abuse
1. 基本情報と概要
単語: abuse
品詞: 名詞 (動詞としても使われます ― to abuse
)
日本語の意味: 乱用、虐待、悪用、侮辱など
英語の意味: Misuse or wrong/harsh treatment of something or someone, including physical, emotional, or verbal mistreatment.
「abuse」という名詞は、人や物を適切ではない方法で扱うこと、または言葉による侮辱やののしりを意味します。例えば、子どもや動物に対する虐待や、薬やアルコールの乱用などの状況を指します。日常的に使われる際は、主に深刻なイメージで、人や物が傷つけられたり正しい使い方をされていない時に用いられます。
- 活用形 (名詞形): abuse (単数・不可算名詞扱いすることも多い)
- 動詞形: to abuse (三人称単数現在形: abuses, 過去形/過去分詞: abused, 現在分詞: abusing)
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
「abuse」は一般的な英語学習においてはやや専門的(虐待、乱用など)なトピックを扱うため、中上級(B2)レベル程度の単語といえます。
2. 語構成と詳細な意味
「abuse」は、もともとラテン語の “abūsus” (誤用、悪用) に由来するとされますが、特に接頭語や接尾語に着目して語源を分析すると以下のように考えられています:
- 接頭語: 「ab-」(離れて、反して、というニュアンス)
- 語幹: 「use」(使う)
「ab-」が「誤った方向に、正道から外れて」というイメージを与え、「本来の使い方から外れた、適切でない使い方」という意味につながっています。
他の単語との関連
- abusive (形容詞): 虐待的な、口汚い、侮辱的な
- misuse (名詞/動詞): 誤用、乱用 → 「abuse」との類似表現
- abuser (名詞): 虐待を行う人、乱用する人
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- child abuse(児童虐待)
- drug abuse(薬物乱用)
- alcohol abuse(アルコール乱用)
- substance abuse(物質乱用)
- verbal abuse(言葉による虐待・暴言)
- abuse of power(権力の乱用)
- report abuse(虐待・乱用を報告する)
- victim of abuse(虐待の被害者)
- online abuse(オンライン上の嫌がらせ)
- abuse allegations(虐待の容疑・疑惑)
3. 語源とニュアンス
語源: ラテン語「abūsus (悪用、誤用)」 → フランス語「abus」 → 中英語時代に「abuse」として定着。
歴史的には、「本来の使い方から逸脱した」「相手をひどい扱いをする」という意味で一貫して使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 深刻さ: 「abuse」は物理的・精神的なダメージを強く示唆し、非常にネガティブで深刻な状況に用いられます。
- 口語/文章: どちらでも用いられますが、ニュースや公的機関のレポートなど、よりフォーマルな文脈でも頻繁に登場します。
- 感情的な響き: 「abuse」は被害者に大きな不利益や苦痛があるという印象を与えるため、社会問題や道徳的関心ごととして取り上げられやすいです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (不可算名詞として扱う場合が多い): 「abuse is a serious problem」のように使う。
- 可算名詞としての用法: 「many abuses of the system were discovered」のように、「乱用の事例」という意味で複数形 abuses が用いられることもあります。
- 動詞 (他動詞): 「He abused his authority.」(彼は権力を乱用した) のように、目的語を取ります。
イディオムや構文の例
- to suffer abuse: 虐待を被る
- to be subjected to abuse: (身体的、精神的な) 虐待を受ける
- to hurl abuse at someone: 誰かに罵声を浴びせる
5. 実例と例文
① 日常会話での例文
- “I can’t believe he would shout such abuse at his own brother.”
(彼が実の兄弟にそんな暴言を吐くなんて信じられない。) - “I’m worried about my friend; she might be facing emotional abuse at home.”
(友人が心配です。家で精神的な虐待を受けているかもしれません。) - “Report any online abuse you experience to the website administrator.”
(オンラインで嫌がらせを受けたら、ウェブサイトの管理者に報告してください。)
② ビジネスでの例文
- “We must address the abuse of company resources immediately.”
(会社のリソースの乱用について、直ちに対処しなければなりません。) - “Financial abuse of the accounts led to severe legal consequences.”
(会計の不正利用が重大な法的処分を招いた。) - “The HR department is creating guidelines to prevent harassment and abuse in the workplace.”
(人事部は、職場でのハラスメントや虐待を防ぐためのガイドラインを作成しています。)
③ 学術的・公的文脈での例文
- “Statistical data indicates a rise in child abuse cases during the last decade.”
(統計データは、この10年で児童虐待の件数が増加していることを示しています。) - “Research suggests that substance abuse can be influenced by environmental factors.”
(研究によると、物質乱用は環境要因の影響を受ける可能性があると示唆されています。) - “A comprehensive study was conducted to examine the long-term effects of verbal abuse.”
(言葉による虐待の長期的な影響を調査するため、大規模な研究が行われました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- misuse (誤用、乱用)
- 「abuse」と似ていますが、「misuse」は「誤用・不適切に使う」というニュアンスにフォーカス。必ずしも傷害や損害を意図していない場合にも使います。
- 「abuse」と似ていますが、「misuse」は「誤用・不適切に使う」というニュアンスにフォーカス。必ずしも傷害や損害を意図していない場合にも使います。
- ill-treatment (虐待)
- 人や動物への扱いが悪いことを指す点で「abuse」と近い。より人道的な視点から強調する場合に使われる傾向があります。
- 人や動物への扱いが悪いことを指す点で「abuse」と近い。より人道的な視点から強調する場合に使われる傾向があります。
- harm (害を与えること)
- より一般的に「害」を表す語。必ずしも乱用や虐待ではなく、「健康・利益への損害」を指すときに幅広く使われます。
反意語
- proper use (正しい使用)
- care (配慮、愛護)
「abuse」が「誤った使い方やひどい扱い」を表すので、反意表現は「正しい使い方」、「大切に扱うこと」などになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /əˈbjuːs/
- 最初の母音はシュワー (ə)、次の音節「bjuːs」が強勢を持ちます。
- 最初の母音はシュワー (ə)、次の音節「bjuːs」が強勢を持ちます。
- アメリカ英語・イギリス英語: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では「ビュース」、イギリス英語でも同様に発音されます。
- よくある間違い:
- 強勢の位置を間違えて /ˈæb.juːs/ と発音してしまうケース。実際は /əˈbjuːs/ が正しいので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “abuse”を“abuze”などと書き間違えないように注意。
- 動詞形と名詞形の混同: to abuse (動詞) と abuse (名詞) の品詞を区別。
- 同音異義語との混同: 特に明確な同音異義語はありませんが、”use”との関連で誤解しないようにしましょう。
- 試験での出題傾向: TOEICや英検で、ビジネス文脈での “abuse of power” や医療・社会問題としての “drug abuse” などが出題されやすいです。文章読解やスピーキングで関連語をしっかり押さえておくと有利になります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ab-」が「離れて(誤った方向へ)」+ 「use」が「使用する」 → 「間違った使い方、ひどい扱い」
- 視覚的イメージ: “abuse” と“誤った使い方”を結びつけると、何かを無理やり曲げたり、殴ったりしているイメージがあると覚えやすいです。
- 勉強テクニック: 「乱用」「虐待」という言葉それぞれについて英語でどう言うかをセットで覚える (drug abuse ↔ 薬物乱用、child abuse ↔ 児童虐待 など)。コロケーションをまとめて覚えると実践で使いやすくなります。
以上が、名詞「abuse」の詳細な解説です。正しい使い方や関連表現を理解して、安全且つ適切にコミュニケーションする助けにしてください。
〈C〉《しばしば複数形で》悪習,悪弊
〈U〉悪口,悪態,ののしり
〈U〉〈C〉(自分の,あるいは人の権利などの)乱用,悪用《+of+名》