元となった辞書の項目
petty
解説
1. 基本情報と概要
英単語: petty
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベル: B2(中上級)
- 英語での意味: small and insignificant; focusing on trivial details; showing narrow-minded or mean-spirited behavior.
- 日本語での意味: 「些細な」「つまらない」「小さな」「器が小さい」「狭量な」といったニュアンスを含みます。日常会話では、人間関係や物事に対して「こだわりすぎて器が小さい」「重要でない瑣末なことばかり気にしている」といった状況で使われます。
たとえば、「Don’t be so petty.(そんなに器が小さくならないで)」などのように、人の態度や考え方が「小さい」「ケチくさい」というニュアンスで使われる単語です。
活用形
- 原級: petty
- 比較級: pettier
- 最上級: pettiest
- 派生形: pettiness(名詞: 狭量さ、些末さ)、pettily(副詞: 些末な態度で)
同じ「petty」という語幹から他の品詞に変化した例としては、名詞「pettiness」がよく使われます。
2. 語構成と詳細な意味
- 「petty」はフランス語の「petit(小さい)」が英語に取り入れられた形とされています。
- 語幹「petty」は「小さい」「些細な」というニュアンスを持ち、接頭語や接尾語は基本的に付かないまま一語として機能する形容詞です。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- petty argument(些細な口論)
- petty crime(軽犯罪)
- petty detail(s)(どうでもいい細かい詳細)
- petty cash(小口現金)
- petty jealousy(ちっぽけな嫉妬)
- petty manager(細かいことにこだわりすぎる管理者)
- petty theft(万引きなどの軽盗み)
- petty concerns(些細な心配事)
- petty official(形式や細部にやたらとこだわる役人)
- petty tyrant(小さな権力で威張る人)
3. 語源とニュアンス
- 「petty」の語源は、中英語を経由してフランス語の「petit(小さい)」に由来します。
- もともと「小さい」という中立的な意味ですが、やがて「つまらない」「ささいな」「心が狭い」といった否定的なニュアンスを帯びるようになりました。
- 感情的に「小者感」や「卑小さ」を強調する際に用いられるため、人を批判するときに使うとやや痛烈な響きがあります。
- 口語でも文章でも使われますが、どちらかといえば口語で相手を批判・非難する際に使われる頻度が高いです。フォーマルな文書では「trivial」や「minor」などに置き換えられやすい傾向があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としてのみ使われます。他動詞や自動詞の用法はありません。
- 名詞を修飾する形で「petty + 名詞」と組み合わせて使われることが多いです。
- 人の態度や考え方を表すときには補語として使うこともあります(例: “He is petty.”)。
一般的な構文例
- petty + 名詞
- 例: “He was charged with petty theft.”(彼は軽盗みで起訴された。)
- 例: “He was charged with petty theft.”(彼は軽盗みで起訴された。)
- be + petty
- 例: “Don’t be so petty.”(そんなに器が小さくならないで。)
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 公的文書などで使用する場合は「petty crime」(軽犯罪)などの固有表現で使うことが多いですが、文章全体としては「minor」や「insignificant」という言葉に置き換えられることがあります。
- カジュアル: 日常会話で他人の態度や些細な事柄へのこだわりを批判するときによく使われます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Stop arguing over such petty issues and let’s just enjoy our day.”
(そんな些細なことで言い争うのはやめて、一日を楽しもうよ。) - “He’s always so petty about splitting the bill.”
(彼はいつも勘定を割り勘にすることで細かく言ってくるんだ。) - “Don’t be petty. Just forgive him already.”
(器が小さいこと言わないで。もう彼を許してあげて。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We shouldn’t let petty office politics interfere with the project’s progress.”
(些細な社内の政治的駆け引きにプロジェクトの進捗を邪魔させるべきではない。) - “Our petty cash fund is running low; we need to refill it.”
(小口現金が残り少なくなっているので、補充が必要です。) - “His petty complaints about minor details are slowing down the team.”
(些細な点に関する彼のこまごまとした文句が、チームの足を引っ張っています。)
(3) 学術・アカデミックな文脈での例文
- “Such petty concerns do not greatly affect the overall outcome of our research.”
(このような些細な懸念は研究の全体的な結果に大きく影響しません。) - “In historical context, ‘petty’ was often used to describe minor nobility or lesser offenses.”
(歴史的には、「petty」は下級貴族や軽犯罪などを表現するためによく用いられました。) - “The study dismisses petty distinctions and focuses on the main social factors.”
(この研究では些細な区別は省き、主な社会的要因に焦点を当てています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- trivial(些細な)
- 「petty」と同じく「重要度が低い」を表すが、「petty」ほど「狭量」「ケチ」など感情的・批判的ニュアンスは強くない。
- 「petty」と同じく「重要度が低い」を表すが、「petty」ほど「狭量」「ケチ」など感情的・批判的ニュアンスは強くない。
- minor(小さな・軽度の)
- 数量や度合いの「小ささ」を強調し、感情的なニュアンスは薄い。
- 数量や度合いの「小ささ」を強調し、感情的なニュアンスは薄い。
- insignificant(取るに足らない)
- 重要度の低さを直接的に言う。感情的・批判的ニュアンスはあまりない。
- 重要度の低さを直接的に言う。感情的・批判的ニュアンスはあまりない。
- narrow-minded(心が狭い)
- 人の性格や考え方に焦点を当てる。よりdirectに「視野が狭い」という意味。
反意語 (Antonyms)
- significant(重要な)
- major(大きな・主要な)
- generous(寛大な)
- 「petty」の「ケチくさい」ニュアンスと逆方向の「寛容」「寛大」というイメージ。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈpɛt.i/
- アクセントの位置: 第1音節「pet-」に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはほとんどありませんが、とくにアメリカ英語では /↑pɛt̬.i/ のように /t/ がやや濁る場合があります。
- よくある発音の間違い: /piːti/ や /peɪti/ と伸ばしてしまうなど。短めの /e/ の音に注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “petti,” “pittey” などのつづり間違いに注意。
- 同音異義語は特にありませんが、発音が似ている “pretty”(かわいい)と混同しないように注意。
- 試験対策: TOEICや英検などで出る場合は、「petty crime」「petty cash」などの固定フレーズとして出題されることがあります。意味を知らないと文脈を誤解するので注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源がフランス語の「petit(小さい)」に由来するので、「プチ(petit)」や「パティ(patty)」を思い出すとつづりも覚えやすいです。
- 「pitiful」と混同しないように、“petty”は「小さい / 些細 / 狭量」というところに注意。
- 「悪意をもって細かいことに口を出されるイメージ」を思い浮かべると、ネガティブなニュアンスを忘れにくいでしょう。
以上が、形容詞 “petty” の詳細な解説です。些細なニュアンスやケチくさいニュアンスを表現するときに役立つ言葉なので、ぜひ覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
取るに足らない,重要できない
意味(2)
下級の
意味(3)
心の狭い,狭量な,けちな