元となった辞書の項目
albeit
解説
以下では、英単語“albeit”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語: albeit
日本語: たとえ〜でも、〜にもかかわらず
品詞: 接続詞 (conjunction)
「although」や「though」と同じように、「〜にもかかわらず」「たとえ〜でも」という意味を表す単語です。主に文語的あるいはややフォーマルな文脈で用いられます。「ちょっと古風・硬い感じの“〜とはいえ”」と訳せることもあります。
- 例: “He was making progress, albeit slowly.”
「彼は進歩していた、遅いながらも。」
活用形
「albeit」は接続詞であり、動詞的な活用がないため形は変化しません。
他の品詞になった例
「albeit」は基本的に接続詞のみで使われる単語です。他の品詞形はほぼ存在しない、非常に限られた用法の単語です。
CEFRレベルの目安
- C1 (上級): 一般的な「although」「though」に比べてやや古風でフォーマルな印象があるため、上級の学習者向けです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「albeit」は元々 “all be it” や “although it be (that)” などの形が縮まってできたとされます。
- “all” + “be” + “it” が融合し、中世英語から現代まで生き残った接続詞です。
派生語や類縁語
- ほぼ独立した存在で、他に派生的に使われる形はありません。
- 類似表現として「although」「though」「even though」などがあります。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(例を10個)
- “albeit slowly” → (遅いながらも)
- “albeit reluctantly” → (しぶしぶながらも)
- “albeit with difficulty” → (困難であるにもかかわらず)
- “albeit briefly” → (短い間ではあるが)
- “albeit imperfectly” → (不完全ながらも)
- “albeit in a minor way” → (小規模ながらも)
- “albeit unexpectedly” → (予想外であっても)
- “albeit in principle” → (原則的にはそうだとしても)
- “albeit indirectly” → (間接的ではあるものの)
- “albeit under constraints” → (制約があるにもかかわらず)
いずれも「〜ながらも」「〜にもかかわらず」というニュアンスを与えます。
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中世英語“al be it (that)”が縮まった形とされています。「たとえそうであっても」「すべてその通りであっても」という意味合いから、現代では「〜ではあるが」「〜ではあるものの」といったニュアンスに変化しました。
- ニュアンス:
- 口語ではあまり使われず、書き言葉やややフォーマルな文脈で見かけることが多いです。
- 「although」よりも少し詩的・形式張った印象を与えます。
- 口語ではあまり使われず、書き言葉やややフォーマルな文脈で見かけることが多いです。
使用するシーンとしては、学術文献、エッセイ、フォーマルなビジネス文書などが多いです。軽い会話ではかなり硬く響きます。
4. 文法的な特徴と構文
- 文法上のポイント:
- 接続詞なので、副詞節を導きます。「albeit + 形容詞」や「albeit + 副詞句」の形が特に一般的です。
- “although”や“though”と同じ使い方をされることが多いですが、構文が制限されがちです。
- 例: “He is a good leader, albeit inexperienced.”
- 接続詞なので、副詞節を導きます。「albeit + 形容詞」や「albeit + 副詞句」の形が特に一般的です。
- フォーマル/カジュアル:
- フォーマル寄り、文語調や文章表現で使用されます。
- カジュアルな会話にはほとんど登場しません。
- フォーマル寄り、文語調や文章表現で使用されます。
5. 実例と例文
ここでは、使用場面別の例文を提示します。
(1) 日常会話での例文
ただし、日常会話ではほとんど使われないため、やや堅い響きとなります。参考として見てください。
- “I went jogging this morning, albeit just for ten minutes.”
(今朝ジョギングに行ったよ、たった10分だけどね。) - “We managed to finish our chores, albeit very late at night.”
(夜遅くにはなったけど、なんとか家事を終わらせた。) - “She tried the new recipe, albeit with some hesitation.”
(彼女は新しいレシピを試してみたよ、少し迷いながらも。)
(2) ビジネスでの例文
- “Our team reached the sales target, albeit narrowly.”
(私たちのチームは売上目標を達成しましたが、ぎりぎりでした。) - “The project was successful, albeit with a few setbacks.”
(いくつかの問題はあったものの、プロジェクトは成功でした。) - “We submitted the proposal on time, albeit after many revisions.”
(何度も修正を重ねたものの、なんとか期限内に提案書を提出しました。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “The research results, albeit preliminary, indicate a positive trend.”
(予備的な結果ではあるが、この研究結果は好意的な傾向を示している。) - “His argument is salient, albeit controversial, in the current debate.”
(彼の主張は、物議を醸してはいるが、現在の議論において重要なものである。) - “The theory holds, albeit under specific conditions.”
(特定の条件下ではあるが、その理論は妥当性を保っている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- although(〜ではあるが)
- though(〜だけれども)
- even though(たとえ〜だとしても)
- while(〜ではある一方で)
- 「albeit」はフォーマルで少し文語的な響きが強いのに対し、「although」「though」「even though」はより一般的に、口語や文章の両方で使われます。
反意語
- 接続詞としての「反意語」は特にありませんが、ニュアンスとして「because」「since」など、理由を示す接続詞は全く逆の文脈を与えることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɔːlˈbiːɪt/ または /ælˈbiːɪt/
- アクセント: “al-BEE-it” のように、第二音節「bee」に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはなく、母音の微妙な発音くらいです。アメリカ英語では「オールビーイット」に近く、イギリス英語では「オールビーイット」寄りに発音されます。
- よくある間違い:
- 「al-bite」と誤って読んでしまう。
- 語尾を「ベイト」と発音するなど。
- 「al-bite」と誤って読んでしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “albiet” と書いてしまうなど。
- 同音異義語との混同: 同じ発音の単語はほぼありませんが、文脈上「a bite」と分けて理解する誤りがまれにあるかもしれません。
- 使用頻度の誤解: 「although」と同じ感覚で日常会話に多用すると浮いてしまいます。
- TOEIC・英検など試験での出題: 難易度高めの長文読解で、まれに接続詞として登場する可能性があります。意味を知らないと文脈がつかみにくいので注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「all be it」の短縮形と覚え、「たとえ全部その通りでも〜」のようなしぶしぶ認めるニュアンスをイメージすると使いやすいでしょう。
- 勉強テクニック:
- 「although」との違い、ややフォーマルで古風な感じがある、と意識すると区別しやすい。
- 「He was kind, albeit strict.(彼は優しかった、とはいえ厳しかった)」のような例文を作ってみて、接続詞として位置をチェックして覚える。
- 「although」との違い、ややフォーマルで古風な感じがある、と意識すると区別しやすい。
まとめ
“albeit” は「〜にもかかわらず」「〜ながらも」という意味を持つフォーマルかつ文語調の接続詞です。中世英語からの由来があり、日常会話ではあまり頻繁に使われませんが、ビジネスや学術的な文章表現では句を短くまとめつつ硬めのニュアンスを与える便利な言葉です。上級レベルの英語学習者は、読解時に出会ったとき意味をスムーズに理解できるよう押さえておくとよいでしょう。
意味のイメージ