convince
1. 基本情報と概要
単語: convince
品詞: 動詞 (transitive verb: 他動詞)
活用形:
- 原形: convince
- 三人称単数: convinces
- 過去形・過去分詞: convinced
- 現在分詞・動名詞: convincing
CEFRレベルの目安: [B2:中上級]
日常会話より一段階発展した話題や文章で使われやすい語であり、説得や論理展開を扱うときに登場します。
意味(英語 / 日本語)
- (英) to make someone believe something or feel sure about something
- (日) 誰かに「何かを信じさせる」「確信させる」「納得させる」ことです。
「相手が納得していない状態から、考えや気持ちを変えさせて同意を取り付ける」というニュアンスの単語です。ふだんの会話、ビジネス、説得などの場面でよく使われます。
他の品詞例
- convincing (形容詞): 説得力のある、納得させるような
- convincingly (副詞): 説得力をもって
- convinced (形容詞形): 確信している
- conviction (名詞): 確信、信念
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: con- (共に、完全に というニュアンスを含む)
- 語幹: -vince(“勝つ”や“征服する”を意味するラテン語「vincere」由来)
“con-” + “vince” で「完全に勝つ ⇒ 相手を説得し尽くす、納得させる」というイメージです。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- convince someone of something
- ~に…を納得させる
- ~に…を納得させる
- convince someone to do something
- ~に…するように説得する
- ~に…するように説得する
- be convinced that …
- …だと確信している
- …だと確信している
- convince the jury
- 陪審員を納得させる
- 陪審員を納得させる
- attempt to convince
- 説得を試みる
- 説得を試みる
- fail to convince
- 説得できない
- 説得できない
- deeply convinced
- 深く確信している
- 深く確信している
- convince the public
- 世論を納得させる
- 世論を納得させる
- convince yourself
- 自分を納得させる
- 自分を納得させる
- strongly convince
- 強く説得する、強く納得させる
- 強く説得する、強く納得させる
これらのコロケーションはいずれも「納得させる」ニュアンスを強調するときに使われる表現です。
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語の “convincere” から来ています。「con- (共に,完全に)」+「vincere(勝つ,征服する)」という意味の組み合わせです。そこから「相手の考えなどに”勝つ”、つまり説得する」というニュアンスに発展しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 相手の理解や賛同を得るために説得するイメージ。
- 結果として相手が納得する・信じるように働きかける動詞です。
- 口語・文章ともに使えますが、「persuade」よりも「確信レベルに到達させる」ニュアンスがやや強いと捉えることもあります。
- ビジネスやアカデミックな文章でもよく使われる標準的な単語です。
4. 文法的な特徴と構文
convince + 目的語 + of + 名詞/代名詞
- 例: He convinced me of the plan's effectiveness.
convince + 目的語 + to + 動詞の原形
- 例: She convinced him to join the team.
be convinced of/that …
- 例: I am convinced that this is the right approach.
使用シーンの特徴
- 他動詞 (transitive verb) なので、常に「誰を」「何を」という目的語が必要です。
- フォーマル/カジュアルどちらにも使える汎用的な単語です。
- 強い確信を表す場合や、相手にしっかり意見を変えさせる場面でよく使います。
5. 実例と例文
日常会話での例文
“I tried to convince my brother to come with us, but he refused.”
(弟を一緒に来るよう説得したけど、断られちゃった。)“She finally convinced me of her good intentions.”
(彼女の善意が本物だと、ついに納得させられたよ。)“Once you taste it, you’ll be convinced that homemade pizza is the best.”
(一度食べてみたら、手作りピザが最高だって絶対納得するよ。)
ビジネスでの例文
“We need solid evidence to convince the management of our proposal’s viability.”
(経営陣に提案の実現可能性を納得してもらうには、確かなエビデンスが必要です。)“He convinced the investors to provide additional funding.”
(彼は投資家たちを説得し、追加資金を提供してもらった。)“Her presentation convinced everyone that the new strategy was worth pursuing.”
(彼女のプレゼンは全員を納得させ、新しい戦略を追求する価値があると確信させた。)
学術的な文脈での例文
“The experiment’s results convinced researchers to modify their initial hypothesis.”
(その実験結果により、研究者たちは当初の仮説を修正せざるを得なくなった。)“The groundbreaking findings convinced many in the scientific community.”
(その画期的な発見は多くの科学者を納得させた。)“Her paper convincingly argued the benefits of renewable energy.”
(彼女の論文は再生可能エネルギーの利点を説得力をもって論じていた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
persuade(説得する)
- 「話し合いや言葉で説得する」全般的な意味。
- “convince”よりも意図して相手を動かすイメージが強いとも解釈される。
- 「話し合いや言葉で説得する」全般的な意味。
induce(誘導する、~させる)
- 何らかの行動をとるよう相手を導く・促すニュアンス。
- “convince”よりも結果的に行動を起こさせることに焦点がある。
- 何らかの行動をとるよう相手を導く・促すニュアンス。
sway(心を揺さぶって動かす)
- 感情や意見を揺さぶって変化させるニュアンス。
- カジュアルな会話でよく使われる。
- 感情や意見を揺さぶって変化させるニュアンス。
assure(保証する、確信させる)
- 「安心させる」ニュアンスが強い。
- “convince”は「意見や信念を変える」のに対し、“assure”は「安心」や「確認」を与える。
- 「安心させる」ニュアンスが強い。
prove(証明する)
- 事実やデータで論理的に裏付けを示す。
- “convince”は「人の考えを変える」動詞、proveは「事実を提示して証明する行為」のイメージ。
- 事実やデータで論理的に裏付けを示す。
反意語 (Antonyms)
dissuade(思いとどまらせる)
- 説得してやめさせる、という意味で“convince”の正反対の行為。
- 説得してやめさせる、という意味で“convince”の正反対の行為。
discourage(気持ちをそぐ、やめさせる)
- 勢いや意欲を削ぐニュアンス。
- 勢いや意欲を削ぐニュアンス。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /kənˈvɪns/
- 米英・英英 ともに /kən-ˈvɪns/ とほぼ同じ発音です。
- アクセントは “vin” の部分に置かれます: con-VINCE
- “convince” の “v” と “i” の音が近いため、
kun-vince
なイメージで発音するとスムーズです。 - “n” と “v” の組み合わせで母音が弱くなりがちなので、/kənˈvɪns/ という音のつながりを意識するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: “convince” の最初の “n” を書き落としたり、変にダブらせたりするミスがありやすいです。
- “convince” と “persuade” の使い分け: はっきり区別できない場合もありますが、試験などでは質問の背景表現(相手が納得する?行動を起こす?)に注意しましょう。
- “confuse” や “convince” の混同: スペルや発音が似ているため、文脈でしっかり区別する必要があります。
- TOEIC・英検などでも「企画を納得させる」「顧客を説得する」などの文脈で選択肢に登場しやすい単語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “con-” は「一緒に」、 “vince” は「勝つ」の意味がラテン語由来で、「一緒に相手を打ち負かす」とイメージすれば「納得させる」という意味を理解しやすいです。
- スペリングは “con” + “vince” と区切って覚えましょう。
- 発音のポイントは “kun-
VINCE” と、後半をしっかり主張すること。 - 「自分に勝利をもたらす言葉=誰かを納得させる」と連想すると頭に残りやすいです。
以上が “convince” の詳細です。「相手の心や考えを変えて納得させる」というニュアンスをしっかりイメージすると覚えやすく、使いやすい単語になります。ぜひ、会話やライティングで積極的に使ってみてください。
〈人〉'を'納得させる