thus

1. 基本情報と概要

単語: thus

品詞: 副詞 (adverb)

意味 (英語): “in this way” / “therefore”

意味 (日本語): 「このように」「したがって」「このような方法で」などを表します。日常的な会話でも出てくることはありますが、一般的には少しフォーマルな文書や文章表現、プレゼンテーションなどで使用される表現です。「このようにして」「この結果として」といったニュアンスで、前に述べた事柄の結論や方法を示すときに使われます。

CEFRレベル: B2（中上級）

• B2レベルは、自分の意見や考えを複雑な文章で表現できる段階です。学術的やビジネス的な文書でも自然に使えるよう、徐々に練習が必要です。

活用形や他の品詞

• 副詞である “thus” は、動詞のように時制で変化したりする活用形はありません。
  


• 「thusly」という副詞形のバリエーションもありますが、やや古風または文語的な響きがあります（現代英語ではあまり多用されません）。
  


• 他の品詞への変化はほぼありませんので、使い方としては副詞として覚えるのが一般的です。

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• thus は接頭語や接尾語を含まない非常に短い語です。ヨーロッパの古い言語（古英語 “þus”）から受け継がれ、直接的な派生要素はありません。

他の単語との関連性（派生語・類縁語）

• thusly（副詞）
  


• therefore / hence / so / consequently などは、「その結果」「それゆえに」のニュアンスが近い単語です。

よく使われるコロケーション（共起表現）や関連フレーズ10選

1. thus far（ここまで / 今のところ）
   


2. and thus（そしてこのように / そしてそうして）
   


3. thus, we can conclude（したがって、結論づけることができる）
   


4. thus, it follows（したがって、それが導かれる）
   


5. thus, the problem arose（このようにして問題が発生した）
   


6. thus, his reputation grew（このようにして彼の評判が高まった）
   


7. thus ended（このようにして終わった）
   


8. thus proving（このことが証明しているように）
   


9. thus indicating（このように示しているように）
   


10. thus, in conclusion（したがって、結論として）

3. 語源とニュアンス

語源

• 古英語の “þus” に遡ります。古くから「このように」「こうして」というニュアンスで使われてきました。
  


• 中英語・初期近代英語でも文書表現に多用され、現代英語でもややフォーマルな響きが残っています。

ニュアンス・使用時の注意点

• フォーマル度: 「thus」は少しフォーマルまたは文語調の響きがあり、カジュアルな会話で頻繁に登場する単語ではありません。
  


• 意味合い: 前に述べた文脈をまとめる・結論へ導くときに好んで使われます。

4. 文法的な特徴と構文

• 副詞としての働き: 前の文脈を受けて「このように」「この方法で」「その結果として」を示す。
  


• カジュアルな口語の代わりとしては “so” や “that’s why” などを使うことも多いです。
  


• 文頭に置く場合の構文例:
  
  
  
  • Thus, we reached our final decision.（したがって、最終的な決断に至りました）
  
  


• 文中でつなぐ場合の構文例:
  
  
  
  • We worked hard, and thus we succeeded.（私たちは懸命に取り組んだ。その結果、成功したのです）
  
  

5. 実例と例文

5.1 日常会話での例文（ややフォーマル〜丁寧な場面想定）

1. I had no umbrella; thus, I got soaked on my way home.
   
   （傘を持っていなかったんだ。このため、帰る途中でずぶ濡れになってしまった。）
   


2. She forgot to set her alarm; thus, she woke up late.
   
   （彼女は目覚ましをセットし忘れた。このため、寝坊してしまった。）
   


3. He saved a lot of money; thus, he decided to travel abroad.
   
   （彼はたくさんお金を貯めていた。その結果、海外旅行をすることにした。）

5.2 ビジネス文脈での例文

1. We strictly followed the new guidelines; thus, any legal issues were avoided.
   
   （我々は新たなガイドラインを厳格に守りました。そのため、法的問題を回避できました。）
   


2. Our sales have increased significantly; thus, we can invest more in research and development.
   
   （売上が大幅に伸びました。その結果、研究開発により多く投資できます。）
   


3. We received substantial feedback; thus, we have decided to modify the original plan.
   
   （多くのフィードバックを受けました。したがって、当初の計画を修正することにしました。）

5.3 学術的・専門的文脈での例文

1. The data shows a clear trend; thus, further investigation is warranted.
   
   （データは明確な傾向を示しています。そのため、さらなる調査が必要です。）
   


2. The experiment failed to replicate the original findings; thus, the hypothesis must be reconsidered.
   
   （実験は元の結果を再現できず、そのため仮説を再検討する必要があります。）
   


3. These variables correlate strongly; thus, we infer a causal relationship.
   
   （これらの変数は非常に強い相関があり、そのため因果関係が推測されます。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. therefore（それゆえに）
   
   
   
   • 「thus」よりも一般的。フォーマルな文章・スピーチで頻出。
     
   
   


2. so（だから / それで）
   
   
   
   • よりカジュアル。会話でよく使われる。
     
   
   


3. hence（ゆえに / それ故に）
   
   
   
   • 「thus」に近いフォーマル度。文章寄りの表現。
     
   
   


4. consequently（結果として）
   
   
   
   • 結果・影響を示す。フォーマルや学術的文脈で用いられることが多い。
   
   

反意語

• 「thus」の直接的な反意語はありませんが、原因や結果を示す文脈では「しかしながら」の意味になる however や nevertheless などが対比的に使われることがあります。
  

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /ðʌs/
  
  
  
  • アメリカ英語: [ðʌs]
    
  
  
  • イギリス英語: [ðʌs] （ほぼ同じ）
    
  
  


• アクセントは特に意識するほど長い音節を持たず、短く “th” + “ʌ” + “s” で発音します。
  


• 注意すべき発音ポイント:
  
  
  
  • “th” は有声歯摩擦音 /ð/ で、日本人学習者には「舌先を前歯と前歯の間に軽く当てて振動させる」イメージが必要です。
    
  
  
  • /ʌ/ は「ア」よりも少し口を開けて短く発音します。
  
  

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: “thus” を “thuse” や “thuss” と書いてしまう例。
  


• 同音異義語との混同: 直接的には同音異義語はありませんが、“this” / “these” / “those” / “though” など見た目が似た単語と誤解しやすいので要注意。
  


• 試験対策: TOEICや英検などのリーディングやライティングパートで「因果関係を提示する副詞」として出題されやすいです。前後の文脈をしっかり見て「結果、結論」を述べている場合は “thus” が合うかを確認すると良いでしょう。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「thus」は「（それまでの流れをまとめて）結論や結果を示す」イメージを強調して覚えると便利です。
  


• 語源的にも「this + way」みたいな雰囲気があるので、「このように」と頭の中で変換しておくと理解しやすいです。
  


• 口頭で使う練習をするよりも、まずはライティングで使い慣れる方が自然に身につきやすい単語です。
  

以上が副詞 “thus” の詳細解説です。論理的な繋がりを示すためのフォーマルな単語として、ぜひ使いこなしてみてください。