元となった辞書の項目
coast
解説
以下では、英単語 “coast” について、9つの観点から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: coast
品詞: 名詞 (可算名詞)
意味 (英語・日本語)
- 英語: “coast” = the land next to or near the sea; the shore or edge of a landmass which is adjacent to the sea.
- 日本語: 「海岸」「沿岸地域」
こうした「海岸線に沿った土地領域」を指す言葉です。海辺や海岸沿いの風景、およびそこに住む人々や地域のことを指し示すのに使うことが多いです。
品詞変化と活用形
- 可算名詞: coast → coast*s* (複数形)
- この単語は、同形の動詞「coast(動)」として「(動力を使わずに)惰力で進む」「楽に進む」「惰行する」という意味も持ちます。 例: “We coasted downhill on our bikes.”
CEFRレベルの目安 (B1: 中級)
- B1: 中級レベル → 日常的によく使われる単語であり、旅行や地理の話題などで比較的頻繁に登場します。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- coast は、特に現代英語で明確な接頭語・接尾語を含む形ではありません。語幹は “coast” のみです。
派生語や関連語
- coastal (形容詞) : 「沿岸の」「海岸に近い」
- coastline (名詞) : 「海岸線」
- coasting (動名詞/形容詞的用法) : 「惰力で進むこと/進んでいる」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- west coast(西海岸)
- east coast(東海岸)
- north coast(北海岸)
- rugged coast(険しい海岸)
- rocky coast(岩だらけの海岸)
- coastal area(沿岸地域)
- along the coast(海岸沿いに)
- coast guard(沿岸警備隊)
- sandy coast(砂浜の海岸)
- mountainous coast(山がちな海岸)
3. 語源とニュアンス
語源
- “coast” は、中世フランス語 “coste” (現代フランス語の “côte”) やラテン語の “costa” (「肋骨」「側面」) に由来するといわれています。地形の「外側の縁」を指す概念として使われてきました。
ニュアンスや使用上の注意
- ニュアンス: 海岸に焦点を当てる言葉で、自然の地形を強調する場合によく使われます。“shore” は水際の砂浜や水と直に接する部分を指すイメージが強いのに対し、“coast” はより広い「沿岸区域」全体を含みます。
- 使用シーン: 日常会話でも地理や旅行に関する話題で多用されます。フォーマル・カジュアル問わず使える便利な単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「1つの海岸」は “a coast”、「いくつかの海岸」は “several coasts” 等と表現できます。
- coast という動詞: “to coast” は主に自転車や車が惰力で進む様子や、「特に努力せずに(成功などを)手に入れる」ことに対して使われます。
- 例: “He coasted through the exam.” (特になにもせずに楽に合格した)
一般的な構文
- “the coast of + 国/地域” → “the coast of Japan” (日本の海岸) のように所有関係を表す。
- “on the coast” → “He lives on the coast.” (彼は海岸沿いに住んでいる)
5. 実例と例文
ここでは、それぞれの文脈で3つずつ例文を紹介します。
日常会話
- “I love walking along the coast in the morning.”
(朝に海岸沿いを散歩するのが大好きなんだ。) - “We spent the weekend at the coast, enjoying the sea breeze.”
(週末は海岸で過ごして、海風を楽しんだよ。) - “The coast is only a ten-minute drive from my house.”
(家から車で10分行けば海岸なんだよ。)
ビジネス
- “Our new resort project is located on the southern coast.”
(私たちの新しいリゾート開発計画は南海岸に位置しています。) - “Shipping costs are reduced if we use the port on the east coast.”
(東海岸の港を使えば輸送費が削減できます。) - “We need to study the environmental impact of building on the coast.”
(海岸沿いに建設する際の環境への影響を調査する必要があります。)
学術的・専門的
- “The erosion rate of the local coast has accelerated over the last decade.”
(この地域の海岸の浸食率は、過去10年間で加速している。) - “Examining sediment layers along the coast can reveal changes in sea levels.”
(海岸沿いの堆積物層を調べることで、海面の変動がわかる。) - “Marine biodiversity is often concentrated along shallow coasts.”
(海洋生物多様性は浅い海岸沿いに集中していることが多い。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- shore (岸)
- 海岸や湖畔など、水辺のすぐ近くの陸地を強調する言い方。
- 海岸や湖畔など、水辺のすぐ近くの陸地を強調する言い方。
- seaside (海辺)
- 海水浴やレジャーのイメージを伴うことが多く、ややカジュアル。
- 海水浴やレジャーのイメージを伴うことが多く、ややカジュアル。
- waterfront (ウォーターフロント)
- 海や川に面した地域を指し、都市開発等の文脈で使われることが多い。
反意語 (Antonyms)
- inland (内陸)
- 海から離れた陸地を指し、「coast」と反対のイメージ。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /koʊst/ (アメリカ英語), /kəʊst/ (イギリス英語)
- アクセント (強勢): 語全体に強勢を置きます (1音節なので特に比べる位置はありません)。
- アメリカ英語 / イギリス英語の違い: アメリカ英語では “oʊ” に近い発音、イギリス英語では “əʊ” に近い発音になります。
- よくある間違い: 単語の最後を /kost/ のように硬く “t” の音を強調しすぎたり、 /ko-su-to/ のように余計な母音を入れないよう注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “coast” の “a” を “o” と書き間違えて “cost” にしがち。 “cost” (費用) とはスペルも意味も異なるので注意。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特にありませんが、“coast” と “coasts” (複数形) の発音で /s/ と /sts/ の違いに注意。
- 試験対策: TOEICや英検のリスニングなどで、“coast,” “cost,” “coasts” が聞き取りづらい場合があるため、音の違いをしっかり把握しておくとよいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「コースト=海岸」のイメージを、海に沿ってバイクなどで“惰力(coast) で進む”とリンクさせると覚えやすいかもしれません。
- スペルに含まれる “a” は「海」→“sea” と似た母音であると連想して、「海岸の a」と結びつけるのもおすすめです。
以上が、名詞 “coast” の詳細な解説です。海沿いの地理を示す重要な単語なので、スペルや用法をしっかり覚えて、いろいろな場面で使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
海岸,沿岸;海岸地域
意味(2)
《the C-》《話》(米国の)太平洋岸[地方],西海岸(West Coast)
意味(3)
(そりなどで滑る)斜面;斜面滑降