元となった辞書の項目
mortgage
解説
名詞 “mortgage” の徹底解説
1. 基本情報と概要
英語: mortgage
品詞: 名詞 (主に「住宅ローン」や「抵当権・抵当貸付」を指す)
日本語の意味: 「住宅ローン」「抵当権」など。不動産を担保として銀行や金融機関からお金を借りる際に使われる言葉です。「mortgage」を組むと、不動産を担保に融資を受ける、というニュアンスになります。主に不動産を購入する・改築するなどの大きな資金が必要な場面で登場します。
- 名詞の形: mortgage (単数形)、mortgages (複数形)
- 他の品詞: もともと “mortgage” は名詞が中心ですが、動詞としても “to mortgage” (「抵当に入れる」、「抵当を設定する」)の形で使われることがあります。「He mortgaged his house to start a business.(事業を始めるために彼は自宅を抵当に入れた)」のように用いられます。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
日常生活でもよく出てくる金融関連用語です。ただし、住宅ローンなどの具体的状況で使われる専門性も帯びているため、B2(中上級)以上のレベルを目安と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語源構成:
※語源は後述しますが、現代英語としては「mort(死)」と「gage(担保)」という古フランス語由来の要素から成り立ったと言われます。関連語・派生語:
- to mortgage (動詞): 不動産などを抵当に入れる
- mortgagee (名詞): 抵当権者(貸し手側)
- mortgagor (名詞): 抵当権設定者(借り手側)
- to mortgage (動詞): 不動産などを抵当に入れる
よく使われるコロケーション(共起表現)10選:
- take out a mortgage – (住宅ローンを組む)
- pay off a mortgage – (住宅ローンを完済する)
- mortgage payment – (住宅ローンの支払い)
- mortgage interest – (住宅ローンの利子)
- fixed-rate mortgage – (固定金利型住宅ローン)
- variable-rate mortgage – (変動金利型住宅ローン)
- mortgage lender – (住宅ローンの貸し手)
- mortgage application – (住宅ローンの申し込み)
- underwriter of a mortgage – (住宅ローンの審査担当者)
- default on a mortgage – (住宅ローンの返済を滞納する)
- take out a mortgage – (住宅ローンを組む)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古フランス語の “mort gage” に由来すると言われ、「mort」は“死”、「gage」は“担保”を意味しました。「支払いを怠ると、担保が“死”の状態(失う)になる」というニュアンスとされています。
- ニュアンス・使用時の注意:
- 住宅購入など大きな支出が伴う文脈で使われるため、「大きな責任」「長期にわたる返済」という重いトーンがあります。
- フォーマルな文脈でもカジュアルな会話でも使われますが、やや専門的な金融用語でもあるため、金融・経済の話題の中で主に登場します。
- 住宅購入など大きな支出が伴う文脈で使われるため、「大きな責任」「長期にわたる返済」という重いトーンがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: “mortgage” は可算名詞として扱われ、「a mortgage」「two mortgages」のように数えることができます。
- 構文例:
- “have a mortgage on ~”: ~に(対する)抵当を設定している/ローンを組んでいる
- 例: I have a mortgage on my house.
- “take out a mortgage”: 新たにローンを組む
- 例: They took out a mortgage to buy their first home.
- “have a mortgage on ~”: ~に(対する)抵当を設定している/ローンを組んでいる
- フォーマル/カジュアル:
- 金融書類や契約などフォーマルな文脈で多用されますが、日常会話でも「住宅ローン」という意味で普通に使われます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話の例文
- “I finally paid off my mortgage last month, and I feel so relieved.”
(先月やっと住宅ローンを完済して、ほっとしてるんだ。) - “They’re thinking about taking out a mortgage to buy their dream house.”
(彼らは夢のマイホームを買うために住宅ローンを組もうと思っているよ。) - “A mortgage can be a big commitment, so think carefully before signing.”
(住宅ローンは大きな責任が伴うから、サインする前にじっくり考えてね。)
(2) ビジネスシーンの例文
- “Please ensure all mortgage documents are signed and submitted by Friday.”
(金曜日までにすべての住宅ローン関連書類に署名して提出してください。) - “We offer competitive mortgage rates for first-time home buyers.”
(当社では初めて住宅を購入する方に向けた競争力のある住宅ローン金利を提供しています。) - “Her mortgage broker managed to find a lower interest rate for her new loan.”
(彼女の住宅ローンブローカーが、新しいローンにより低い金利を見つけてくれた。)
(3) 学術的/金融業界の文脈
- “Mortgage-backed securities played a significant role in the financial crisis of 2008.”
(モーゲージ担保証券は2008年の金融危機に大きな役割を果たした。) - “The study examines the relationship between mortgage interest rates and housing market trends.”
(その研究は住宅ローン金利と住宅市場の動向との関連性を調査している。) - “Economists argue that mortgage lending policies greatly influence consumer spending.”
(経済学者たちは、住宅ローン融資の方針が消費者の支出に大きく影響すると主張している。)
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語 (Synonyms)
- “home loan” – (住宅ローン)
- よりカジュアルなニュアンスがあり、一般的な会話で使われやすい。
- よりカジュアルなニュアンスがあり、一般的な会話で使われやすい。
- “property loan” – (不動産ローン)
- 不動産に特化したローン全般に言及する語。
- 不動産に特化したローン全般に言及する語。
- “home loan” – (住宅ローン)
- 反意語 (Antonyms)
- 「ローンなし」や「担保なし」の状態を示す言葉としては、特定の一語での反意語はありませんが、“debt-free”(無借金状態)や “unencumbered property”(抵当が設定されていない不動産)などが反対の状況的表現に当たります。
ニュアンスの違い:
- “mortgage” は主に不動産担保にかかわる資金調達を強く示唆します。
- “loan” はより一般的に「貸し付け」や「ローン」を指すため、車や学費などさまざまな用途に使用されます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈmɔːr.ɡɪdʒ/
- アメリカ英語: [mɔɹgɪdʒ] (最初の “t” は発音しないような感じ)
- イギリス英語: [mɔːgɪdʒ]
- アメリカ英語: [mɔɹgɪdʒ] (最初の “t” は発音しないような感じ)
- アクセント: 最初の “mor-” の部分に強勢がきます。
- よくある間違い: “t” を発音してしまうことが多いですが、実際には “g” の前で“t”の音はほぼ聞こえません。“mort-gage” ではなく、“mor-gage” のイメージで。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “mortage” と “t” を抜かして書いてしまうミスが頻出。正しくは “mort-gage”。
- 同音異義語との混同: 直接の同音異義語はありませんが、発音から “mortician” などと混同しないよう注意。
- 試験対策: TOEICや英検などのテストで、金融関連のリスニングorビジネス英語の読解問題に頻出することがあります。とくにビジネスシーンや書類関連の文脈で出題されやすいため、形・発音ともに覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源からイメージする: “mort” (死) + “gage” (担保) → 「もし支払いを怠れば担保が死んでしまう(失う)」というイメージを持つと忘れにくい。
- スペル暗記テクニック: “mort + gage = mortgage” と分解して覚える。
- 関連ストーリー: 家を購入するときの大きな金銭的プレッシャーと長期的な返済期間という「重み」を想起しておくと、単語のもつ真剣味をイメージしやすいです。
以上が名詞 “mortgage” の詳しい解説です。住宅ローンや不動産担保に関連した文脈で頻繁に登場する重要な金融用語ですので、発音やスペル、使い方のポイントをしっかり押さえましょう。
意味のイメージ
意味(1)
抵当,担保;抵当権
意味(2)
抵当証書