dictatorship
以下では名詞 “dictatorship” を、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: dictatorship
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語): A form of government in which a single ruler or a small group holds absolute power, typically obtained or maintained by force and without democratic processes.
意味(日本語): 一人の支配者や少数の集団が、通常は強圧的な手段で、民主的な過程を経ずに絶対的な権力を握る政治形態としての「独裁政治」「独裁政権」を指します。
「国の政治形態を表す単語です。民主的な選挙などが行われず、権力が一人または一部の者に集中している状況を表す時に使われます。多くの場合、自由が制限されているニュアンスがあります。」
活用形
- 通常は不可算名詞として扱われることが多いですが、文脈によっては可算名詞として「a dictatorship」、「the dictatorship」という形で使われます。
他の品詞形
- dictator (名詞): 独裁者
- dictatorial (形容詞): 独裁的な
- dictatorially (副詞): 独裁的に
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級)
政治・社会に関する語彙なので、ニュースや学術的な文脈で登場しやすい単語です。ある程度上級の英語理解が必要になります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- dictator + -ship
- dictator: 独裁者
- -ship: 状態・資格・地位などを表す接尾語
- dictator: 独裁者
派生語や関連語
- dictator (名詞): 独裁者
- dictatorial (形容詞): 独裁的な
- dictatorship regime (名詞フレーズ): 独裁体制
- overthrow a dictatorship (動詞フレーズ): 独裁体制を打倒する
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- establish a dictatorship (独裁政権を樹立する)
- overthrow a dictatorship (独裁政権を打倒する)
- live under a dictatorship (独裁体制下で暮らす)
- brutal dictatorship (残忍な独裁政権)
- military dictatorship (軍事独裁政権)
- end a dictatorship (独裁政権を終わらせる)
- authoritarian dictatorship (権威主義的な独裁政権)
- transition from dictatorship to democracy (独裁から民主主義への移行)
- suppress dissent under a dictatorship (独裁政権下で反対意見を抑圧する)
- harsh dictatorship (厳しい独裁体制)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “dicere(言う)” や “dictare(告げる、命じる)” が語源。
- “dictator” が「命令する人」を意味し、“-ship” は「状態」を表す接尾語で、結果的に “dictatorship” は「独裁者の支配状態」を指すようになりました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 一般的に「自由が制限される」「強制力」「人権侵害」などのネガティブな響きを持つ政治体制を指す言葉です。
- 公式な文書や会話、ニュースなどでも使われますが、内容として重く、深刻なトーンであることが多いです。
- カジュアルな日常会話ではあまり多用されませんが、「職場やグループ内で誰かが強権的に振る舞っている」という比喩表現として使われることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
可算・不可算
- 通常: 不可算扱い (“under dictatorship”)
- 特定の独裁政権や制度を指す場合: 可算 (“a dictatorship” / “the dictatorship”)
- 通常: 不可算扱い (“under dictatorship”)
使用される構文やイディオム
- “to be under a dictatorship” : 独裁体制下にある
- “to live in a dictatorship” : 独裁政治のもとで暮らす
- “to overthrow a dictatorship” : 独裁政権を倒す
- “to be under a dictatorship” : 独裁体制下にある
使用シーン
- フォーマル/中立的: 新聞記事、学術論文、政治演説
- 若干カジュアル(比喩的表現): 「He runs the team like a dictatorship.」(彼はチームを独裁政権のように仕切っている)
- フォーマル/中立的: 新聞記事、学術論文、政治演説
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
“I can’t imagine what it’s like to live under a dictatorship.”
(独裁政権下で暮らすのがどんな感じか、想像もできないよ。)“That country has been a dictatorship for decades.”
(あの国は数十年も独裁体制が続いているんだ。)“He manages his staff like it’s a dictatorship, not a team.”
(彼はスタッフを、チームじゃなくて独裁政権みたいな扱い方をしているよ。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
“We need to ensure our company culture isn’t run like a dictatorship.”
(私たちの会社の文化が独裁的にならないように気をつけなければなりません。)“Some CEOs are praised for strong leadership but criticized for creating a dictatorship atmosphere.”
(強いリーダーシップで称賛されるCEOもいますが、独裁的な雰囲気を作り出すと批判されることがあります。)“Creating a fair environment is crucial; no one wants a mini-dictatorship in the office.”
(公平な環境作りはとても重要です。誰もオフィス内でちょっとした独裁体制のようなものを望んでいません。)
学術的な文脈での例文 (3つ)
“Historically, dictatorships often emerge in periods of social unrest.”
(歴史的に見ると、社会不安の時期に独裁政権が生まれることが多い。)“Transitioning from a dictatorship to a fully functional democracy is a complex process.”
(独裁から完全な民主主義体制に移行することは複雑な過程です。)“The research explores the economic impact of long-term dictatorships in developing countries.”
(この研究は、途上国における長期的な独裁政権の経済的影響を探求しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “authoritarian regime” (権威主義政権)
- 独裁だけでなく、極めて制限的な政治体制に広く使われる。
- 独裁だけでなく、極めて制限的な政治体制に広く使われる。
- “totalitarian government” (全体主義政府)
- 政府が社会のあらゆる領域を完全に支配する体制。独裁政権の一形態。
- 政府が社会のあらゆる領域を完全に支配する体制。独裁政権の一形態。
- “tyranny” (圧政)
- 個人または集団が国民に過酷な支配を行う。古典的かつ文学的な響き。
反意語
- “democracy” (民主主義)
- 民衆が政治を選択し、自由選挙を行う体制。
- 民衆が政治を選択し、自由選挙を行う体制。
- “republic” (共和国)
- 国民や代表によって政治が行われる。こちらも民主主義としばしば同類として扱われる。
- 国民や代表によって政治が行われる。こちらも民主主義としばしば同類として扱われる。
比較のポイント: 「authority(権威)」「totalitarian(全体主義)」「tyranny(圧政)」などが持つ具体的な意味合いや社会の管理範囲は若干異なりますが、いずれも独裁政治に近いニュアンスで使われることがあります。対して「democracy」や「republic」は権力が一部に集中していない体制を指すので、独裁の対極として捉えられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /dɪkˈteɪ.tə.ʃɪp/ (イギリス英語), /dɪkˈteɪ.t̬ɚ.ʃɪp/ (アメリカ英語)
- 強勢は “dictator” の第二音節 “-tay-” の位置に似ていますが、“dicTA-tor” よりも “dic-TA-tor-SHIP” と “-TA-” にストレスが置かれることが多いです。
- アメリカ英語とイギリス英語では末尾の “tər” と “tə” の発音がやや異なります。
- よくある間違い: “dic-ta-tor-ship” のように区切り方を誤って、発音が曖昧になることです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “dictatorship” の “-ship” を “-shop” と書き間違えるなど。
- 同音異義語との混同: “dictation”(書き取り)と混同しないように注意。
- 試験対策: TOEICや英検では社会・政治に関する文章で目にする可能性があります。ニュース記事など長文読解の際に、「独裁政権」という概念を知っていることが重要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “dictator” + “-ship” で「独裁者の状態」をイメージすると覚えやすいです。
- “dic-” は “say(言う)” と関係があり、“言うことを聞かせる”“命令する”→“独裁”という流れで連想すると理解が深まります。
- スペルは「dic + tat + or + ship」と分割して覚えるとミスが減ります。
- “She runs the place like a dictatorship!” のように日常的な比喩(ボスやリーダーが強権的なとき)でも使われるので、その状況を思い浮かべるとイメージが定着しやすいです。
以上が “dictatorship” の詳細な解説です。政治体制や社会情勢などの文脈で、しっかりと使いこなしてみてください。
〈U〉独裁者の職(任期)
〈U〉独裁政治
〈C〉独裁国