最終更新日:2025/10/28

〈U〉放散,発散,拡散[作用] / 普及,流布 / (文体などの)散漫,冗漫

編集履歴(0)
元となった辞書の項目

diffusion

名詞

〈U〉放散,発散,拡散[作用] / 普及,流布 / (文体などの)散漫,冗漫

このボタンはなに?

焼きたてのクッキーの心地よい香りが、拡散の作用によって家中に広がっていく。

このボタンはなに?
解説

1. 基本情報と概要

英単語: diffusion

品詞: 名詞 (noun)

英語の意味:


  • The process by which something (e.g., particles, ideas) spreads or disperses from an area of higher concentration or intensity to an area of lower concentration.

日本語の意味:


  • 拡散、広がり、浸透のことを指します。分子や粒子が濃度の高いところから低いところへ移動する現象、あるいはアイデアや文化が広がっていくイメージです。科学分野だけではなく、社会や文化の広がりを表現する時にも使われます。

「拡散が起こる」「アイデアが拡散する」というような場面で使われ、広がり全般を表すニュアンスがあります。

活用形:


  • 名詞形: diffusion (不可算名詞として扱うのが一般的)

  • 動詞形: to diffuse (拡散させる、広める)


    • 例: (現在形) diffuse, (過去形) diffused, (過去分詞) diffused, (現在分詞) diffusing


  • 形容詞形: diffusive (拡散的な、拡散をもたらす)

CEFRレベル:


  • B2(中上級): 一般的な会話は問題ないが、学術的な語彙が少し必要な場合。科学的・専門的な文脈でよく出てくるため、B2以上のレベルが望ましいとされます。


2. 語構成と詳細な意味

語源・派生


  • 語幹: “diffuse” (拡散する、広がる)

  • 接尾語: “-ion” (動作や状態を名詞化する英語の接尾語)

代表的な派生語・類縁語


  • diffuse (動詞/形容詞): 拡散させる / 広がりのある

  • diffusely (副詞): 拡散的に、広範囲に

  • diffuseness (名詞): 冗長さ、散漫な状態

よく使われるコロケーション(共起表現)10選


  1. “cultural diffusion”


    • 文化的拡散(文化が広まること)


  2. “diffusion of innovation”


    • イノベーションの拡散(新しい技術やアイデアが広がること)


  3. “gas diffusion”


    • 気体拡散


  4. “diffusion rate”


    • 拡散速度


  5. “diffusion process”


    • 拡散過程


  6. “rapid diffusion”


    • 急速な広がり / 急速な拡散


  7. “diffusion through a membrane”


    • 膜を通した拡散


  8. “diffusion in society”


    • 社会における拡散


  9. “spatial diffusion”


    • 空間的拡散


  10. “passive diffusion”


    • 受動拡散(エネルギーを必要としない拡散)



3. 語源とニュアンス

語源:


  • ラテン語 “diffundere”(dis-「離れて」+ fundere「注ぐ」=「注ぎ出す」「振りまく」)が由来。もともとは液体などが広がり散っていくイメージ。

ニュアンス:


  • 科学(特に物理や化学、生物学)で分子が拡散する現象を指す場合が多い一方、社会科学などでは情報や文化、技術が広がっていくことを言う場合もあります。

  • フォーマルな場面で使いやすい単語ですが、学術文書や論文の中でも頻出します。

  • 口語で「拡散しちゃってる」などのようにカジュアルに使うことはあまりありませんが、特にSNSなどで「情報を拡散する」というニュアンスを表すときには応用できます。


4. 文法的な特徴と構文


  • 「diffusion」は不可算名詞(数えられない名詞)として扱われることが多いです。


    • 例: “The diffusion of gases is an important concept in chemistry.” (○)

    • 例: “One diffusion / two diffusions” (×) あまりこうした複数形では用いません。


  • 一般的に前置詞 “of” を伴って「~の拡散」と表現されることが多いです。


    • 例: “the diffusion of technology” (技術の普及)


  • 動詞形 “diffuse” は他動詞として「~を拡散させる」、自動詞として「広がる、拡散する」の両方で使えます。



5. 実例と例文

日常会話での例文


  1. “I read an article about the diffusion of social media content.”

    (SNSのコンテンツが広がることについての記事を読みました。)

  2. “The scent of the flowers leads to a gentle diffusion of fragrance in the room.”

    (花の香りが部屋全体にやわらかく広がっています。)

  3. “This air freshener uses a slow diffusion method to spread the scent.”

    (この消臭剤はゆっくりと拡散する方法を使って香りを放ちます。)

ビジネス文脈での例文


  1. “We need to study the diffusion of our product in new markets.”

    (新市場での自社製品の普及(拡散)を調査する必要がある。)

  2. “The diffusion of innovative ideas can help us stay ahead in the industry.”

    (革新的なアイデアが広がることは、業界でリードするために役立ちます。)

  3. “A successful marketing campaign ensures rapid diffusion of the brand's message.”

    (成功したマーケティングキャンペーンはブランドのメッセージを急速に広めます。)

学術的な文脈での例文


  1. “The diffusion of ions across the membrane is influenced by the concentration gradient.”

    (膜を通したイオンの拡散は濃度勾配の影響を受けます。)

  2. “In sociology, cultural diffusion explains how customs and beliefs spread across societies.”

    (社会学において、文化拡散は慣習や信念が社会を越えて広がる仕組みを説明します。)

  3. “We applied Fick’s law to model the diffusion process in this experiment.”

    (この実験では、拡散過程をモデル化するためにフィックの法則を適用しました。)


6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. “spread” (広がる)


    • 日常会話でよく使われる一般的な「広がり」を指す。

    • 例: “The news spread quickly through social media.”


  2. “dissemination” (普及、流布)


    • 情報や知識が広範囲に広がるイメージ。少しフォーマル。

    • 例: “We are focusing on the dissemination of this policy throughout the community.”


  3. “propagation” (伝播)


    • 波や電磁波、あるいは生物の増殖など、少し専門・技術寄りのニュアンス。

    • 例: “Radio wave propagation is crucial in communication engineering.”


反意語


  • 明確な反意語はありませんが、「集中」「収束」を表すような “concentration” や “convergence” が対局のイメージになり得ます。


    • “concentration” (集中)

    • “convergence” (収束)



7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA):


  • /dɪˈfjuː.ʒən/ (アメリカ英語/イギリス英語共通)

強勢(アクセント)の位置


  • 第二音節 “-fu-” にアクセントが置かれます: di-FU-sion

アメリカ英語とイギリス英語


  • アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはありませんが、若干アメリカ英語では [dɪˈfjuːʒən] に近い音になることもあります。

よくある発音の間違い


  • 第一音節を強く発音して “DI-fusion” とならないように注意しましょう。

  • /dɪ/ の部分を /daɪ/ と混同しないようにしましょう。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “diffusion” の “double f” (ff) と “sion” をよく混同しやすいです。


    • × “difusion” や × “diffussion” に注意。


  • 動詞 “diffuse” との混同:


    • “diffusion” は名詞、 “diffuse” は動詞。スペルと品詞を混同しないように。


  • 同音異義語との混同: 特には多くないが、“defusion(爆弾の信管を外すこと)” という似たスペリングの言葉があり、混同しないよう注意(ただし一般的ではない)。

  • 試験対策: TOEIC・英検などでは、科学的トピックやビジネスシーン(新製品の普及など)の文章で出題される可能性があります。文脈に合わせて「拡散」「普及」「伝播」などの邦訳が求められることもあります。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “diffusion” は “dis-(離れて)” と “-fusion(融合)” のイメージから、「ばらばらに広がる」感じを覚えるとよいでしょう。

  • 語源の “注ぎ出す(diffundere)” イメージで、コーヒーやお茶をカップに注いで広がる様子をイメージしてみると理解しやすいです。

  • スペル対策: “dif + fu + sion” の三部構成を頭に入れておくとミスを減らせます。

  • 音読時に「ディ・フュー・ジョン」と三拍に分けてリズムを覚えるのも一つの方法です。


以上が diffusion の詳細な解説です。科学的な文脈からビジネス、さらには社会現象や文化の広がりなど、多方面で登場する単語です。文脈に合わせて「拡散」「普及」「広がり」という訳語を使い分けながら練習してみてください。

意味のイメージ
diffusion
意味(1)

放散,発散,拡散[作用]

意味(2)

普及,流布

意味(3)

(文体などの)散漫,冗漫

学術英単語(NAWL) / 英訳 / 4択問題

編集履歴(0)

ログイン / 新規登録

 

アプリをダウンロード!
DiQt

DiQt(ディクト)

無料

★★★★★★★★★★