having been+過去分詞
完了形・受動態の分詞構文
以下では、「having been + 過去分詞」を使った分詞構文のポイントを、なるべく詳しく、わかりやすく解説します。
分詞構文とは
分詞構文とは、主節(メインの文)と同じ主語に関する補足説明を、分詞(現在分詞や過去分詞)を使って表す構文です。通常は「接続詞 + S + V」で書かれる副詞節(理由・時・条件などを表す節)を、より短く端的にまとめて表すことができます。
たとえば、
- “As I was walking down the street, I met an old friend.”
↓ 分詞構文に書き換え:
“Walking down the street, I met an old friend.”
のように、接続詞 as と主語 I を省略し、動詞を現在分詞 (walking) にした形が分詞構文です。
完了形の分詞構文
分詞構文の時制
分詞構文の時制は、主節の動作と「同時」なのか「主節より前」なのかなど、時間関係をもとに決まります。
- 主節と同時:
動詞を現在分詞 (〜ing) や過去分詞 (〜ed) の形で用いる
例: “Seeing him, I waved my hand.”
(彼を見たのと同時に、私は手を振った) - 主節より前(すでに完了している場合):
完了形の分詞構文 “having + 過去分詞” を使う
例: “Having finished my homework, I went out for a walk.”
(宿題を終えたあとで、私は散歩に出かけた)
完了形の受動態: “having been + 過去分詞”
分詞構文を受動態で表したいときは、
“having + been + 過去分詞”
の形を使います。これは「すでに〜された状態」を表すときに便利な表現です。たとえば、「過去に書かれていたものが今もそのままの状態である」というようなニュアンスを示します。
具体例
次の文を比較してみましょう:
- As this letter was written in a hurry, it has many mistakes in it.
(この手紙は急いで書かれたので、中に誤りが多い)
この文を分詞構文に書き換えると、次のようになります:
- Having been written in a hurry, this letter has many mistakes in it.
なぜ “having been written” になるのか
主語と動作の関係
分詞構文では、主節の主語(this letter)と分詞句の主語が同じである必要があります。ここでは “this letter” が「書かれる(writeの受身)」という動作を受けています。主節より前に起こった動作
手紙が「書かれたこと」は、手紙が「誤りを多く含んでいる」現状より前に起こっています。このため、分詞構文では「完了形」の形を使い、“having + 過去分詞” として時制を明確にします。受動態
手紙は「書かれた(書くの受け手)」なので、受動態を表す “been + 過去分詞 (written)” を用います。完了形 “having” と組み合わさって “having been written” となります。
まとめ
- 分詞構文は「主節と同じ主語で、補足を簡潔に書く」ための表現。
- 過去に起こった動作が主節にも影響している場合は “having + 過去分詞” の完了形を使用する。
- さらにそれが受け身の場合は “having been + 過去分詞” として表す。
こうしたポイントを押さえると、文章をスリムにしつつ、時制や受動態の情報を正確に含むことができます。ぜひ、いろいろな文を分詞構文に書き換えて練習してみてください。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
having been+PAST PARTICIPLE