元となった辞書の項目
wake
IPA(発音記号)
解説
名詞 “wake” を徹底解説
1. 基本情報と概要
品詞: 名詞 (noun)
意味:
- (船やボートなどが通過したあとの)航跡・波の跡 (英: the trail of waves left behind a boat or ship)
- 「船が通ったあとに水面にできる波や渦を指す言葉です。航跡や波跡とも呼ばれます。」
- 「船が通ったあとに水面にできる波や渦を指す言葉です。航跡や波跡とも呼ばれます。」
- (葬儀・埋葬前の)通夜や故人をしのぶ集まり (英: a vigil or gathering associated with funerals)
- 「亡くなった人をしのんで集まる場面で使われます。日本語の『通夜』に近いニュアンスの単語です。」
- 「亡くなった人をしのんで集まる場面で使われます。日本語の『通夜』に近いニュアンスの単語です。」
- (比喩的に) “終わった出来事がもたらす影響・後の状態” も “in the wake of 〜” の形で使われることがあります。
- CEFR レベル目安: B2(中上級)
- 船の航跡や通夜という少し専門的な分野での語なので、一般的な語彙よりはやや難しめと考えられます。
活用形・他品詞形
- wake (verb): 「目覚める」「起こす」などの意味。(例: wake - woke - woken)
- waking (形容詞): 「目覚めている」(例: waking life = 覚醒状態の生活)
※ 本解説は “wake” の名詞としての使い方が中心です。動詞としての “wake” は別の活用があることに注意しましょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源は古英語の “wacu” / “wæcce” (見張ること・起きていること)に由来し、もともと「眠らずに見張る・起きている」という概念から派生しています。
関連する派生語や類縁語
- awake (動詞・形容詞): 「目覚める / 目が覚めている」
- waken (動詞): 「起こす」「目覚めさせる」
- waker (名詞): あまり一般的ではありませんが「起こす人」という意味。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ (10選)
- in the wake of something (〜の結果として)
- leave a wake (航跡を残す)
- ship’s wake (船の航跡)
- plane’s wake / wake turbulence (航空機の航跡乱気流)
- funeral wake (葬儀のための通夜)
- hold a wake (通夜を行う)
- choppy wake (荒れた航跡)
- vigil wake (亡くなった方を見守るため夜通し行われる通夜)
- in someone’s wake (~の後を追うように、遅れをとって)
- wake ceremony (通夜の儀式)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語 “wacu” / “wæcce” → 「起きている状態」「見張り」を意味しました。そこから派生して「人が亡くなってから弔いのために起きていること」を指すようになり、現代では「通夜」の意味を表します。また、ボートが通った後の水面の波も、「船が通ったあとに残る“跡”」として名詞化されました。
ニュアンス:
- 船の航跡として使う場合は、中立的で説明的な単語です。
- 通夜として使う場合は、ややフォーマルな響きがあり、葬儀や宗教的儀式に関する文脈で登場します。
- “in the wake of 〜” は慣用的表現で「~の影響で」「~が終わったあとに」という意味合いを持ちます。
- 船の航跡として使う場合は、中立的で説明的な単語です。
使用時の注意点:
- “wake” の葬儀的用法は特定地域や文化に根ざした行事であり、アメリカやイギリスなどではキリスト教の流れで通夜という形式があるため一般的。
- カジュアルな場面よりも、ややフォーマルで儀式的な文脈に向いています。
- “wake” の葬儀的用法は特定地域や文化に根ざした行事であり、アメリカやイギリスなどではキリスト教の流れで通夜という形式があるため一般的。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての区別:
- 可算・不可算いずれも使われることがありますが、通夜の意味で使う場合は「a wake / the wake」のように可算扱いになることが多いです。
- 船の航跡の意味で使うときは「the wake」や「its wake」のように特定の船やボートに紐づけて使われることが多いです。
- 可算・不可算いずれも使われることがありますが、通夜の意味で使う場合は「a wake / the wake」のように可算扱いになることが多いです。
一般的な構文やイディオムなど:
- in the wake of ~ : 「~の後で/~の結果として」
- follow in the wake of ~ : 「〜の後を追うように行動する/〜にならう」
- in the wake of ~ : 「~の後で/~の結果として」
フォーマル / カジュアル:
- 船の航跡での “wake” は比較的一般的に使われます。報道文章・日常会話など両方でOKです。
- 葬儀・通夜の意味の場合は冠婚葬祭関連のフォーマルな文脈で使われやすいです。
- 船の航跡での “wake” は比較的一般的に使われます。報道文章・日常会話など両方でOKです。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文(3つ)
- “We watched the boat’s wake ripple across the lake.”
- 「ボートが通ってできた航跡が湖面に広がっていくのを見ていたんだよ。」
- 「ボートが通ってできた航跡が湖面に広がっていくのを見ていたんだよ。」
- “Have you ever been to an Irish wake? It’s quite different from ours.”
- 「アイルランドの通夜に行ったことある?私たちの文化とはだいぶ違うんだ。」
- 「アイルランドの通夜に行ったことある?私たちの文化とはだいぶ違うんだ。」
- “He left such a big wake behind his speedboat!”
- 「彼のスピードボートの後ろには大きな航跡ができていたよ!」
5.2 ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “In the wake of the recent merger, several departments will be restructured.”
- 「最近の合併の結果として、いくつかの部署が再編される予定です。」
- 「最近の合併の結果として、いくつかの部署が再編される予定です。」
- “The shipping company must consider the environmental impact of its vessels’ wake.”
- 「海運会社は船舶の航跡による環境への影響を考慮しなければなりません。」
- 「海運会社は船舶の航跡による環境への影響を考慮しなければなりません。」
- “We need to be careful in the wake of the scandal.”
- 「そのスキャンダルの後なので、慎重になる必要があります。」
5.3 学術的な/専門的な文脈での例文(3つ)
- “Wake turbulence poses a risk to following aircraft during takeoff and landing.”
- 「航跡乱気流は離着陸時に後続する航空機にとってリスクをもたらします。」
- 「航跡乱気流は離着陸時に後続する航空機にとってリスクをもたらします。」
- “Anthropologists studied the traditional rites of a wake in rural communities.”
- 「人類学者たちは地方のコミュニティで行われる通夜の伝統的儀式を研究しました。」
- 「人類学者たちは地方のコミュニティで行われる通夜の伝統的儀式を研究しました。」
- “The research focuses on how plankton is affected by a ship’s wake in coastal areas.”
- 「この研究は、沿岸地域において船の航跡によってプランクトンがどのような影響を受けるかに焦点を当てています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- trail (名詞: 跡)
- 「(人や動物、車が通ったあとの)跡」を広く指す。森林や雪道に残る足跡や轍も含む。
- “wake” は水面に限定される跡だが、“trail” は空中や地上など幅広い文脈に使える。
- 「(人や動物、車が通ったあとの)跡」を広く指す。森林や雪道に残る足跡や轍も含む。
- wash (名詞: 船や海岸の波しぶき)
- とくに水が打ち寄せたり、船からかかる波しぶきを指すことが多い。
- “wake” は船が通り過ぎたあとの継続的な航跡を指すイメージが強い。
- とくに水が打ち寄せたり、船からかかる波しぶきを指すことが多い。
- vigil (名詞: 徹夜の見張り、祈り)
- 「夜通し行う祈りの集まり」を指し、宗教的な場面で「通夜」に近い意味をもつ。
- “wake” も通夜の意味があるが、より一般的に「集まり」のニュアンスが強い。
- 「夜通し行う祈りの集まり」を指し、宗教的な場面で「通夜」に近い意味をもつ。
反意語
- 航跡や通夜の明確な反意語は存在しませんが、強いていえば “absence of effect” (影響や跡がまったくない状態)や “no gathering” (集まりがない状態)から連想的に反対の概念を示すことは可能です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /weɪk/
- 強勢(アクセント): 英語では一音節のため、特別な強勢の移動はありません。 /weɪk/全体をやや強めに発音します。
- アメリカ英語とイギリス英語: 発音上の大きな違いはありません。どちらも /weɪk/ となります。
- よくある発音の間違い:
- /wiːk/ (week) と混同しやすい。母音の長さに注意 (wake: エイの音 /weɪk/、week: イーの音 /wiːk/)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “weak” (弱い) や “week” (週) と混同しやすいため注意。
- 同音異義語との混同:
- 動詞 “wake” (起きる、起こす) と名詞 “wake” (航跡 / 通夜) を混同しないように文脈で判断が必要です。
- 動詞 “wake” (起きる、起こす) と名詞 “wake” (航跡 / 通夜) を混同しないように文脈で判断が必要です。
- 試験対策・資格試験での出題傾向:
- よく “in the wake of 〜” の熟語として問われることがあります。
- 文脈問題では船の航跡の意味になったり、通夜の意味になったりするため、選択肢の意味解釈に気をつけましょう。
- よく “in the wake of 〜” の熟語として問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “wake” と “wave” は文字が似ています。船の航跡 (“wake”) は波 (“wave”) とセットでイメージすると覚えやすいです。
- “wake” を “起きていること (awake)” と結びつければ、「夜通し起きている通夜」と覚えられます。
- “in the wake of 〜” という熟語は、「船が通ったあとに跡が残る」イメージで「~が通った後に起きること → 結果として」という連想をすると理解しやすいでしょう。
以上が名詞 “wake” の徹底解説です。船の波の跡から、故人をしのぶ場の設営、さらには「何かが起きた後」の影響まで、多彩な用法を持つ単語なので、文脈に応じて上手に使い分けてみてください。
意味(1)
物が通った跡,(特に)航跡
意味(2)
《おもにアイルランド・イギリス北部》通夜