元となった辞書の項目
whilst
解説
1. 基本情報と概要
単語: whilst
品詞: 接続詞 (conjunction)
意味(英語): “while” と同じ意味で、主にイギリス英語で使われる。ある2つの事柄を「~している間に」「一方で」と繋ぐ際に用いられる。
意味(日本語): 「~している間に」「一方で」など。イギリス英語でややフォーマル・文語的に使われる表現です。
「whilst」は「while」と同じ意味ですが、イギリス英語において特に文章やややフォーマルな場面で好まれます。日常会話でのカジュアルな場面では、通常「while」の方が頻繁に用いられます。
活用形: 接続詞のため、活用形はありません。
他の品詞例: なし(「whilst」は通常、接続詞としてのみ扱われます)。
CEFRレベル目安:
- B2(中上級): ネイティブスピーカーが使う際に「while」とほぼ同じ意味だと理解できればOKですが、文語的な響きがあるため、中上級以上の英語学習者向け。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 「whilst」は歴史的に「while」に接尾辞的に “-st” がついた形と考えられていますが、現代的にはひとつの接続詞として認識されています。
詳細な意味:
- 「~している間」:時間的に同時進行している出来事を繋ぐ。
- 「一方で」:対比を表す。
派生語・類縁語:
- while(同義・米英問わずよく使われる)
- as long as(やや条件的な意味合いも含む「~する限り」)
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ(10個)
- whilst doing something → 「何かをしている最中に」
- whilst driving → 「運転している間に」
- whilst reading → 「読んでいる間に」
- whilst I agree → 「同意はするが (一方で〜)」
- whilst on holiday → 「休暇中に」
- whilst remaining calm → 「冷静であり続けながら」
- whilst simultaneously → 「同時に (同時進行を強調)」
- whilst at home → 「家にいる間」
- whilst it is true that… → 「~は事実ではあるが」
- whilst acknowledging → 「認めはするが (一方で〜)」
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「while」から派生した古い形の単語。中英語期に “whiles” や “whilst” といった変形が生じ、古風な響きや文語的なニュアンスがある。
ニュアンス:
- 文語的・フォーマル: 書き言葉や正式な場・イギリス英語で好まれる。
- アメリカ英語: あまり一般的ではなく、代わりに「while」を使うことが多い。
- 注意点: カジュアルすぎる文章や会話では少し浮く場合がある。
4. 文法的な特徴と構文
- 従位接続詞として、従属節を導く役割を持つ。
- 主節と従属節を繋ぎ、「~している間」あるいは「~する一方で」という意味を表す。
- 「while」の形式と同様に使われるが、アメリカ英語での口語表現としてはやや堅い。
一般的な構文例
- Whilst + 主語 + 動詞, 主語 + 動詞 ...
- “Whilst I appreciate your offer, I must decline.”
- “Whilst I appreciate your offer, I must decline.”
- 主語 + 動詞 + whilst + 主語 + 動詞 ...
- “You can watch TV whilst I prepare dinner.”
フォーマル / カジュアルの違い
- フォーマル: whilst → 学術論文やビジネス文書で使われる場合がある。
- カジュアル: while → 日常会話やカジュアルな文章で使われる。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I usually listen to music whilst I cook.”
(料理をしている間に、だいたい音楽を聴いてるよ。) - “Could you look after the kids whilst I go shopping?”
(私が買い物に行っている間、子どもたちを見てくれる?) - “Please keep the door closed whilst the air conditioner is on.”
(エアコンがついている間はドアを閉めておいてください。)
ビジネス
- “Whilst we acknowledge the delay, we are doing our best to expedite the process.”
(遅延を認めていますが、できるだけ早く処理を進めるよう努力しています。) - “Please review these documents whilst you wait for the meeting to start.”
(会議が始まるまでの間、こちらの書類に目を通しておいてください。) - “Some staff work remotely, whilst others prefer to work in the office.”
(在宅勤務しているスタッフもいれば、オフィスで働くことを好むスタッフもいます。)
学術的な文脈
- “Whilst previous studies focused on quantitative methods, this paper employs a qualitative approach.”
(先行研究は定量的手法に焦点を当てていましたが、本稿では定性的アプローチを採用しています。) - “Whilst there are limitations to this data, the conclusions remain valid.”
(このデータには制約があるものの、結論は妥当であると考えられます。) - “Whilst it was once believed to be rare, recent evidence suggests it is more common.”
(かつては稀だと信じられていましたが、近年の証拠はそれがもっと一般的であることを示唆しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- while(~している間に、一方で)
- 最も近い同義語。アメリカ英語ではこちらが主流。
- 最も近い同義語。アメリカ英語ではこちらが主流。
- whereas(~である一方で)
- 主に対比を強調したいときに使われる。
- 主に対比を強調したいときに使われる。
- as long as(~である限り)
- 時間的継続や条件をアピールするときにも使う。
反意語(Antonyms)
- 接続詞としての明確な反意語はありませんが、強いて挙げるなら「until(〜するまで)」が時間的流れにおいて対照的な役割を果たす場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- イギリス英語: /waɪlst/
- アメリカ英語: /waɪlst/(そもそもあまり使われない)
強勢(アクセント):
- “whilst” の1音節目 “whil-” にアクセントがある (/waɪl/の部分)。
- [-st] は添え物のように短く発音される。
よくある発音の間違い:
- “while” と区別がつかない、あるいは最後の “-st” を発音し損ねる。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “whilst” は “e” を入れて “whielst” などと書いてしまうミス。
- 同音異義語との混同: “while” と混同しやすいが、両者の意味は同じで、スペルだけが異なる。
- 使いどころ: イギリス英語でフォーマル・文語的に使われることが多いため、米語のスピーカーに対しては不自然に聞こえることも。
- 試験対策: IELTSやケンブリッジ英検などのイギリス英語寄りのテストでは目にする可能性があるが、アメリカ英語主体のTOEFLやTOEICでは「while」が主流。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「while」に “-st” が付いているだけ、と覚えると簡単です。
- 「whilst」の “-st” はやや古風・フォーマルな響きを添えるオマケとイメージすると、区別しやすいです。
- イギリス映画やドラマで「whilst」を耳にすることがあります。イギリス英語学習の際には「while」の代わりにたまに使われると覚えるとスムーズです。
- 「whilst」を使うと文語的、イギリス英語的な雰囲気が出る、と覚えておくと便利でしょう。
以上が、接続詞「whilst」の詳しい解説です。文脈やフォーマルさの度合いで「while」との使い分けを意識するとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
《主に英・かたい書》~の間に
意味(2)
=while