part

以下では、名詞「part」について、できるだけ詳しく解説します。

1. 基本情報と概要

英単語: part

品詞: 名詞 (動詞などの他品詞としても使われることがあります)

CEFRレベルの目安: A2（初級）

• 「part」は「部分」、「役割」、「要素」といった意味を持ちます。日常会話からビジネスまで幅広く使われる単語で、シンプルですが多様なニュアンスで使われる点が特徴的です。「あるものの一部」「何かにおける役目・役割」を指すときに使われるほか、たとえば劇や映画の「役」も指します。

活用形

• 名詞: part / parts（複数形）


• 動詞（自動詞/他動詞）: part（例: “The crowd parted to let the ambulance through.”）


• 形容詞形: partial（部分的な）


• 副詞形: partially（部分的に）

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 語幹: part
  


• 接頭語・接尾語がつく例: partial（形容詞, “部分的な”）など。名詞「part」の語幹に -ial（形容詞化）という要素が加わったかたちです。

詳細な意味

1. 部分・一部
   
   例: “I only read part of the book.”（その本の一部しか読んでいない。）




2. 役割・任務
   
   例: “He played an important part in the negotiation.”（彼は交渉で重要な役割を果たした。）




3. 役（演劇・映画など）
   
   例: “She got the lead part in the school play.”（彼女は学校の劇で主役の役を獲得した。）




4. 楽譜上のパート
   
   例: “I’m in charge of the guitar part in our band.”（バンドではギターのパートを担当している。）




5. 地域・方面
   
   例: “In some parts of the world, this dish is very popular.”（世界の一部地域では、この料理はとても人気がある。）

よく使われるコロケーション（10個）

1. play a part (in)

   
   
   • 役割を果たす
     
   
   
   • 例: “Technology plays a part in making our lives easier.”
   
   



2. take part in

   
   
   • ～に参加する
     
   
   
   • 例: “I will take part in the conference next month.”
   
   



3. for the most part

   
   
   • 大部分は
     
   
   
   • 例: “For the most part, I agree with your idea.”
   
   



4. do one’s part

   
   
   • 自分の役割を果たす
     
   
   
   • 例: “We all have to do our part to make this project succeed.”
   
   



5. part and parcel

   
   
   • 切り離せない重要な部分
     
   
   
   • 例: “Stress is part and parcel of a busy lifestyle.”
   
   



6. in part

   
   
   • 部分的に、ある程度
     
   
   
   • 例: “The delay was in part due to bad weather.”
   
   



7. be part of

   
   
   • ～の一部である
     
   
   
   • 例: “He is part of the marketing team.”
   
   



8. part ways

   
   
   • （道や意見などを）分かれる、離れる
     
   
   
   • 例: “After the project ended, we decided to part ways.”
   
   



9. spare part

   
   
   • 予備部品
     
   
   
   • 例: “Make sure you have a spare part for the brake system.”
   
   



10. the best part of (時間や数量)

    
    
    • ～の大半
      
    
    
    • 例: “I spent the best part of a day cleaning the garage.”
    
    

3. 語源とニュアンス

• 語源: ラテン語の「pars」（部分）を起源とし、フランス語経由で古英語に取り込まれ現在の「part」になったとされています。
  


• ニュアンス・注意点: 「部分」や「役割」を示すだけでなく、「セリフや役柄」といった演技の文脈でも頻繁に使われます。また人と人との関係が「別れる」という動詞的ニュアンス（to part）をもつこともあります。
  


• 使用場面（カジュアル/フォーマル）: 日常会話、ビジネス文書、学術論文など、あらゆる文脈で使いやすい中立的な単語です。
  

4. 文法的な特徴と構文

1. 可算名詞: 通常は可算名詞として扱います。
   
   例: “several parts”, “two parts” など。




2. 慣用表現:

   
   
   • “Part of the reason…”（理由の一部は…）
     
   
   
   • “Take part in something” = 参加する
     
   
   
   • “Play a part” = 役割を果たす
   
   



3. 動詞としての使い分け

   
   
   • 自動詞: “We parted at the train station.”（駅で別れた。）
     
   
   
   • 他動詞: “She parted the curtains.”（彼女はカーテンを開いた。）
   
   



4. フォーマル/カジュアル

   
   
   • カジュアル: “I’ll do my part to help.”
     
   
   
   • フォーマル: “He played a significant part in the negotiations.”
   
   

5. 実例と例文

日常会話 (カジュアル)

1. “Could you give me that part of the pizza?”
   
   （ピザのその部分を取ってくれる？）
   


2. “I feel like I’m not doing my part around the house.”
   
   （家の中で自分の役割を果たせていない気がする。）
   


3. “This is the best part of the day—finally relaxing!”
   
   （1日の中でここが一番いい部分だよ。やっとリラックスできる！）

ビジネス (ややフォーマル)

1. “Each member of the team has a specific part to play.”
   
   （チームの各メンバーには特定の役割がある。）
   


2. “For the most part, the project has progressed smoothly.”
   
   （大方、プロジェクトは順調に進んでいます。）
   


3. “We can’t succeed unless everyone does their part.”
   
   （全員が自分の役割を果たさないと成功できません。）

学術的・専門的 (フォーマル)

1. “This paper examines the part certain enzymes play in protein synthesis.”
   
   （本論文は、特定の酵素がタンパク質合成で果たす役割を考察している。）
   


2. “A significant part of the dataset was excluded for quality reasons.”
   
   （品質上の理由から、データセットの大部分が除外された。）
   


3. “His contribution forms a crucial part of this theory.”
   
   （彼の貢献は、この理論において重要な一部を形成している。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. portion (部分 / 一部分)
   
   
   
   • “portion”は主に「全体の中の分量」というニュアンスが強い。具体的な量を指すときに用いられることが多い。
     
   
   


2. segment (区分 / 区切られた部分)
   
   
   
   • “segment”は区切られた部分を指すことが多く、科学的・数学的文脈でも登場。
     
   
   


3. section (区画 / 節)
   
   
   
   • “section”は書類や書籍の「セクション」など、割り当てや区切りを強調するときに使われる。
     
   
   

反意語 (Antonyms)

• whole (全体)
  
  
  
  • “part”が「部分」、反意語として「全体」を意味する“whole”が挙げられる。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /pɑːrt/ (米), /pɑːt/ (英)
  


• アクセント: 1音節語のため、特に強勢の移動はありません。「パート」のように母音を長めに発音します（米音は「パー(r)ト」、英音は「パート」に近いイメージ）。
  


• よくある間違い: “par”や“part”の“r”が弱くなりすぎたり、スペルを“partt”などと間違える規模は少ないですが、語尾の “t” が曖昧になってしまうと通じにくい場合もあります。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: “part”はシンプルな綴りなので、大きく間違えにくいですが “apart” (副詞: 離れて) と混同しないように注意。
  


• 同音異義語: 近い音の単語として “heart” のように母音＋r＋t という形があり、ヒアリングで混乱する学習者もいるかもしれません。
  


• 資格試験: TOEICや英検でも頻出する基本語彙。「take part in ～」などの熟語表現が問われやすい。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「part」は「分割線が入り、何かまとまりあるものの一部に注目する」イメージを持つと覚えやすいです。
  


• 「take part in ～」= 「(メンバーとして)自分のパートを担う」→「参加する」と連想。
  


• 単語カードに “part = 部分、役割” + 例文1つを必ずセットで書き込み、音読して覚えると記憶に残りやすくなります。

以上が名詞「part」の詳細な解説です。様々なフレーズや文脈で出てくる重要な単語なので、コロケーションやイディオムとあわせて学習すると理解がさらに深まります。