。) - “When negotiating with international partners, issues of sovereignty may arise.”
(国際的なパートナーとの交渉では、主権の問題が浮上することがあります。)
学術的な文脈
- “From a political science perspective, sovereignty is a cornerstone of nation-state theory.”
(政治学の観点では、主権は国民国家論の基礎となる概念です。) - “The concept of sovereignty has evolved significantly since the Treaty of Westphalia in 1648.”
(1648年のウェストファリア条約以来、主権の概念は大きく変化してきました。) - “This research paper explores how globalization challenges the traditional notion of sovereignty.”
(この研究論文は、グローバリゼーションが従来の主権概念にいかに挑戦しているかを探究しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- independence(独立)
- 国家や個人が他に依存しないという点で似ていますが、“sovereignty” はより政治的・法的な権限を強調します。
- 国家や個人が他に依存しないという点で似ていますが、“sovereignty” はより政治的・法的な権限を強調します。
- autonomy(自治)
- 一定の独立性があるという意味。ただし “sovereignty” はより全面的・最上位の権力を指します。自治は国家内の一部地域や機関に対して使われることが多いです。
- 一定の独立性があるという意味。ただし “sovereignty” はより全面的・最上位の権力を指します。自治は国家内の一部地域や機関に対して使われることが多いです。
- supremacy(優位性)
- 「優位に立つこと」を指し、政治・軍事・文化など範囲が広いですが、“sovereignty” は主に国家の統治権に関する文脈で使われます。
反意語
- dependency(依存)
- ほかの国家や権力に依存し、自立性や主権を持たない状態。
- ほかの国家や権力に依存し、自立性や主権を持たない状態。
- subjugation(征服・服従)
- 他者や他国によって支配され、統治される状態。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /ˈsɑːv.rən.ti/
- イギリス英語: /ˈsɒv.rɪn.ti/
- アメリカ英語: /ˈsɑːv.rən.ti/
- アクセント: 第1音節 “sov-” にアクセントがきます (SOV-er-eign-ty)。
- よくある発音の間違い:
- “g” の発音を入れてしまう。実際には “sovereign” の “g” はほぼ発音されません。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス:
- “sovereignty” を “sovereignity” と綴ってしまう人が多いので要注意。
- “sovereignty” を “sovereignity” と綴ってしまう人が多いので要注意。
- 同音異義語との混同:
- “sovereign” と “severing” (切断) はスペルが似ていますが全く別の意味。
- “sovereign” と “severing” (切断) はスペルが似ていますが全く別の意味。
- 試験対策:
- TOEIC・英検などの中〜上級レベルの読解問題で出題されやすい、国際問題や政治に関連する文章で見かけることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「sovereign」の中に “reign” (統治する) という単語が含まれているのを意識すると覚えやすいでしょう。
- “over” という響きも感じられるように、他より上に立ち絶対的な力をもつイメージで捉えると理解が深まります。
- スペルのポイント: “sove-reign-ty” の「e」と「i」の位置を意識し、“gn” の後に “t” が来るのが特徴。
――
「sovereignty」は主に国や政府の「主権」を指すフォーマルな名詞として、政治・国際関係で頻出です。不可算名詞であることや、スペリングの難しさに注意しながら学習しましょう。
意味のイメージ
意味(1)
主権,統治権
意味(2)
主権者の身分(支配権,権力)