impair
1. 基本情報と概要
単語: impair
品詞: 動詞 (他動詞)
英語での意味: to weaken or damage something, especially in terms of its value, strength, or quality
日本語での意味: (機能・価値・質などを)損なう、弱める、悪化させる
「impair」は、何かの能力や状態を弱めたり、悪化させたりするときに使われる単語です。例えば「視力を損なう」「信用を悪化させる」などの文脈で用いられます。
活用形
- 現在形: impair
- 過去形: impaired
- 過去分詞: impaired
- 現在分詞: impairing
- 三人称単数形: impairs
他の品詞形
- 形容詞形: “impaired” – 例: “impaired vision” (視力が損なわれた)
ただし、“impaired” は受動的な意味合いで、何らかの原因によって機能が損なわれた状態を表します。 - 名詞形としては “impairment” (損傷、障害) が使われる。
CEFRレベル: B2
中上級レベルの学習者が知っておくと便利です。日常会話でも出てくることがありますが、特に書き言葉や説明文でよく用いられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- im- (接頭語): 中世英語や古フランス語由来で否定や強調の意味を持つ場合がありますが、この単語では古フランス語やラテン語の語源からきたもので、はっきりとした接頭語の機能とは言えない場合があります。
- pair/pejr (語幹): ラテン語の “peior” (より悪い worse) に由来すると言われています。
派生語や類縁語
- impairment (名詞) – 損傷(視力障害、聴力障害などでよく使われる)
- impaired (形容詞) – 損なわれた状態の
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- impair hearing(聴力を損なう)
- impair vision(視力を損なう)
- impair judgment(判断力を損なう)
- impair function(機能を弱める)
- impair health(健康を害する)
- impair quality(品質を落とす)
- severely impair(深刻に損なう)
- temporarily impair(一時的に損なう)
- impair relationship(関係を損なう)
- impair performance(パフォーマンスを損なう)
3. 語源とニュアンス
語源
“impair” は中英語の “empeiren” 、古フランス語の “empeirer” にさかのぼり、さらにラテン語 “peior”(より悪い、worse)に由来すると考えられています。元々は「悪くする、質を落とす」といったニュアンスを表していました。
ニュアンス・使用時の注意
- 何かの妨げになるほど悪化させる、というやや深刻なマイナスイメージがあります。
- 日常会話というよりは、ややフォーマルまたは専門的な書き言葉で用いられることが多い単語ですが、ビジネス会話でも使用されます。
- 健康や機能など重要なものに対して「深刻に損なう」というニュアンスを伴うことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞として使われます。
例: “Smoking may impair your health.”(喫煙はあなたの健康を損なうかもしれない)フォーマルな文書やアカデミックなレポートなどでもよく使われる表現です。
“Impaired” は形容詞として状態を表すときによく使います (例: “He has impaired vision.”)。
一般的な構文例
- “X impairs Y.” → XがYを損なう
- “be impaired by X.” → Xによって損なわれる
イディオム
直接的なイディオムはあまりありませんが、「impair A’s ability to do B」のように “~する能力を損なう” という形でよく使われます。
例: “Lack of sleep can impair your ability to concentrate.” (睡眠不足は集中力を損なうことがある)
5. 実例と例文
日常会話で使われる例文(3つ)
- “Don’t drink too much; it can impair your driving skills.”
(飲みすぎない方がいいよ。運転技術を損なうこともあるから。) - “Wearing those headphones too loud might impair your hearing over time.”
(大音量でヘッドフォンを使い続けると、徐々に聴力が損なわれるかも。) - “I’m worried that my old injury could impair my performance in the race.”
(昔のケガがレースの成績に悪影響を及ぼしそうで不安なんだ。)
ビジネスシーンで使われる例文(3つ)
- “Poor communication impairs team efficiency.”
(不十分なコミュニケーションはチームの効率を損ないます。) - “Frequent software crashes severely impair productivity.”
(頻繁にソフトがクラッシュすると、生産性が大幅に損なわれます。) - “Excessive stress can impair an employee’s mental health and overall performance.”
(過度なストレスは従業員のメンタルヘルスと全体的なパフォーマンスを損ないます。)
学術的な文脈で使われる例文(3つ)
- “Prolonged exposure to high decibel levels can significantly impair auditory function.”
(大きな音に長時間さらされると、聴覚機能が大きく損なわれる可能性があります。) - “Nutritional deficiencies may impair cognitive development in children.”
(栄養不足は子どもの認知発達を損なう可能性があります。) - “This study analyzes how certain pollutants impair the reproductive systems of marine organisms.”
(本研究では、特定の汚染物質が海洋生物の生殖機能をいかに損なうかを分析します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- damage(損傷する)
物理的・精神的なダメージを与える全般に使えます。より直接的な破壊のニュアンスが強いです。 - weaken(弱める)
物や能力を弱くする、弱体化させる意味ですが、「impair」よりも軽いニュアンスです。 - undermine(徐々に弱体化させる)
信用や権威などをわからないように損なうイメージ。 - diminish(減少させる)
数量や程度、重要性を下げる意味合いが強い。機能低下とはやや違います。
反意語
- improve(改善する)
悪い状態から良くすることを表します。 - enhance(高める)
能力や価値を向上させる感じで、 “impair” とは対照的です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɪmˈpeər/ (アメリカ英語), /ɪmˈpeə(r)/ (イギリス英語)
- アクセントは “-pair” の部分に置かれます。
- アメリカ英語では「インペアァ」、イギリス英語では「インペア」に近い発音です。
- 間違って /ˈɪmpaɪr/ のように発音しやすいので注意しましょう(“impire”のように聞こえてしまう)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “impare” や “impairr” などと間違えないように注意。
- 類似の綴り: “repair” (修理する) は「直す」意味なので逆の方向です。スペルは似ていても正反対のイメージ。
- 試験での注意: TOEICや英検などでは、文脈内で「機能を損なう」や「効率を落とす」といった使われ方が出題されることがあります。
- “impair” はフォーマルな語なので、日常会話で頻繁には登場しないかもしれませんが、ビジネスやレポート、論文などで重要な語彙として覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ペア (pair) を台無しにする」というイメージで “im”(否定・悪影響)+“pair” で「悪いほうに導く」と考えると覚えやすいかもしれません。
- 「何かを ‘悪化 ’(→peior) させる」というラテン語ルーツを想起すると、元の意味を思い出しやすいです。
- “repair”(直す)とセットで覚え、スペリングの違いを明確にすると間違いにくいでしょう。
以上が、動詞 impair の詳細解説です。機能や能力を損なうニュアンスをもつ動詞で、フォーマルからやや専門的な文脈まで幅広く使われる単語です。ぜひ使い方を押さえておきましょう。
〈健康・視力など〉‘を'損なう,〈判断力など〉‘を'弱める