最終更新日:2024/06/17

道徳は文明社会の基盤です。

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元となった辞書の項目

morality

名詞

〈U〉道徳,倫理;道徳学,倫理学 / 〈U〉道徳性 / 〈U〉品行 / 〈C〉教訓;寓意

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解説

1. 基本情報と概要

単語: morality

品詞: 名詞 (noun)

意味(英語): Principles or standards concerning the distinction between right and wrong or good and bad behavior.

意味(日本語): 「善悪・正邪を区別し、それに基づいて正しい行動を行うための基準・原則」を表す言葉です。「善悪の区別・道徳的な価値観」といったニュアンスで使われる単語です。


  • 「morality」は道徳的な考えや行動指針を表し、個人や社会が「何が正しいか・何が善か」を決めるための基準のことを指します。宗教的・社会的・文化的な観点から用いられることも多い単語です。

活用形:


  • この単語は不可算名詞 (uncountable noun) なので、複数形の形は通常ありません。

  • ただし例外的に「moralities」の形で「複数の異なる道徳観」「複数の道徳体系」といった文脈で使われる場合があります。一般的には「morality」のままで用いられます。

他の品詞形:


  • 形容詞: moral 「道徳の、道徳的な」

  • 副詞: morally 「道徳的に」

  • 名詞: morals 「道徳的考え方」「道徳観」 (しばしば複数形で使われる)

CEFR レベル目安: C1 (上級)


  • 抽象的な議論や道徳・倫理の問題を扱う語彙で、学術的な文脈や議論に対応する単語です。


2. 語構成と詳細な意味

語構成:


  • mor-(ラテン語 mosmores = 慣習、道徳)

  • -ality(名詞化の接尾辞 “-ality” = 「~の状態」を表す)

派生語・類縁語:


  • moral (形容詞/名詞)

  • amoral (形容詞: 道徳とは無関係の)

  • immoral (形容詞: 不道徳な)

  • morality play (名詞: 中世ヨーロッパで見られた教訓劇)

よく使われるコロケーション(共起表現)10選:


  1. public morality → 公共の道徳

  2. personal morality → 個人の道徳

  3. question of morality → 道徳上の問題

  4. morality and ethics → 道徳と倫理

  5. Victorian morality → ヴィクトリア朝の道徳観

  6. code of morality → 道徳規範

  7. strict morality → 厳格な道徳観

  8. morality in politics → 政治における道徳

  9. religious-based morality → 宗教に基づく道徳

  10. moral relativism (複合的に “morality” と関連) → 道徳相対主義


3. 語源とニュアンス

語源:


  • 「morality」はラテン語の mōrālitāsmōrālistās)に由来し、“道徳的性質”を意味します。さらにたどると“mōs”(習慣・慣習)に遡り、そこから「人が行うべき習慣や行動規範」を示すようになりました。

歴史的変遷:


  • 中世ヨーロッパでは宗教的教訓の要素も強く、教会での説教や生活指針で盛んに使われてきました。近代になると社会学や哲学、人文科学の分野で「善悪の基準」「公的・私的な道徳観念」を論じるときにも盛んに用いられるようになりました。

ニュアンスと使用上の注意:


  • 「morality」はややフォーマルあるいは学術的に聞こえる傾向があります。日常会話でも使われますが、特に「倫理観や価値観について真面目に議論するとき」によく使われます。

  • 宗教や文化によって異なる「morality」のあり方を論じるときに使われるため、意見の対立が起きやすいテーマにもなり得ます。丁寧に文脈を考えて使うことが大切です。


4. 文法的な特徴と構文


  • 可算・不可算: 「morality」は不可算名詞として扱うのが一般的です。強調のために複数形「moralities」を使う場合がまれにあります。

  • 使用シーン: フォーマルな書き言葉や倫理・哲学の話題、学術的な論文、宗教的な説話などでよく登場します。日常会話でも「道徳の問題」について話す際に用いられます。

  • 構文例:


    • the morality of [something] → 「〜の道徳性」

    • a question of morality → 「道徳の問題」


イディオム/一般的な文型:


  • There is a need for morality in society.

  • The issue brings up questions of morality.


5. 実例と例文

ここでは、日常会話、ビジネス、学術的文脈に分けてそれぞれ3つずつ例文を挙げます。

① 日常会話


  1. “I wonder if lying to protect someone is against morality.”


    • (誰かを守るために嘘をつくのは道徳に反するのかな。)


  2. “Her sense of morality guides her every decision.”


    • (彼女の道徳観が彼女のあらゆる決断を導いているよ。)


  3. “Discussing morality can sometimes lead to heated arguments.”


    • (道徳について話すと、時に激しい議論になることがあるよ。)


② ビジネス


  1. “Our company’s code of morality focuses on honesty and fairness.”


    • (当社の道徳的規範は誠実さと公正さを重視しています。)


  2. “We must consider the morality of our advertising campaign.”


    • (私たちは広告キャンペーンの道徳性を考慮しなければなりません。)


  3. “In business ethics, profitability should not overshadow morality.”


    • (ビジネス倫理において、利益追求が道徳をないがしろにしてはならない。)


③ 学術的文脈


  1. “Philosophers often debate the origins of human morality.”


    • (哲学者たちはよく人間の道徳の起源について論じます。)


  2. “The study examines differing moralities across various cultures.”


    • (その研究は、さまざまな文化における異なる道徳観を調査しています。)


  3. “He challenged the established morality of the society.”


    • (彼は社会に定着した道徳観に異議を唱えた。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. ethics (倫理)


    • 「倫理」は学問的・客観的に「善悪」を考察する枠組みを指すことが多いです。一方「morality」は個人や社会全体がもつ価値観・規範に焦点が当たりやすいという違いがあります。


  2. virtue (徳、善行)


    • 「virtue」は美徳や善い行いを指し、「morality」は全体の道徳規範を示すやや広い概念です。


  3. principles (原則、指針)


    • 「道徳原則」は大まかな考え方を示す語彙です。「morality」は社会全体や個人の持つ善悪の体系に焦点を当てます。


反意語


  • immorality (不道徳)


    • 「morality」に反して善悪の基準を無視した行動や考えを指します。



7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA):


  • アメリカ英語: /məˈræləti/ (マ・ラリティに近い発音)

  • イギリス英語: /məˈræləti/ or /mɒˈræləti/ (マまたはモ・ラリティに近い発音)

強勢(アクセント)の位置:


  • “mo-RÁ-li-ty” の2音節目 “rá” に強勢が置かれます。

よくある間違い:


  • “molarity” (化学用語で「モル濃度」) と混同してしまう人がいます。スペルが似ているので注意してください。

  • “morale” /məˈræl/(士気) と混ざることもあるため、末尾の “-ity” (morality) と “-e” (morale) の違いに気をつけましょう。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペリング: 「morality」は “o” と “a” の順番を間違えやすいので注意してください。

  • 同音異義語との混同: 上記の “molarity” や “morale” など、似たつづりの単語には注意しましょう。

  • 試験対策: TOEICや英検などでは、倫理・社会問題を扱うリーディングやリスニングで登場する場合があります。文脈から「道徳を論じていること」を読み取る力が大切です。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「moral(道徳)+-ity(~の性質)」と考えると覚えやすいです。

  • 「morale(士気)」と混同しないように、「-ity」がついているから「道徳的な性質」の方!と意識しましょう。

  • 「モラリティ」とカタカナで覚えるよりも、強勢位置を “mo-RÁ-li-ty” としっかり意識して発音する習慣をつけると、耳に残りやすいです。


以上が名詞「morality」の詳細な解説です。個人・社会の善悪基準を示す重要な単語なので、抽象的な議論や倫理・哲学の話題などでよく使用されます。学習の際は、似た単語や発音の混同に注意しながら、さまざまな文脈で使えるように練習してみてください。

意味のイメージ
morality
意味(1)

〈U〉道徳性

意味(2)

〈U〉品行

意味(3)

〈C〉教訓;寓意

意味(4)

〈U〉道徳,倫理;道徳学,倫理学

学術英単語(NAWL)/ 例文 / 英訳 / 選択問題

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