still

以下では、副詞「still」を中心に、できるだけ詳しく説明していきます。マークダウン形式でまとめていますので、学習の参考にしてください。

1. 基本情報と概要

英単語: still

品詞: 副詞 (ほかに形容詞、名詞などの用法もあり)

意味（英語・日本語）

• 【英語】 “still” は「(状況、状態などが) 変わらず続いている」「それでもなお」「さらに」「今でも」というような意味合いを持ちます。
  


• 【日本語】 主に「まだ」「いまだに」「それでもやはり」という意味です。

「変わらない状態が続いている」「いまも継続している」というニュアンスで使われます。「まだ宿題が終わっていない」「それでも反対意見は変わらない」といった場面で役立つ単語です。

CEFRレベルの目安: A2 (初級)

日常のコミュニケーションでよく使われ、比較的覚えやすい単語ですが、微妙なニュアンスを使いこなすのは少し練習が必要です。

活用形

副詞なので直接的な活用はありませんが、ほかの品詞として使われるときの形は以下の通りです:

• 形容詞: still (「静かな」「動きのない」意味)


• 名詞: still (「静止画」「静けさ」などの意味)


• 動詞: still (まれに「静める」「落ち着かせる」という意味で使われる)

2. 語構成と詳細な意味

• 語幹 (root): “still”
  


• 接頭語・接尾語は特にありません。

よく使われるコロケーション（共起表現）10選

1. still waiting — まだ待っている
   


2. still going on — まだ続いている
   


3. still alive — まだ生きている
   


4. still not sure — まだ確信がない
   


5. still the same — 相変わらず同じ
   


6. still here — まだここにいる
   


7. still raining — まだ雨が降り続いている
   


8. still relevant — まだ(今でも)重要性がある
   


9. still under consideration — まだ検討中である
   


10. still disappointed — まだがっかりしている
    

これらはいずれも「状態が変わっていない」ことを強調するときに使われる表現です。

3. 語源とニュアンス

語源: 古英語の “still” (静かな状態を表す “stille” などが語源) とされ、当初は「動きがない」「穏やかな」といった静止や静寂を表す意味でした。そこから転じて「動きや変化が起きていない＝まだ続いている」といった意味が生まれています。

使用時のニュアンスや注意点

• 「まだ（継続）」という意味合いでよく使われるため、何かが続いていることを強調します。
  


• 「それでも」という対比を強調する文脈でも用いられ、相手の予想を裏切るような文脈で「それでもやはり」と言いたいときにも役立ちます。
  


• 口語でも文章でもよく使われる、非常に一般的な単語です。カジュアルにもフォーマルにも使いやすいのが特長です。

4. 文法的な特徴と構文

1. “still” + 動詞の形
   
   例: I still have questions. (私はまだ質問があります)
   
   動詞の前に置いて、「まだ〜だ」という意味を示します。




2. 助動詞と組み合わせる場合
   
   例: I can still go. (私はまだ行くことができる)
   
   助動詞 (can, must, might, should など) の後ろにおかれることも多いです。




3. 文頭で “Still,” を使う
   
   例: Still, I don’t think it’s a good idea. (それでも、私はそれがいい考えだとは思いません)
   
   「しかしながら(それでも)」のように、話の強調や反対意見を示す文頭副詞としても使われます。

文法上のポイント

• 「still」という副詞は「状況が変わっていない」ことを表すため、肯定文や疑問文で頻繁に登場します。
  


• 否定文では “still not” の形がよく使われ、「まだ〜ない」という継続した否定の意味を強調します。

5. 実例と例文

(1) 日常会話での例文

1. I’m still hungry. Could I have some more rice?
   
   (まだお腹がすいているんだけど、もう少しご飯をもらえますか？)




2. Are you still watching TV? It’s already midnight!
   
   (まだテレビ見てるの？ もう真夜中だよ！)




3. I still haven’t decided what to wear for the party.
   
   (パーティーに何を着ていくか、まだ決めていないの。)

(2) ビジネスでの例文

1. We are still waiting for the client’s response.
   
   (私たちはまだクライアントの返答を待っているところです。)




2. The project is still on schedule, so there is no need to hurry.
   
   (プロジェクトはまだスケジュール通りなので、急ぐ必要はありません。)




3. I still believe this strategy will work despite the recent setbacks.
   
   (最近の後退があってもなお、この戦略はうまくいくと私は信じています。)

(3) 学術的文脈での例文

1. The data still indicate a significant correlation between the two variables.
   
   (データはまだその2つの変数間に有意な相関があることを示しています。)




2. The research is still ongoing, and we expect further results soon.
   
   (研究はまだ進行中で、近いうちに追加の結果が得られるでしょう。)




3. Although many theories have been proposed, there are still unanswered questions.
   
   (多くの理論が提案されているが、まだ解決されていない疑問がある。)

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. yet (まだ)

   
   
   • 「(否定文で) まだ〜ない」や「(疑問文で) もう〜した？」という文脈によく使われます。“still” は肯定文でも頻繁に使えますが、 “yet” は否定文や疑問文で目にすることが多いです。
   
   



2. even (さらに)

   
   
   • 強調するときに使われることがありますが、「状況が変わっていない」という意味合いではありません。「いっそう」「さらに」というニュアンスが強いです。
   
   



3. nevertheless / nonetheless (それにもかかわらず)

   
   
   • フォーマルな文脈で使われる「それでもやはり」の意味ですが、“still” よりも硬めの印象を与えます。
   
   

反意語

• no longer (もはや〜ない)
  
  “still” と真逆で、「もう〜ではない」「既に〜ではない」という意味になります。

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /stɪl/
  


• アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはありません。どちらも /stɪl/ と発音します。
  


• 強勢 (アクセント) は特にありませんが、単音節なのでそのまま “still” と短く発音します。
  


• よくある間違いとしては、 /i/ の音が長くなりすぎたり、「スティル」ではなく「スチル」のように聞こえてしまう発音ミスに注意してください。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス: “still” を “stil” や “sill” と書いてしまうミス。
   


2. “yet” との使い分け: 肯定文で「まだ」を言いたいときに “yet” を混同しないよう注意。
   


3. “already” との混同: 「もう〜した」というニュアンスの “already” と対比させて区別すると理解が深まります。
   


4. TOEIC や英検などの試験でも、否定文や疑問文と組み合わせての用法などが頻出です。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 静止した水 (still water) のイメージから、動いていない＝変化していない＝「まだ継続中」という連想で覚えるとわかりやすいです。
  


• 例文を「まだ〜」「いまだに〜」と日本語で置き換えながら音読すると体感的に身につきます。
  


• “still” は日常会話で頻繁に耳にするので、ドラマや映画などでよく出てきたら注意して聞き取り、使い方を真似してみると記憶しやすいです。

上記のポイントを押さえて “still” を使いこなせるようになると、英語の微妙な継続ニュアンスや対比を表現できるようになります。ぜひ日常会話からフォーマルな場面まで、さまざまな文脈で使ってみてください。