元となった辞書の項目
saw
動詞
…をのこぎりで切る / 《…に》〈ある形・模様など〉をのこぎりでひいて作る《in ...》 / 《…に》のこぎりを使う《at ...》 / のこぎりをひくように動かす / 《副詞を伴って》〈木などが〉のこぎりでひける(切れる)
解説
1. 基本情報と概要
単語: saw
品詞: 動詞 (他動詞)
CEFRレベルの目安: B1 (中級)
- 一般的な道具(のこぎり)を使って「切る」という動作なので、日常的な文脈ではあまり頻繁には出ないかもしれませんが、基本的な単語なので中級程度に位置づけられます。
意味(英語・日本語)
- 英語:to cut something using a saw (a tool with a toothed blade)
- 日本語:のこぎりで何かを切る
「板をのこぎりで切る」など、物理的にのこぎりという道具を使って切断する動作を表す動詞です。
また、同じつづりの“saw”は動詞“see”の過去形として「見た」という意味でも使われますが、こちらは“to cut”の意味の動詞としての解説です。
活用形
| 現在形 | 三人称単数形 | 過去形 | 過去分詞形 | 現在分詞形 |
|---|---|---|---|---|
| saw | saws | sawed | sawed / sawn(※) | sawing |
(※)過去分詞には “sawed” と “sawn” の両方が使われますが、アメリカ英語では “sawed” が一般的です。
他の品詞になった例
- 名詞: a saw(のこぎり)
- 例文: “I bought a new saw to cut the wood.”
- 例文: “I bought a new saw to cut the wood.”
- 動詞(今回の主役): “to saw something”
- 例文: “He is sawing the board into two pieces.”
- 例文: “He is sawing the board into two pieces.”
- “saw” は “see” の過去形としても使われますが、ここでは別働詞として考えるのが安心です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- この動詞 “saw” は、古期英語やゲルマン祖語からの継承形で、接頭語や接尾語を伴わない単独の語幹として存在しています。
派生語・類縁語
- sawmill(のこぎり工場)
- sawyer(木を切る人、製材工としてのこぎりを扱う人)
- jigsaw(ジグソーのこぎり、またはジグソーパズルとも関連)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- saw a board(板をのこぎりで切る)
- saw a log(丸太をのこぎりで切る)
- saw through metal(金属をのこぎりで切り抜く)
- power saw(電動のこぎり)
- hand saw(手動のこぎり)
- to saw away at something(何かをゴリゴリと切り進める)
- saw blade(のこぎり刃)
- saw in half(半分にのこぎりで切る)
- saw up firewood(たきぎをのこぎりで切りそろえる)
- use a saw safely(のこぎりを安全に使う)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語 “sagu” / “sawa” が語源といわれており、さらにゲルマン祖語までさかのぼると “*sagō-”の形が確認できます。
- 歴史的には木材加工や大工仕事の際の主要な動詞のひとつとして発達してきました。
ニュアンスと使用時の注意
- 「物をのこぎりで切る」という物理的かつ具体的な動作を直接的に表すため、フォーマルな文脈よりは中立~ややカジュアルな文脈で使われることが多いです。
- 文章や会話で使用される際も、「まさに切断するときの動作」が強調されるニュアンスです。
4. 文法的な特徴と構文
- 動詞 “saw” は他動詞として扱われます。必ず「何を切るのか」を目的語として取ります。
- 例: “He sawed the wood.” (O)
- 例: “He sawed.” (×) — 目的語がないと不自然。
- 例: “He sawed the wood.” (O)
- 日常会話では “to saw (something) off” や “to saw (something) in half” のように連結して使われるフレーズが多いです。
- フォーマルな文章というよりは、実務的な会話や説明書などで見かけます。
5. 実例と例文
日常会話(3例)
- “Could you help me saw this piece of wood? I need it shorter.”
(この木片をのこぎりで切るのを手伝ってくれない?もっと短くしたいんだ。) - “I sawed the branch to make some firewood for the campfire.”
(キャンプファイア用に小枝をのこぎりで切ったんだ。) - “Watch out while sawing, you might get sawdust in your eyes.”
(のこぎりを使うときは目におがくずが入るかもしれないから気をつけてね。)
ビジネス(3例)
- “The carpentry team is sawing the lumber to build the framework today.”
(大工のチームは今日、骨組みを作るために材木をのこぎりで切っているところです。) - “Please saw all the panels to the exact dimensions specified in the blueprint.”
(図面に示された寸法通りに全てのパネルを切ってください。) - “We need to use a circular saw rather than a hand saw to increase efficiency.”
(作業効率を高めるためには、手動のこぎりよりも丸のこを使う必要があります。)
学術的・専門的(3例)
- “When sawing through an alloy, ensure the blade is designed for metal cutting.”
(合金を切る際は、金属用のブレードが使われていることを確認してください。) - “Researchers tested various sawing techniques to minimize material waste.”
(研究者たちは、材料のロスを最小限に抑えるためにさまざまなのこぎり技術をテストしました。) - “Proper sawing practice requires maintaining a steady angle and pressure.”
(適切なのこぎり作業には、一定の角度と力加減を保つことが必要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- cut(切る)
- より一般的な「切る」です。ハサミ、包丁、のこぎりなど、道具を問わずに使える最も汎用的な動詞。
- より一般的な「切る」です。ハサミ、包丁、のこぎりなど、道具を問わずに使える最も汎用的な動詞。
- hack(たたき切る)
- 激しく叩き切るイメージ。やや荒々しいニュアンス。
- 激しく叩き切るイメージ。やや荒々しいニュアンス。
- slice(薄く切る)
- 食材などをスライスするような切り方。薄く切り分ける印象。
- 食材などをスライスするような切り方。薄く切り分ける印象。
反意語
- 明確な1語での反意はありませんが、あえて動作の方向性が対極となるものとしては「(物を)接合する」「貼り合わせる」などが挙げられます(英語なら “join” や “bond” など)。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /sɔː/ (イギリス英語)、/sɑː/(アメリカ英語)
- アクセントは一音節語なので、全体が強調されます。
- イギリス英語では「ソー」に近く、アメリカ英語では「サー」に近い発音になる傾向があります。
- スペルの “aw” は「オー」「アー」のように聞こえるため、日本人学習者は “so” や “sow” と混同しないよう注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “see” の過去形との混同
- “see” の過去形も “saw” のつづりですが、発音・意味が全く異なります。文脈で判断しましょう。
- “see” の過去形も “saw” のつづりですが、発音・意味が全く異なります。文脈で判断しましょう。
- つづりの間違い
- “saw” を “sow(種をまく)” と間違うことがあるので要注意。
- “saw” を “sow(種をまく)” と間違うことがあるので要注意。
- 過去分詞形の混乱
- “saw” (動詞) の過去形は “sawed” が基本ですが、過去分詞が “sawed” と “sawn” 両方あるという点で戸惑うことがあります。アメリカ英語では “sawed” が多用されます。
- “saw” (動詞) の過去形は “sawed” が基本ですが、過去分詞が “sawed” と “sawn” 両方あるという点で戸惑うことがあります。アメリカ英語では “sawed” が多用されます。
- 資格試験での出題
- TOEIC や英検ではそれほど頻出ではありませんが、文脈問題で “saw” が過去形としてなのか、それとも「のこぎりで切る」の意味なのかを問われる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ソー」や「サー」という発音から「のこぎりでゴリゴリ切るイメージ」と結びつけておくと覚えやすいです。
- “see” の過去形“saw”とは発音が違うので、しっかり声に出して練習するのがポイント。
- スペル自体は短く、視覚においては同じつづりですが、「切る」動作を想像しながら身につけると定着しやすいでしょう。
以上が動詞 “saw” (のこぎりで切る) についての詳細な解説です。
意味のイメージ
意味(1)
(…に)〈ある形・模様など〉‘を'のこぎりでひいて作る《+名+in+名》
意味(2)
(…に)のこぎりを使う《+at+名》;のこぎりをひくように動かす
意味(3)
《副詞を伴って》〈木などが〉のこぎりでひける(切れる)
意味(4)
…‘を'のこぎりでひく(切る)