最終更新日:2025/11/20
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precedent

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元となった辞書の項目

precedent

名詞

〈C〉《...の》先例, 前例《of》 / 〈U〉先例にならうこと

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この事件は将来の判決に先例を作る。

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解説

以下では、名詞 “precedent” を、できるだけ詳しく解説します。


1. 基本情報と概要

英単語: precedent

品詞: 名詞 (countable)

英語での意味

An event, action, or decision in the past that can be used as a reason or example to justify subsequent similar circumstances.

日本語での意味

先例、前例(以前に起きた出来事や判決などが、その後の判断や行動の根拠となるもの)。


「precedent」は、「過去に起こったことが今後の判断材料になる」というニュアンスで使われます。特に法的文脈やビジネス上の慣例などで、「過去にこういうことがあったから、将来もこれを根拠または方針として扱う」という意味で使われます。


活用形


  • 名詞ですので、主に下記のような形で使います:


    • 単数形: a precedent (例: This case sets a new precedent.)

    • 複数形: precedents (例: We have several precedents to consider.)


他の品詞形


  • 動詞形: precede (先行する)

  • 形容詞形: precedent(形容詞として使われることもあるが、同じ綴りで「先行する」「以前の」という意味を持つ)、unprecedented(前例のない)など

CEFRレベルの目安

B2: 中上級


「precedent」は主に抽象概念であり、議論や文章で使われることが多いため、中上級レベル(B2)の学習者向けの単語といえます。



2. 語構成と詳細な意味

語構成


  • pre-: 「前に」を表す接頭語

  • ced: ラテン語で「行く」を意味する “cedere” に由来

  • -ent: 「~するもの」「~している状態のもの」を表す接尾語

結果として「前に行った出来事を指し示すもの」という意味合いが生じています。

派生語や類縁語


  • precede (動詞): ~に先行する

  • precedence (名詞): 先行、優先

  • unprecedented (形容詞): 前例のない

よく使われるコロケーション(10個)


  1. set a precedent (先例を作る)

  2. establish a precedent (先例を確立する)

  3. create a precedent (先例を生む)

  4. follow a precedent (先例に従う)

  5. rely on precedent (先例に基づく・先例を拠りどころとする)

  6. legal precedent (法的先例)

  7. historical precedent (歴史的先例)

  8. binding precedent (拘束力のある先例)

  9. break with precedent (先例を破る)

  10. cite a precedent (先例を引き合いに出す)


3. 語源とニュアンス

語源


  • 中世ラテン語 “praecedens” (先行するもの) から。

  • フランス語を経由して英語に取り入れられた単語です。

ニュアンスや使用上の注意


  • 法律文脈では特に「判例」を指し、「過去の法的決定が将来の決定に拘束力を持つ」というニュアンスが強いです。

  • ビジネスや政治の場面でも「前例」として扱われます。

  • 口語でも使われますが、少しフォーマルな響きがあります(特に法的・公式なニュアンス)。


4. 文法的な特徴と構文


  • 可算名詞: “a precedent,” “several precedents” などの形で数えられます。

  • ビジネスや法的文書では「to set a precedent」がよく使われる表現です。

  • フォーマルな文章や会話でよく用いられますが、カジュアル会話でも「This is a dangerous precedent.」のように使われることがあります。


5. 実例と例文

日常会話 (3例)


  1. “I don’t want to set a bad precedent by letting the kids stay up late tonight.”

    (今夜子どもたちを遅くまで起こしておくのは、悪い前例を作りたくないのよ。)


  2. “You allowed him to borrow your car once, and now that sets a precedent.”

    (一度車を貸しちゃったら、今後も貸せるっていう前例になっちゃうよ。)


  3. “If we do this now, we’ll create a precedent for the future.”

    (今これをやると、今後の前例になってしまうよ。)


ビジネスシーン (3例)


  1. “The manager believes we should follow the precedent set by the previous policy.”

    (マネージャーは、以前の方針によって確立された先例に従うべきだと考えています。)


  2. “Breaking from precedent might be risky, but it could lead to innovation.”

    (先例を破ることはリスクがあるかもしれませんが、イノベーションにつながる可能性があります。)


  3. “We must review all precedents before making a final decision.”

    (最終決定を下す前に、すべての先例を確認しなければなりません。)


学術的・法的文脈 (3例)


  1. “This ruling serves as a legal precedent for similar cases in the future.”

    (この判決は、将来の類似事件に対する法的先例になります。)


  2. “It’s essential to explore historical precedents to understand the current environment.”

    (現在の状況を理解するには、歴史的先例を調べることが不可欠です。)


  3. “A binding precedent from the Supreme Court must be followed by lower courts.”

    (最高裁判所の拘束力のある先例は、下級裁判所が従わなければなりません。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)


  1. example (例)


    • より一般的に「例」を指す。法的ニュアンスは弱い。


  2. instance (実例)


    • 単に「実例」を指し、前例としての強い拘束力は含まない。


  3. paradigm (範例)


    • 理論やモデルの枠組みを示す場合に使われる。より学術的・抽象的。


  4. model (模範)


    • 手本としてのイメージが強い。必ずしも過去のことに限らない。


反意語 (Antonym)


  • unprecedented (前例のない)


    • 「precedent」の全く逆の意味を持つ形容詞。



「precedent」は「これまであった例」を示すので、単なる「例」と少し違い、特に「後々の判断に影響を与える大切な例」というニュアンスを持ちます。



7. 発音とアクセントの特徴


  • IPA表記: /ˈpres.ɪ.dənt/

  • アメリカ英語: [pré.sə.dənt](第一音節 “pre” にアクセント)

  • イギリス英語: [pré.sɪ.dənt](ほぼ同じ発音。若干 /ɪ/ と /ə/ の音の長さなどに違い)

よくある発音の間違い


  • “president” (/ˈprez.ɪ.dənt/) と混同しないように注意が必要。


    • “precedent” は「s」音と「d」音の間に「ɪ」が挟まり、アクセントの位置も同じだが後半部分のニュアンスが違うので意識しましょう。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. スペルの混同: “precedent” は “president” (大統領)と字面が似ているので要注意。

  2. アクセント位置を「pre・CE・dent」と誤って発音しないように。

  3. 法律の用語として頻出: TOEICや英検よりも、むしろ法学系の資格試験やビジネス英語、大学レベルの英語読解で見かけることが多いです。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “Pre-” = “前” というイメージをもって、「何かの前にあった出来事が、今の判断に影響を与える」というストーリーを思い浮かべると覚えやすいです。

  • 「precedent(プレセデント)」と「president(プレジデント)」を混同しないように、日本語の「プレセデント」「プレジデント」というカタカナ表記をしっかり区別しておくと良いでしょう。

  • 法的なニュアンスが強いと頭の片隅に置いておくと、印象に残りやすいです。


以上が「precedent」の詳細解説です。学習や日常・ビジネス・法律文脈でもよく登場する単語なので、繰り返し使い方を確認しておくとよいでしょう。

意味のイメージ
precedent
意味(1)

〈C〉(…の)先例,前例《+for+

意味(2)

〈U〉先例にならうこと

ビジネス英単語(BSL) / 発音問題

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