元となった辞書の項目
determinant
解説
1. 基本情報と概要
determinant(名詞)
- 英語での意味:something that strongly influences or decides something else(何かを強く影響・決定するもの)
- 日本語での意味:決定要因、ある物事の結果を左右する要素。また、数学では行列式のことを指します。
「determinant」は、ビジネスや学問の場面では「成功や結果を決める要因」というニュアンスで使われます。日常会話で出てくることはあまり多くありませんが、「その結果を左右する大事な要因」として使えます。また、数学では行列の「行列式」を示す専門用語として使われることが多いです。
- 品詞:名詞(可算名詞:a determinant, the determinants)
- 活用形:名詞なので形そのものは変化しませんが、複数形は “determinants” となります。
他の品詞での例:
- “determine” (動詞) - 決定する
- “determination” (名詞) - 決意、決定、決断
- “determinative” (形容詞) - 決定力のある、決定的な
- “determine” (動詞) - 決定する
CEFRレベルの目安:B2 〜 C1
- B2(中上級):「日常会話に加えて、ある程度専門的な内容にも踏み込める」レベル。
- C1(上級):「学術的な文章や、ビジネス的な議論でも十分にやり取りができる」レベル。
- B2(中上級):「日常会話に加えて、ある程度専門的な内容にも踏み込める」レベル。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- de-(接頭辞):離れる・下へ・強調など(さまざまな意味)
- termin(語幹):境界・終わり(ラテン語“terminus”に由来)
- -ant(接尾辞):〜するもの、〜の性質を持つもの
語幹「termin」は「境界」や「終わり」を意味し、それに「de-」+「-ant」が加わって、「境界を定めるもの→結果を決定するもの」というニュアンスが生まれました。
関連語・派生語
- determine(動詞):決定する
- determinative(形容詞):決定力のある
- determination(名詞):決意、決定、決断
コロケーション・関連フレーズ(10個)
- key determinant(主要な決定要因)
- economic determinant(経済的な決定要因)
- social determinant(社会的決定要因)
- health determinant(健康に影響を与える要因)
- major determinant(大きな決定要因)
- genetic determinant(遺伝的決定要因)
- determinant of success(成功を左右する要因)
- political determinant(政治的決定要因)
- significant determinant(重要な決定要因)
- environmental determinant(環境上の決定要因)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語“dētermināre”(境界を定める)から派生しています。
- “determinant”は「境界(範囲)をはっきりさせるもの・決定を下すもの」として使われるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 一般的な英語表現として:「結果や成功を大きく左右する要素」を指すときに使われ、ややフォーマルかつ分析的な響きがあります。
- 数学用語:「行列式」を意味する専門用語なので、学術的な場面(特に数学や統計)で頻出します。
- カジュアルな会話よりは、ビジネス文書や学術論文、フォーマルなプレゼンテーションなどで使われやすい言葉です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞として扱われます。そのため「a determinant」「the determinant」「determinants」のように使います。
- 「行列式」の意味でも可算名詞扱いです。例えば “the determinant of a matrix” のように表現します。
イディオムや構文の例
- “X is the key determinant of Y.”
- 「XはYの主要な決定要因である」
- 「XはYの主要な決定要因である」
- “We must evaluate all determinants before finalizing this decision.”
- 「この決定を確定する前に、すべての決定要因を評価しなくてはならない」
フォーマル度合い:
- 非常にフォーマルな印象があり、書き言葉(論文、報告書など)で特に使われます。
- 会話中に使う場合も、プレゼンやミーティングなど、公式な場面が多いです。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “Price is often the biggest determinant of which phone people buy.”
- 「値段は、どのスマホを買うかを左右する最大の要因になることが多いよ。」
- “In my case, convenience is the main determinant when choosing groceries.”
- 「私の場合は、買い物をする時に便利さが主な決定要因かな。」
- “Your mood can be a determinant of how you interact with others.”
- 「気分は、人とのやり取りをどうするか左右する要因になりうるよ。」
ビジネスシーン(フォーマル寄り)
- “One crucial determinant of our company’s success is effective communication.”
- 「当社の成功を左右する重要な要因の一つは、効果的なコミュニケーションです。」
- “The leadership style is a significant determinant of employee satisfaction.”
- 「リーダーシップ・スタイルは、従業員満足度を大きく左右する決定要因です。」
- “Market trends are a key determinant for our next product launch.”
- 「市場の動向が、次の製品発売を左右する主要な要因です。」
学術的文脈(フォーマルかつ専門的)
- “In linear algebra, the determinant of a matrix provides valuable insight into its invertibility.”
- 「線型代数学では、行列の行列式は、その行列が可逆かどうかの重要な手がかりを提供します。」
- “Socioeconomic status is often cited as a major determinant of health outcomes.”
- 「社会経済的地位は、健康上の結果を左右する主要な決定要因としてよく挙げられます。」
- “Researchers concluded that environmental factors are the strongest determinants of this phenomenon.”
- 「研究者たちは、この現象において環境要因が最も強い決定要因であると結論付けました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- factor(要因):より広い意味で使われる。日常的にも使われやすい。
- “factor”はシンプルに「何かを左右する要素」を指し、フォーマル度は中くらい。
- “factor”はシンプルに「何かを左右する要素」を指し、フォーマル度は中くらい。
- cause(原因):結果を引き起こした根本的な原因を指す。
- “determinant”が複数の要素の中の「特に重要なもの」としてのニュアンスに対し、“cause”は「特定の原因」を強調します。
- “determinant”が複数の要素の中の「特に重要なもの」としてのニュアンスに対し、“cause”は「特定の原因」を強調します。
- influencer / influence(影響、影響を与えるもの):より一般的で幅広い影響を表す言葉。
- “determinant”より抽象的で「影響」という広い概念を示します。
反意語
- はっきりとした反意語はありませんが、文脈によっては ”irrelevant factor”(無関係な要因) や ”non-determinant”(決定要因ではないもの) などと反対ニュアンスを示す言い回しが使われることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /dɪˈtɜː.mɪ.nənt/(イギリス英語), /dɪˈtɝː.mɪ.nənt/(アメリカ英語)
- アクセント(強勢)は第2音節の「ter」に置かれます(de-TER-min-ant)。
- よくある間違い:母音の弱化が起こりやすく、「-ant」の部分が「…nənt」となるところを明確に発音すると通じやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス:
- “determinant”を“determinent”や“determinant”の後半を落としてしまうミスがよくあります。
- “determinant”を“determinent”や“determinant”の後半を落としてしまうミスがよくあります。
- 同音異義語との混同はそれほど多くありませんが、“determine”や“determination”との使い分けを意識するとよいでしょう。
- 試験対策(TOEIC、英検など)では、ビジネスやアカデミックな文脈で「決定要因」という意味で出題される可能性があります。特に読解問題で選択肢に出るケースが多いため、意味を理解しておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「決定する(determine)」に「〜するもの(-ant)」がくっついたイメージで「決定してしまう力(要因)」と覚えるとわかりやすいです。
- 綴り(スペリング)を分解して「de + ter + min + ant」と区切ってみると、スペルミスを減らす手助けになります。
- 数学で行列式としても出会う単語なので、数学に興味のある人は「行列式=determinant」という対応で深く記憶に残るでしょう。
「determinant」は、「結果や状況を左右する重要な要素」という意味で覚えておくと、ビジネスや学術論文、数学など幅広いシーンで役立ちます。
意味のイメージ
意味(1)
決定要素
意味(2)
決定力のある