元となった辞書の項目
retirement
解説
1. 基本情報と概要
単語: retirement
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2(中上級): 抽象的な話題について議論できるレベル
意味
- 英語: The act of leaving one’s job or ceasing to work, usually because of reaching a certain age or by choice.
- 日本語: 定年やある年齢に達した、または本人の都合で仕事を辞めることを意味します。余生を休息にあてたり、新しい生活を始めたりと、「仕事を離れて次の人生ステージに移る」というニュアンスの名詞です。
活用形
- 「retirement」は名詞なので活用は変化しません。
- 動詞形は「retire(リタイアする)」で、形容詞形はあまり一般的ではありませんが「retired(退職した、引退した)」があります。
他の品詞になったときの例
- 動詞: retire(退職する、引退する)
- 例:
My father decided to retire at 65.
- 例:
- 形容詞: retired(退職した、引退した)
- 例:
He is a retired teacher.
- 例:
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- retire + -ment
- “retire”は「退く、引退する」という意味の動詞
- “-ment”は名詞を作る接尾語(例: “agreement”, “development” など)
- “retire”は「退く、引退する」という意味の動詞
関連語や派生語
- retiree (名詞): 退職者
- semi-retirement (名詞): 部分的なリタイア、半引退
- early retirement (名詞): 早期退職
よく使われるコロケーション(10例)
- retirement age – 退職年齢
- retirement plan – 退職後の計画、年金計画
- retirement package – 退職金・福利厚生パッケージ
- retirement community – 退職者向け共同住宅、リタイアメントコミュニティ
- early retirement – 早期退職
- forced retirement – 強制的な退職
- retirement party – 退職祝賀会
- retire in comfort – 余裕のある暮らしをして退職する
- retirement savings – 退職後のための貯蓄
- retirement fund – 退職基金・年金基金
3. 語源とニュアンス
語源
- “retirement”は「retire」に名詞化の接尾語“-ment”が付いたものです。
- “retire”は古フランス語の “retirer”(後ろに引く、退く)が由来で、さらにラテン語 “re-” (後ろに、再び) + “tirer” (引く) に遡ります。
ニュアンス・使用上の注意
- 「retirement」は、仕事を“離れる”という少しフォーマルな響きをもちます。
- 定年や長年働いた後に休むイメージが強いですが、若い人が自発的に仕事を辞める場合も使うことがあります(「アーリーリタイア」のように)。
- 口語にも書き言葉にも広く使われますが、ビジネスの文脈では特に「retirement benefits(退職手当)」や「retirement plan(年金プラン)」などフォーマルな言い回しとして頻繁に登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 通常は不可算名詞として扱われることが多いですが、状況によっては「(a) retirement」や複数形「retirements」が使われる場合もあります(例:複数の退職形態を指す時など)。
一般的な構文・イディオム
- go into retirement: 退職に入る、退職する
- 例: “He went into retirement last year.”
- 例: “He went into retirement last year.”
- live in retirement: 退職後の生活を送る
- 例: “She now lives in retirement in a small cottage by the sea.”
フォーマル・カジュアル
- ビジネス文書やオフィシャルな場面では「Upon his retirement, he received a warm farewell.」のように使われます。
- カジュアルな会話では「After retirement, I want to travel the world!」のようにやや軽いニュアンスで使われることもあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I can’t wait for my retirement; I have so many hobbies to explore!”
- 「退職が待ち遠しいよ。やりたい趣味がたくさんあるんだ。」
- “She finally decided to take early retirement to spend more time with her family.”
- 「彼女はついに家族と過ごす時間を増やすために早期退職することに決めたんだ。」
- “My parents saved for retirement throughout their careers.”
- 「両親は現役時代を通して退職後のために貯金していたんだ。」
ビジネスでの例文(3つ)
- “The company offers an excellent retirement package, including health insurance.”
- 「その会社は健康保険を含む優れた退職パッケージを提供しています。」
- “Many employees are considering retirement due to the new policy changes.”
- 「多くの従業員が新しい方針の変更を受けて退職を検討しています。」
- “We held a virtual retirement party for our colleague who worked remotely.”
- 「在宅勤務をしていた同僚のためにオンラインの退職パーティーを開催しました。」
学術的・フォーマルな文脈(3つ)
- “Researchers are examining the psychological impacts of retirement on mental health.”
- 「研究者は退職がメンタルヘルスに与える心理的影響を調査しています。」
- “The retirement transition often involves a shift in social roles and daily routines.”
- 「退職への移行はしばしば社会的役割や日々の生活習慣の変化を伴います。」
- “Government policies on retirement age can significantly affect the workforce demographics.”
- 「政府の定年政策は労働人口の demographic(人口統計)に大きな影響を与え得ます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- pension (名詞: 年金)
- 「年金そのもの」を指すことが多く、退職とセットで出てくる用語ですが、“retirement”は「辞める行為・状態」を強調します。
- 「年金そのもの」を指すことが多く、退職とセットで出てくる用語ですが、“retirement”は「辞める行為・状態」を強調します。
- withdrawal (名詞: 撤退、引きこもり)
- 一般的に「撤退」や「離脱」の意味で使われ、「retirement」ほど仕事や定年を明確に示しません。
- 一般的に「撤退」や「離脱」の意味で使われ、「retirement」ほど仕事や定年を明確に示しません。
- resignation (名詞: 辞職)
- 自発的な意思で組織や職を辞める行為。「retirement」は通常年齢や長期勤務を前提とした文脈が多いです。
反意語
- employment (名詞: 雇用、就業)
- 仕事に就いている状態「employment」とは対照的に、「retirement」は仕事をやめた状態を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /rɪˈtaɪərmənt/ (アメリカ英語), /rɪˈtaɪəmənt/ (イギリス英語)
- アクセント(ストレス): “rɪ-TAI-ər-ment” の第二音節 “tai” に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語で若干母音の発音が変化することがありますが、どちらも “re-TIRE-ment” のように聞こえます。
- よくある間違いとして、アクセントを最初の音節に置いて “REE-tire-ment” と発音してしまうことがありますので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルは “re + tire + ment” の語結合ですが、「retirment」と “e” を落としてしまう間違いが多いので注意しましょう。
- 同音異義語としては特に挙げられませんが、「tire(疲れさせる)」や「tyre(イギリス英語で車のタイヤ)」とは関連がなく混同しないように。
- TOEICや英検などでも頻出語ではありますが、文脈としてはビジネスやライフプランに関連する長文で登場しがちです。「年金・福利厚生」「生涯設計」などの文脈で注意しておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「re(もう一度)」 + 「tire(退く)」のイメージで「再び後ろに下がる」→「退く」→「引退する」というストーリーで覚えやすいです。
- スペリングは “re + tire + ment”。「タイヤ (tire) に “re” と “ment” がくっついている」とイメージするといいかもしれません。
- 音で覚えるときは “れ-たい(ヤ)-面と”くらいのリズムでも良いでしょう。
「retirement」は、仕事を辞めることだけでなく、「その後の人生」や「老後のライフプラン」など様々なニュアンスを含む単語です。余裕を持ってぜひ使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…からの)引退,退職《+from+名》
意味(2)
引きもること,引きこもり