関係副詞(非制限用法)
カンマを付けて、付け足すように訳す
関係副詞(非制限用法)の解説
関係副詞(relative adverbs)には、「制限用法」と「非制限用法(カンマを伴う用法)」があります。どちらも名詞や節を修飾し、動作や状況が起こる場所・時・理由などを示しますが、文章全体のニュアンスや情報の伝え方に違いが生じます。以下で詳しく見てみましょう。
1. 関係副詞とは
英語の関係詞には「関係代名詞 (who, which, that など)」と「関係副詞 (where, when, why, how など)」があります。関係副詞は、副詞のはたらきをして、「場所 (where)」「時 (when)」「理由 (why)」「方法 (how)」などを表す名詞を修飾します。
例:
- This is the house where I grew up.
(ここが私が育った家です)- I remember the day when we first met.
(私たちが初めて会った日を覚えています)
ここで着目すべきは、「関係副詞」の後ろに来る節(~ I grew up, ~ we first met)が、関係副詞が修飾する名詞(house, day)の説明になっている点です。
2. 制限用法と非制限用法
2-1. 制限用法 (Restrictive Use)
- 先行詞(修飾する名詞)を特定し、限定する働きをします。
- カンマを使いません。
- その名詞が「どれか」を示したい場合や、その名詞にとって「不可欠な情報」を提供する場合に用いられます。
例文
I lived in Osaka where I met Jack.
「私は、ジャックと出会った大阪で住んでいます。」
- どの大阪なのかを説明する情報として「ジャックと出会った」という要素を加えています。
- 実際には「大阪」は一つしかないかもしれませんが、文法上、ここでは“出会った場所としての大阪”を限定するようなニュアンスが強くなります。
2-2. 非制限用法 (Non-Restrictive Use)
- カンマで区切って使われる関係副詞です。
- 先行詞(修飾する名詞)について、付加的な情報を言い足す役割を持ちます。
- 名詞に必要不可欠ではない「補足説明」をするイメージです。
例文
I live in Osaka, where I met Jack.
「私は大阪に住んでいます。(ちなみに)そこでジャックと出会いました。」
- 「大阪に住んでいる」というメイン情報に、蛇足的・補足的に「そこでジャックと出会った」という情報をカンマ以降で加えています。
- 「大阪」自体を限定するわけではなく、「実はこの大阪でジャックと会ったんだよ」という余談や追加情報として述べています。
3. 制限用法 vs 非制限用法のニュアンスの違い
制限用法 (where I met Jack)
- 「どの大阪か」を強調(限定)するイメージ。
- 「ジャックと出会った場所」という情報が、大阪の説明として不可欠。
- 「どの大阪か」を強調(限定)するイメージ。
非制限用法 (where I met Jack)
- 「大阪に住んでいます」という事実を先に述べ、あとから追加で「そこでジャックと出会った」という情報を足す。
- 大阪の特定には直接関わらない「余談」や「補足説明」として提示。
- 「大阪に住んでいます」という事実を先に述べ、あとから追加で「そこでジャックと出会った」という情報を足す。
このように、カンマの有無が「情報を限定するか、それとも付け足しとして扱うか」を決定付けます。
4. まとめ
- 関係副詞は場所・時・理由などを表す名詞を修飾し、情報を補足するために使われます。
- 制限用法ではカンマを使わず、被修飾名詞を特定(限定)するニュアンスを強調します。
- 非制限用法ではカンマを使い、名詞に対する補足的・付加的な情報を穏やかに追加します。
例:
- 制限用法: I lived in Osaka where I met Jack.
- 非制限用法: I live in Osaka, where I met Jack.
文章の意味や文脈に応じて「どの情報が重要な限定情報か」「どの情報を補足として言い足すのか」を考えながら、カンマの有無や関係副詞の使い方を選ぶようにしましょう。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
RELATIVE ADVERB: NONRESTRICTIVE