形式主語it+to不定詞
to不定詞以下が真主語の「形式主語構文」
以下では「形式主語 it + to 不定詞」の構文について、元の説明をさらに詳しく、わかりやすく整理したものを示します。
1. 形式主語構文とは?
英語には、本来「主語」として使われる部分を文末に回し、かわりに「It」を文の先頭に置く表現があります。これを「形式主語構文 (formal subject construction)」と呼びます。ここで使われる「It」は、普通に訳す「それ」という意味ではなく、後ろに登場する「to 不定詞(〜すること)」などの“真の主語”の代わりをしています。
たとえば、
- It is important to learn how to use the computer.
(パソコンの使い方を習うことは重要です。)
この文では「to learn how to use the computer(パソコンの使い方を習うこと)」が本来の主語です。しかし、長い不定詞を冒頭に置くとかえって読みにくいので、英語では文頭に「It」を置いて、主語の役割を果たさせています。
2. 具体例:なぜ「It」を使うのか?
もし「It」なしで書く場合は、
To learn how to use the computer is important.
のようになります。
これは文法的には誤りではありませんが、冒頭から長い不定詞句を置くと、文がやや重たい印象になります。そこで英語のネイティブスピーカーは、最初に「It is 〜」と書き始め、主語をあとに回すことで読みやすさを保っているのです。
3. 形式主語構文のよくあるパターン
形式主語構文では、以下のようなパターンがよく使われます。
It + be動詞 + 形容詞 + to 不定詞
例: It is necessary to prepare well in advance.
(事前によく準備することが必要です。)It + be動詞 + 名詞 + to 不定詞
例: It is our duty to help those in need.
(困っている人を助けることは私たちの義務です。)
形容詞や名詞の部分が、to 不定詞(〜すること)に対する評価や特徴を表しています。
4. 「It」は「それ」と訳さない
英語学習者が間違えやすい点の一つは、「It」を「それ」と誤訳してしまうことです。しかし、形式主語構文の「It」は「不定詞(〜すること)」をまとめて受ける“仮の主語”にすぎないため、基本的には「それ」とは訳しません。
例文
- It is fun to watch movies on weekends.
(週末に映画を見るのは楽しいです。)
→ 「それは楽しいです、週末に映画を見ることは」では不自然なので、「週末に映画を見ることは楽しい」と訳すのが自然です。
5. 応用:It is 形容詞 for 人 to 不定詞
形式主語構文では、間に「for + 人」が挿入されることもあります。これは「その人にとって…することは〜だ」という意味を表します。
- It is difficult for children to sit still for a long time.
(子どもたちにとって、長時間じっと座っているのは難しい。)
このように、「for 人」を入れることで、“誰にとって”その行為が形容詞なのかを補足することができます。
6. まとめ
- 英語には「It」を文頭に置き、本来主語となる「to 不定詞」「that節」などを文中・文末に回す表現がある。
- この構文を「形式主語構文」といい、文頭にある「It」を「仮主語」、実際の主語となる部分を「真の主語」と呼ぶ。
- 文が長くなって主語部分が重くなるのを避けたり、流れをスムーズにしたりするために使われる。
- 「It」は「それ」とは訳さず、「〜すること」として訳す点に注意する。
形式主語構文は英語の文章を読みやすく、書きやすくするためによく用いられます。英作文やリーディングで登場した際には、「to 不定詞」や「that節」が実際の主語なのだということを念頭に置くと理解しやすくなるでしょう。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
it+BE(+ADV)+ADJ(+for+NP)+to+INFINITIVE