元となった辞書の項目
open
解説
以下では、形容詞の “open” を、学習者の方にとってわかりやすいように、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
英語: “open” (adjective)
“not closed”:閉じていない、「中身を見たり入ったりできるようになっている」状態。
もう一つの意味として、“willing to consider new ideas or opinions”:「新しい考えや他人の意見を受け入れる態度がある」という意味もあります。日本語: 「開いている」「解放されている」、または「心が開かれていて、柔軟な考えを持っている」のような意味です。
たとえば、ドアや窓が開いた状態や、レストランがお客さんを受け入れられる状態を指すとき、「物理的に開いている」ことを表します。さらに人の態度について、「オープンな人」といえば、物事を素直に受け入れる柔軟性があります。
品詞
形容詞 (adjective) です。
- 例: He left the door open (ドアが開いた状態になっている)
活用形
形容詞は基本的に比較級・最上級が存在します。
- 原級: open
- 比較級: more open
- 最上級: most open
他の品詞形
- 動詞: “to open” (開ける、始める)
例: “I will open the window.” - 名詞(まれに名詞として使われることもありますが、通常は動詞・形容詞が中心)
例: “the open” (戸外; 広大な外の空間)
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
日常会話などで頻繁に使う単語であり、意味も複数ありますが、使いやすい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
“open” は、はっきりと分けられる接頭語・接尾語があるわけではありません。
古英語の「openian」からきており、語幹が “op-” とはっきり区切れるわけでもないため、まとめて「open」として理解します。
よく使われるコロケーション(共起表現)
- open door → (開いたドア・開放的な姿勢)
- open window → (開いた窓)
- open mind → (柔軟な考え・偏見のない態度)
- open question → (未解決の問題、結論が出ていない疑問)
- open space → (広々とした空間)
- open invitation → (誰にでも歓迎される招待、自由参加)
- open discussion → (率直で制限のない議論)
- open to suggestions → (提案を受け付ける態度がある)
- remain open → (開いたままである/可能性を残しておく)
- keep an open mind → (先入観なく考える)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “openian” に由来します。意味は「開ける、広げる」など。
- 古い時代から「物が閉じていない状態」や比喩的に「考えが柔軟であること」を表現してきました。
ニュアンス・使用時の注意
- “open” はカジュアルからフォーマルまで幅広く使えます。
- 人の性格・態度に対して使う場合は「柔軟」「寛大」「率直」といったポジティブなニュアンスが強く、相手に好意的な印象を与えます。
- 場面によっては “open-minded” のように接尾辞をつけて形容詞を強化することもあります。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- “be + open” → “The shop is open.”(店が開いている)
- “keep something open” → “Keep the door open, please.”(ドアを開けたままにしておいて)
イディオム
- “open one’s heart” → “He finally opened his heart to her.”
(心を開く: 感情や考えを素直に打ち明ける) - “open up to someone” → “She opened up to me about her worries.”
(打ち解けて話す: 自分の話を打ち明ける)
可算・不可算など
- 形容詞としては、その後ろに名詞が続くか、そのまま補語として使われるかになります。
- 名詞 “open” で使う場合は不可算として扱うことが多い(例: “the great open (spaces) of the countryside”)。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Is the window open? It’s getting quite hot in here.”
(窓開いてる?ここ、ちょっと暑くなってきた。) - “Leave the door open so the cat can come in.”
(猫が入れるようにドアを開けたままにしておいて。) - “I’m open to trying new restaurants this weekend.”
(今週末は新しいレストランを試すのに前向きだよ。)
ビジネスシーンでの例文
- “Our office remains open for business during the renovation.”
(改装中も当社のオフィスは営業しています。) - “We should keep an open dialogue with our stakeholders.”
(利害関係者との率直な対話を続けるべきです。) - “He is open to discussing new ideas for the project.”
(彼はプロジェクトの新しいアイデアを話し合うのに前向きです。)
学術的な文脈での例文
- “This remains an open question in the field of astrophysics.”
(これは天体物理学の分野でまだ未解決の問題だ。) - “The researchers are open to collaborative efforts across disciplines.”
(研究者たちは学際的な共同研究に前向きだ。) - “We should maintain an open mindset and allow for unexpected findings.”
(想定外の発見を受け入れるためにも、柔軟な心構えを持つべきです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “unlocked” (解錠されている)
- ドアや箱など物理的に鍵がかかっていない状態を強調。
- ドアや箱など物理的に鍵がかかっていない状態を強調。
- “clear” (妨げがない)
- 道や視界に障害物がない状態を示すときに使う。
- 道や視界に障害物がない状態を示すときに使う。
- “candid” (率直な)
- 心の内を正直に話す、偽りのない態度というニュアンス。
- 心の内を正直に話す、偽りのない態度というニュアンス。
- “unreserved” (率直で遠慮がない)
- 堂々としていて隠し立てをしない様子を強調。
- 堂々としていて隠し立てをしない様子を強調。
反意語
- “closed” (閉じている)
- 物理的に完全に閉じられている状態。
- 物理的に完全に閉じられている状態。
- “shut” (閉じられた、閉じている)
- “closed”とほぼ同意だが、やや口語的に用いられる。
- “closed”とほぼ同意だが、やや口語的に用いられる。
- “secretive” (秘密主義の)
- 心理的に心を開かない状態を指す。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA:
- イギリス英語 (BrE): /ˈəʊ.pən/ (「オウ」+「pən」)
- アメリカ英語 (AmE): /ˈoʊ.pən/ (「オウ」+「pən」)
- イギリス英語 (BrE): /ˈəʊ.pən/ (「オウ」+「pən」)
アクセント: 最初の “o” の部分に強勢があります。
- アメリカ英語では “o” が「オウ」となることが多い。
- イギリス英語では “o” がやや「オウ」寄りで発音される。
- アメリカ英語では “o” が「オウ」となることが多い。
よくある発音ミス:
- “open” の /p/ を弱く発音して “oben” のように聞こえる、あるいは /n/ を落として “ope” になってしまうなど。子音をはっきり発音することがポイント。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “oppen” や “opne” のように打ち間違えやすい。
- 同音・類似語: “opine” (意見を述べる) とはまったく意味が異なるので注意。
- 試験対策: TOEIC・英検などでも「開いている」「柔軟な態度がある」などの文脈で問われることがある。 “be open to 〜” は非常によく出てくる表現。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “O” を大きなドアが開いて見える輪っかのようにイメージすると覚えやすいかもしれません。
- “Open” は「O(大きく開けた口)」+「pen(ペン)」とユーモアで引っかけると覚えやすいかもしれません。「大きく開いた状態でペンをしたためる」みたいなちょっとした語呂合わせを意識すると忘れにくくなります。
- まずは“open mind” や “open door policy” など、応用範囲の広いフレーズから覚えておくと実用的ですよ。
以上が、形容詞 “open” の詳細な解説です。物理的に「開いている」だけでなく、心情面でも「受容的で柔軟な」意味を持つ多義的で便利な単語です。幅広い場面で使えるので、ぜひ積極的に活用してみてください。
意味のイメージ