replicate
以下では、動詞 “replicate” をできるかぎり詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: replicate
品詞: 動詞 (他動詞 / 自動詞)
活用形:
- 現在形: replicate
- 三人称単数現在形: replicates
- 現在分詞/動名詞: replicating
- 過去形・過去分詞形: replicated
意味(英語):
- to make an exact copy of something
- to repeat or reproduce something, especially in the same way
意味(日本語):
- 「(何かを)正確に複製する・再現する」という意味です。
- 「同じ方法で(結果・プロセスなどを)再現する」、「(ウイルス・細胞などが)自身を増殖する」というニュアンスでも使われます。
「replicate」は特に科学や研究の文脈で、実験や結果を「再現する」というニュアンスでよく使われる動詞です。「コピーする」「複製する」と似ていますが、専門的・正式な響きがあり、結果などを正確に「もう一度行う・増やす」という場面にも用いられます。
CEFR レベル: B2 (中上級)
日常会話よりも少し専門的な文脈で使われることが多く、大学やビジネスの場など、少し高度な文脈で学ぶ必要がある単語です。
他の品詞形:
- 名詞: replication (複製、再現、増殖)
- 形容詞: replicable (再現可能な、複製可能な)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- re- (再び、もう一度)
- plic (ラテン語の “plicare” = “折る” に由来; fold の意味)
- -ate (動詞化する接尾語)
「再び折りたたむ」という語源から、「もう一度同じ形を作る(複製する)」という発想が生まれています。
派生語や類縁語
- replication (名詞):「複製、再現、増殖」
- replica (名詞):「レプリカ、複製品」
- replicable (形容詞):「複製可能な、再現可能な」
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ(10個)
- replicate an experiment(実験を再現する)
- replicate a study(研究を再現する)
- replicate the results(結果を再現する)
- replicate data(データを複製する)
- replicate the process(プロセスを再現する)
- successfully replicate(うまく複製する/再現に成功する)
- fail to replicate(再現に失敗する)
- attempt to replicate(再現を試みる)
- replicate itself(自分自身を複製/増殖する:ウイルスなど)
- replicate a model(モデルを複製する/再現する)
3. 語源とニュアンス
語源
ラテン語の “replicare” (re + plicare “再び + 折る”) が由来で、「折り返す」「再度行う」という原義から「複製する・再現する」という意味成分を帯びるようになりました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 科学的・学術的文脈: 実験や研究結果を「もう一度行う」ことで再現性を示す際に使われることが多いです。
- ビジネス文脈: 成功したプロセスや仕組みを「もう一度他の場所でも同じようにやる」意味で使われます。
- カジュアル/フォーマル度: ややフォーマル。日常会話でも使えるが、専門的・技術的な語感があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として
- “replicate + 目的語”
- 例: “We need to replicate the experiment.”
- “replicate + 目的語”
- 自動詞として
- “replicate (itself)” の形で「(細胞・ウイルスが)増殖・自己複製する」
- 例: “The virus replicates very quickly.”
- “replicate (itself)” の形で「(細胞・ウイルスが)増殖・自己複製する」
フォーマル / カジュアル
- フォーマル: レポート、研究論文、ビジネス文書で多用されます。
- カジュアル: 日常会話では “copy” や “duplicate” を使う場面が多いですが、ときどき “replicate” を使う人もいます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“I tried to replicate the recipe from the restaurant last night, but it tasted different.”
- (昨夜レストランで食べた料理のレシピを再現しようとしたけど、味が違った。)
“Can you replicate that hairstyle for me? It looked amazing on you.”
- (同じ髪型を私にもしてもらえる? すごく似合ってたから。)
“He attempted to replicate his friend’s funny dance, but failed hilariously.”
- (彼は友達の面白いダンスを真似しようとしたけど、面白いくらい失敗したんだ。)
(2) ビジネスでの例文
“Our goal is to replicate the success we had in Europe in the Asian market.”
- (私たちの目標は、ヨーロッパでの成功をアジア市場でも再現することです。)
“If the new process proves efficient, we’ll replicate it across all departments.”
- (その新しいプロセスが効率的だとわかれば、全部署で展開します。)
“They plan to replicate the pilot project in several key cities next year.”
- (彼らは来年、いくつかの主要都市でそのパイロットプロジェクトを再現する予定です。)
(3) 学術的 / 研究での例文
“It’s crucial to replicate the experiment under the same conditions to verify the findings.”
- (その結果を検証するために、同じ条件で実験を再現することが重要です。)
“Many scientists have attempted to replicate the study, but the results were inconsistent.”
- (多くの科学者がその研究を再現しようとしましたが、結果にはばらつきがありました。)
“If the virus continues to replicate at this rate, we may soon face a serious outbreak.”
- (もしウイルスがこのペースで増殖し続ければ、近いうちに深刻な感染拡大に直面するかもしれません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
copy (コピーする)
- 一般的に「コピーする」の最もシンプルな表現。日常会話で使うことが多い。
- 例: “I copied the document.” (書類をコピーした。)
- 一般的に「コピーする」の最もシンプルな表現。日常会話で使うことが多い。
duplicate (複写する、重複する)
- 「そっくりそのまま同じものを作る」という意味。書類やファイルの「複写」などに使われることが多い。
- 例: “Please duplicate these files.” (これらのファイルを複写してください。)
- 「そっくりそのまま同じものを作る」という意味。書類やファイルの「複写」などに使われることが多い。
reproduce (再現する、再生する)
- 元の状態を「再び生じさせる」ニュアンス。芸術や音声・映像の文脈でも使われる。
- 例: “He can reproduce the sound quite accurately.” (彼はその音をかなり正確に再現できる。)
- 元の状態を「再び生じさせる」ニュアンス。芸術や音声・映像の文脈でも使われる。
imitate (模倣する)
- 「真似をする」という意味で、人や動作を真似るニュアンス。
- 例: “Children often imitate adults.” (子どもはよく大人を真似る。)
- 「真似をする」という意味で、人や動作を真似るニュアンス。
反意語
- 明確な「反意語」はないが、強いて挙げると「diverge (分岐する)」「originate (生み出す)」「deviate (逸脱する)」などが、「同じものを再現しない」という点で対になりうることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈrɛplɪkeɪt/
- アメリカ英語: [レプリケイト] のように “re” にアクセント (第1音節)
- イギリス英語: 基本的に同じ発音で、アクセント位置も同様です。
- 強勢: 頭の “rep” の部分にアクセントがあります。
- よくある発音ミス: “re-PLIC-ate” のように第2・3音節にアクセントを置いてしまうこと。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “replicate” の部分を “replicete” などと間違えやすい。
- “replica” との混同: “replica” は「名詞: 複製(品)」、動詞ではないので注意。
- 文法上の区別: “replicate” は他動詞として「~を複製する」と使われるほか、ウイルスなどが「自分自身を複製する」ときに自動詞的にも使われる。
- TOEIC/英検などの試験対策: 研究・ビジネス文脈の文章中で「再現実験」や「成功を再び実施する」という内容を示すのにやや難易度の高い単語として出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源から覚える: “re” (再び) + “plicare” (折る) → 「もう一度折りたたむ」→「複製する」
- イメージ: 「研究の成功例を他の場所でもそっくり再現する」「ウイルスが自己増殖する」を思い浮かべると、すんなり頭に入ってきます。
- 音のポイント: “rep-li-cate” と区切って覚えると、スペルと発音があやふやになりにくいです。
以上が “replicate” の詳しい解説です。日常では「copy」や「duplicate」を使う場面が多いですが、特に科学的・技術的な文脈では “replicate” がよく登場するので、使い分けを意識すると英語の表現力がさらに高まります。
…を繰り返す, を複製する
〈研究結果など〉を再現する
細胞分裂で再生する, 自己複製する