元となった辞書の項目
adapt
解説
1. 基本情報と概要
単語: adapt
品詞: 動詞 (他動詞・自動詞)
意味(英語): to change something or oneself to suit different conditions or uses
意味(日本語): 状況や目的に合わせて、何かを変化させる、あるいは自分を順応させる
「adapt」は、“環境や状況に合わせて変化したり、改変したりする”というニュアンスを含む動詞です。何か既存のものを新しい条件・状況に合うように調整するイメージです。たとえば、異なる文化に暮らし始めたときに、その文化に自分を「順応」させることを「adapt」と言います。
活用形
- 原形: adapt
- 三人称単数現在形: adapts
- 現在分詞/動名詞: adapting
- 過去形/過去分詞形: adapted
他の品詞形
- adaptation (名詞): 適応、改作など
例: The adaptation of the novel was a hit movie. - adaptive (形容詞): 適応性のある
例: He has an adaptive approach to new challenges. - adaptable (形容詞): 適応力がある
例: She is adaptable to any situation.
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級)
時事問題やビジネス場面でも、他の状況への「適応」「順応」などやや複雑な概念を取り扱う語彙として位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- ad- (接頭語): ~へ、~に向かって
- apt (語幹): 合う・適切な
(ラテン語のaptus
= fitted, suited が由来とされます)
このように、「~の方へ適切にする」という意味合いが込められています。
関連語や派生語
- adaptor / adapter (名詞): アダプター、適合させるもの
- adaptation (名詞): 適応、改造、脚色
- adaptive (形容詞): 適応性のある
- adaptable (形容詞): 適応力のある
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- adapt to changes
(変化に適応する) - adapt to a new environment
(新しい環境に順応する) - adapt quickly
(素早く順応する) - adapt for a specific purpose
(特定の目的のために改造する) - adapt a novel into a film
(小説を映画に脚色する) - adapt one’s style
(自分のやり方を修正する・順応させる) - be adapted from …
(~が原作である、~から脚色された) - adapt well
(うまく適応する) - need to adapt
(適応する必要がある) - adapt over time
(時間をかけて適応する)
3. 語源とニュアンス
語源
「adapt」はラテン語の “adaptare” (ad + aptare) が語源で、
- ad: ~へ
- aptare: 合わせる(fit)
歴史的には「(状況に)合わせる、合致させる」という意味合いで使われており、現在でも「新しい状況や目的に合わせて変化させる」という用法が中心です。
使うときのニュアンスや注意
- ニュアンス: 「柔軟に調整・変更して馴染ませる」という積極的な意味。
- 使用シーン: ビジネスや日常会話、どちらでもよく使われます。フォーマルからカジュアルまで幅広く通じる表現です。
- 相手や状況によって、必ずしもポジティブばかりではなく「無理やり合わせる」ニュアンスにもなり得ます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文例
- adapt + 目的語 + (to 何か)
(例) We adapted the curriculum to the students’ needs. - adapt (to + 名詞/状況)
(例) She adapted to the new environment quickly.
他動詞・自動詞の使い分け
- 他動詞: 「~を適応させる」のように目的語を取るとき (adapt the plan...)
- 自動詞: 「順応する、適応する」のように「~に」の目的語は前置詞 “to” を用いる (adapt to new conditions)
イディオムや口語表現
- 「adapt or die」:適応するか、滅びるか(激しい競争社会などでよく使われる言い回し)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I had to adapt to living on my own when I moved out.”
(家を出たときに、一人暮らしに慣れなければいけなかったんだ。) - “My new phone is so different, but I’ll adapt soon.”
(新しいスマホは全然違うけど、すぐ慣れると思うよ。) - “Cafe is closed today? No worries, I can adapt my plan!”
(カフェが今日は閉まっている? 大丈夫、予定を変えるよ!)
ビジネス (ややフォーマル)
- “We must adapt our business model to changing customer demands.”
(私たちは変化する顧客の要求に、ビジネスモデルを適応させねばなりません。) - “The company adapted the product for international markets.”
(その会社は国際市場向けに製品を改良しました。) - “Flexibility is key to adapting to today’s fast-paced environment.”
(柔軟性こそが、今日の目まぐるしい環境に適応する鍵です。)
学術的・専門的文脈
- “Animals in this region have adapted to extreme temperatures.”
(この地域の動物は極端な気温に適応してきた。) - “He studied how languages adapt over time.”
(彼は言語がどのように時代とともに変化するかを研究した。) - “Researchers are trying to adapt the software for broader applications.”
(研究者たちはこのソフトウェアを、より幅広い用途に向けて改良しようとしている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- adjust (調整する)
- より物理的・微調整的なニュアンスで使われることが多い。
- より物理的・微調整的なニュアンスで使われることが多い。
- modify (変更する)
- 内容や形を一部変更する、という点に重点がある。
- 内容や形を一部変更する、という点に重点がある。
- alter (変える)
- 完全に姿を変える、という強めのニュアンスの場合に使うことが多い。
- 完全に姿を変える、という強めのニュアンスの場合に使うことが多い。
反意語 (Antonyms)
- resist (抵抗する)
- 変化や適応に反発するニュアンス。
- 変化や適応に反発するニュアンス。
- reject (拒否する)
- 変化を受け入れないことを強く示す。
- 変化を受け入れないことを強く示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号): /əˈdæpt/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに発音はほぼ同じです。
- 強勢(アクセント): 第2音節の「dæpt」にあります (a*dapt*)。
- 「a-dapt」のように[a]が弱く、[dæpt]にストレスがくるのがポイントです。
- よくある間違いとして、「ad-apt(アダプト)」を「a-dopt(アダプト)」(adopt) と混同しないように注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: adapt と adopt を混同しやすい。
- adapt: (慣れる・順応する)
- adopt: (採用する・養子にする)
- adapt: (慣れる・順応する)
- 同音異義語との混同: “adept” (熟練した) なども似たスペリングなので混乱注意。
- 試験での出題傾向:
- TOEICや英検で「適応」「調整」「改造」などの文脈でよく出ます。
- 例文穴埋め問題で “adapt to ~” の形が問われることも多いです。
- TOEICや英検で「適応」「調整」「改造」などの文脈でよく出ます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ad-(~へ)+ apt(適切)」をイメージすると、「適切な状態にする → 適応させる」と覚えやすいです。
- スペルが似ている “adopt” と区別するコツは、「ap*t(適切)」と「opt*(選択)」で意味が違うと意識すること。
- 変化をイメージするときに、「カメレオンが周囲の色に合わせて変わる」イメージを思い浮かべると「adapt」の本質(周りに合うように変化する)がつかみやすいです。
以上が「adapt」の詳細解説です。新しい環境に順応するときや、何かを改変するときなど、さまざまな場面で役立つ単語ですので、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…に)…'を'適応させる,適合させる《+名+to+名(do*ing*)》
意味(2)
(…向きに)〈小説・戯曲など〉'を'脚色する,翻案する,書きかえる《+名+for+名》
意味(3)
(環境などに)適応する,順応する《+to+名》