最終更新日:2025/11/20
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tranche

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元となった辞書の項目

tranche

名詞

〈C〉一部分;分割払い込み金

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解説

1. 基本情報と概要


  • 単語: tranche

  • 品詞: 名詞 (noun)

  • 意味(英語): A portion or division (often used in finance to refer to a segmented portion of a larger financial arrangement or investment).

  • 意味(日本語): (特に金融分野で)大きな投資や融資を部分的に区切った「分割分」「区画」「切り出し分」。たとえば、債券や投資商品の一部を指すときに用いられます。「ある大きな投資の一部分(スライス)のイメージ」です。

「tranche」は主に金融の文脈で使われる少し専門的な単語です。たとえば一度に全部のお金を出すのではなく、一部ずつを「トランシュ(分割)」として小出しにしたいときに使われます。


  • 活用形


    • 単数形: tranche

    • 複数形: tranches


  • 他の品詞形: トランシュは名詞として使われるのが一般的ですが、形容詞的に使うことはあまりありません。「to tranche (something)」という動詞形は通常あまり見られませんが、「to be tranched out」という表現(金融の専門用語)で「分割して提供される」というような意味合いが使われることがあります。実務上、そこまで一般的ではないため、まずは名詞で覚えてください。


  • CEFRレベル: C1(上級)〜C2(最上級)


    • 金融やビジネスの陽気が濃い専門用語のため、一般のコミュニケーションではあまり登場せず、上級から最上級レベルでも理解しておきたい語の一つです。



2. 語構成と詳細な意味


  • 語源: フランス語の“tranche”から来ており、本来は「スライス」「切り分け」という意味です。

  • 語幹/接頭語/接尾語: 特に英語としては接頭語・接尾語がついているわけではなく、フランス語からの外来語としてそのまま取り入れられています。


  • 派生語や類縁語


    • フランス語で「切り分け」を表す単語 “trancher” (フランス語動詞: 切る・断つ) が直接の親戚です。


  • よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)



  1. “issuance of a tranche”


    • (債券などの)一部発行


  2. “multi-tranche financing”


    • 複数の分割融資


  3. “tranche of a loan”


    • ローン(融資)の一部分


  4. “senior tranche”


    • 最優先トランシュ(格付けが最も高い部分)


  5. “junior tranche”


    • 劣後トランシュ(格付けが最も低い部分)


  6. “equity tranche”


    • エクイティトランシュ(純資産部分、または最もリスクの高い部分)


  7. “release a tranche of funds”


    • 資金を一部解放(拠出)する


  8. “repayment tranche”


    • 返済時に分割される一部分


  9. “first tranche payment”


    • 初回分割支払い


  10. “second tranche disbursement”


    • 2回目の支払い・拠出



3. 語源とニュアンス


  • 語源: フランス語 “tranche”=「スライス」「切り身」。

  • 歴史的使用: 英語では金融や投資分野での使用が中心で、20世紀以降に広く使われ始めました。

  • 微妙なニュアンスや感情的な響き: 一般会話にはあまり出てこないため、馴染みのない人には少し専門的・ビジネスライクな印象を与えます。

  • 使用時の注意点:


    • 主にビジネス文書や金融関連の会話で登場します。非常にフォーマルでテクニカルな響きがあるので、カジュアルな場面ではほとんど使用されません。



4. 文法的な特徴と構文


  • 名詞(可算): 可算名詞として使われるため、「a tranche」「two tranches」などと書きます。

  • 一般的な構文:


    • “They issued a new tranche of bonds.”(かれらは新たな債券を部分的に発行した)

    • “We received the first tranche of funding.”(我々は資金の最初の分割分を受け取った)


  • フォーマル/カジュアルの使い分け:


    • フォーマル: 金融・ビジネス書類(「We plan to release the second tranche of the loan…」など)

    • カジュアル: 日常会話ではほぼ使わない



5. 実例と例文

(1) 日常会話(やや不自然になりがちですが参考例)


  1. “I heard there's a small tranche of money set aside for our neighborhood project.”


    • 近所のプロジェクト用に少しだけ予算が取ってあるそうだよ。


  2. “He explained that we would only get the second tranche of funds if we meet our targets.”


    • 目標を達成しないと、2回目の支払い分はもらえないらしい。


  3. “They kept a separate tranche of assets just in case of emergencies.”


    • 緊急時用に別枠の資産を分割して持っていたんだ。


(2) ビジネスシーン


  1. “Our company has arranged a multi-tranche financing deal to diversify risk.”


    • わが社はリスクを分散するために複数の分割融資契約を結びました。


  2. “The first tranche of the investment will be released upon completion of the initial milestones.”


    • 初期目標が達成され次第、投資の第一弾の拠出が行われます。


  3. “Investors in the senior tranche have priority in receiving interest payments.”


    • 最上位トランシュの投資家は利息の支払いを優先的に受け取ります。


(3) 学術・専門家会話


  1. “Analyzing the credit risk profiles of different tranches is key to structured finance.”


    • さまざまなトランシュの信用リスクを分析することはストラクチャード・ファイナンスにおいて重要です。


  2. “This research paper examines how tranche structures evolved post-financial crisis.”


    • この研究論文は金融危機後にトランシュ構造がどのように変化したかを調べています。


  3. “We compare equity, mezzanine, and senior tranches to assess overall portfolio risk.”


    • ポートフォリオ全体のリスク評価のために、エクイティ、メザニン、そしてシニアのトランシュを比較します。



6. 類義語・反意語と比較


  • 類義語:


    1. “slice” – 「切り分け」という意味の一般単語。ビジネス向きのニュアンスではない。

    2. “portion” – 「部分」全般。より幅広い文脈で使われる。

    3. “segment” – 「区分」「区画」など論理的に分割された一部分を指す。

    4. “share” – 「分け前」や「割り当て」を意味し、「何かを分け合う」というニュアンスが強い。


これらは意味合いとしては近いですが、金融商品や投資話になると「tranche」の方が専門的・正確に「金融の分割分」の意味を伝えます。


  • 反意語: 直接的な反意語はありませんが、「一括」「全体」のニュアンスを持つ “whole” や “entirety” は「分割していない状態」を表すので対比になることがあります。


7. 発音とアクセントの特徴


  • IPA: /trɑːnʃ/ (米・英共通でほぼ同じ発音)

  • アクセント: 最初から最後までほぼ平坦で、「トラーンシュ」のように鼻に抜ける感じで発音します。

  • アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きくは変わりませんが、イギリス英語ではやや [ɑː] に近い音、アメリカ英語では [æ] に近づく場合もあります。

  • よくある間違い: “trench”(溝・塹壕)や “trance”(恍惚状態)などと混同しないように注意しましょう。スペルも発音も微妙に違います。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルの間違い: 「tranche」と「trench」「trance」を混同しない。

  2. 発音の間違い: “tranche” は /ʃ/ (シュー)で終わるところ。最後を /tʃ/ で発音しないように注意。

  3. 使用場面の誤り: 日常会話では使わない単語なので、金融やビジネス文書以外では不自然になりがちです。

  4. 試験対策: TOEICなど一般的試験では頻出度はそれほど高くありませんが、ビジネス英語や金融英語、MBA関連の文脈では登場する可能性があります。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • フランス語の“tranche de pain” =「パンのスライス」をイメージすると覚えやすいでしょう。


    • 「トランシュ」=「スライス」と覚えると、金融商品を「スライス」のように区分けしているイメージで理解できます。


  • スペルのコツ:


    • “tran” + “che” で “tranche” と綴る。

    • 語末の “e” は発音しませんが、最後の /ʃ/ サウンドに注意。


  • 勉強テクニック:


    • 金融系の記事を読む際、「part」や「portion」などが使われるところに「tranche」が登場してないか注意することで理解を深める。

    • 他の金融用語(bond, equity, liquidity,など)とセットで学び、ビジネスや投資の概念をまとめて把握すると記憶が定着しやすいです。



以上が “tranche” の詳細な解説です。金融分野ではよく見る単語ですので、投資やビジネスの記事を読むときに注目してみてください。

意味のイメージ
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ビジネス英単語(BSL) / 発音問題

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