advisory

1. 基本情報と概要

英単語: advisory

品詞: 形容詞（まれに名詞としても使用）

英語での意味:

• 「advisory」は「助言を与えるための」「勧告の」「諮問的な」を意味します。
  


• また名詞としては「勧告」「注意報」として使われることがあり、主に公的機関などが発する重要なお知らせを指します。

日本語での意味:

• 「助言を与える立場の」「勧告の」「顧問的な」などのニュアンスです。
  


• 例えば「advisory board（諮問委員会）」は、実際の決定権は持たずに助言をする役割を担う委員会を表します。

この単語は、何かを「強制する」よりも「助言する」「推奨する」というニュアンスが強いです。

CEFRレベルの目安としてはB2（中上級）くらいです。ある程度専門的な文章やニュースなどで使われることが比較的多い単語です。

活用形

• 形容詞: advisory (原形)
  


• 名詞: advisory（単数形）/ advisories（複数形）

他の品詞形

• advise（動詞）：「助言する」
  


• advice（名詞）：「助言」
  


• advisable（形容詞）：「賢明な、望ましい」

上記のように、同じ語根「advise」をもとに、語尾や品詞を変えて使うことができます。

2. 語構成と詳細な意味

• 語根 (advise): 「助言を与える」
  


• 接尾語 (-ory): 形容詞や名詞を形成し、「〜に関する」「〜的な」「〜のための」という意味合いを持ちます。

よく使われるコロケーション（共起表現）10選

1. advisory committee（助言委員会）
   


2. advisory role（助言的役割）
   


3. advisory service（相談サービス・助言サービス）
   


4. advisory board（顧問委員会・諮問委員会）
   


5. weather advisory（天気注意報）
   


6. advisory capacity（助言を行う立場）
   


7. advisory opinion（諮問的意見）
   


8. advisory panel（諮問パネル・委員会）
   


9. travel advisory（渡航勧告）
   


10. advisory notice（警報・注意喚起の通知）

これらはいずれも、強制力はなく「助言」「勧告」の機能を持つものを表します。

3. 語源とニュアンス

• 語源: 「advisory」は動詞「advise」（中世英語の “avisen” が由来、さらに古フランス語 “aviser” に遡る）に、形容詞・名詞化を示す「-ory」が付いた形です。
  


• 歴史的使用: 18世紀頃から、公的機関・コミュニティなどが何かを「注意喚起」「助言」するときに公式声明として用いられるようになりました。
  


• ニュアンス・感情的響き: 「強制力のない勧告」として使われるので、押し付けがましさはなく、やわらかいけれども公式性のある響きを持ちます。
  


• 使用時の注意:
  
  
  
  • 公式発表や公的文書で使われるある程度フォーマルな単語です。
    
  
  
  • 口語で見かける機会は「weather advisory（天気予報における注意報）」を伝える場面などが中心です。
  
  

4. 文法的な特徴と構文

• 形容詞としての使い方: 名詞を修飾して「助言を与えるための」「勧告の」という意味を加えます。
  
  例) “The advisory board met today to discuss the proposal.”
  


• 名詞としての使い方: 「注意報」「勧告」そのものを指します。
  
  例) “A severe weather advisory was issued for the region.”

フォーマル/カジュアル

• フォーマル: “This is an advisory statement from the government.”
  


• カジュアル: 口語ではあまり使わず、“warning”や“notice”などに置き換えることが多いです。

可算/不可算

• 名詞「advisory」は、可算名詞として複数形“advisories”も存在します。主に天気や旅行など特定の分野での「注意報」や「勧告」をまとめて言うときに使います。

5. 実例と例文

日常会話での例文（3つ）

1. “Did you see the weather advisory for heavy snow tomorrow?”
   
   
   
   • （明日の大雪警報見た？）
     
   
   


2. “They released a travel advisory for that country due to recent events.”
   
   
   
   • （最近の出来事のせいで、その国に対する渡航勧告が出たんだ。）
     
   
   


3. “I got an advisory notice about possible power outages.”
   
   
   
   • （停電の可能性があるっていう注意報を受け取ったよ。）
   
   

ビジネスでの例文（3つ）

1. “Our advisory board recommended updating our privacy policy.”
   
   
   
   • （顧問委員会はプライバシーポリシーを更新するように助言してくれました。）
     
   
   


2. “We have hired an advisory firm to guide us through the merger.”
   
   
   
   • （合併に向けて、助言をしてくれるコンサルティング会社を雇いました。）
     
   
   


3. “Please review the advisory report before tomorrow’s meeting.”
   
   
   
   • （明日の会議の前にこの諮問レポートに目を通してください。）
   
   

学術・公的機関での例文（3つ）

1. “The advisory committee has convened to discuss new regulations.”
   
   
   
   • （諮問委員会は新しい規制について協議するために招集されました。）
     
   
   


2. “An advisory statement was issued by the health department.”
   
   
   
   • （保健当局から勧告声明が出されました。）
     
   
   


3. “We need an expert advisory panel for evaluating this policy.”
   
   
   
   • （この政策を評価するために専門家の諮問パネルが必要です。）
   
   

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. consultative（協議の、相談の）
   
   
   
   • 「共同で何かを決めるときの助言・相談」のニュアンスが強い
     
   
   


2. recommendatory（推奨の）
   
   
   
   • 「推薦する」「推奨する」という意味がはっきり強調される
     
   
   


3. guidance（ガイダンス）
   
   
   
   • 「指導」「ガイド」としてより親身なイメージ
     
   
   


4. counseling（カウンセリング）
   
   
   
   • 専門家の立場から個人や組織に心理的・実務的助言をするイメージ
   
   

反意語

• binding（拘束力のある）, mandatory（強制的な）
  
  
  
  • 「advisory」が「強制力のない助言」であるのに対し、これらは「法的または実質的に強制力がある、避けられない」という意味合いを持ちます。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• IPA: /ədˈvaɪ.zər.i/（米音）, /ədˈvaɪz(ə)ri/（英音）


• アクセントは 第二音節 “vi” に強勢が置かれます。
  


• アメリカ英語だと「アドヴァイザリー」、イギリス英語だと「アドヴァイザリ」に近い発音になります。
  


• よくある間違いとしては、アクセントを最初の “ad” に置いてしまいがちなので注意が必要です。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: ×「advisary」「advisery」など「o」を入れ忘れたり、母音を取り違えたりしやすいので気をつける。
  


• 同音・類似語との混同: 「advisory」と「adversary（敵・対抗者）」はスペルが似ているため要注意。
  


• 試験対策:
  
  
  
  • TOEICや英検などでの出題の場合、文中における意味を「助言・勧告・諮問」的文脈として区別できるかが重要です。
    
  
  
  • 「advice」「advise」や「advisable」との品詞区別を問われることもあります。
  
  

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「保証はしないけど、助言はする」イメージ: 「advisory」は世界地図の上で「ここは安全ではない可能性がある」という注意書きのようなイメージを持つと覚えやすいです。
  


• スペリングのポイント: “advise” に “-ory” をつけて「advisory」。
  


• 勉強テクニック: 「advice（名詞）」「advise（動詞）」「advisory（形容詞/名詞）」の違いをセットで押さえると混同しにくくなります。

以上が「advisory」の詳細な解説です。助言的でありながら強制力はないというニュアンスを意識すると、使い方や背景がつかみやすくなります。