元となった辞書の項目
fraction
解説
1. 基本情報と概要
単語: fraction
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- B2(中上級):日常会話だけでなく、学術的な文脈でも使われる語彙を理解し、より複雑な英語環境にも対応できるレベルです。
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “a small part or amount of something,” “a fraction in mathematics”
- 日本語: 「一部分、断片」「(数学でいう) 分数」を表す単語です。
→ 日常的には「ほんの少し」「わずかな部分」というニュアンスでも使われますし、数学の文脈では「分数」という意味になります。
活用形・他品詞形
- 名詞なので、動詞や形容詞のように時制や比較級の変化はありません。
- 「fractional (形容詞)」という派生形があります。たとえば “fractional difference” (ごくわずかな違い)のように使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- fract-: ラテン語の「壊す、砕く」を意味する “frangere” から派生
- -ion: 「状態、行為、結果」を表す名詞化の接尾辞
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- a small fraction of ~
- ~のほんの一部分
- ~のほんの一部分
- a tiny fraction of ~
- ~のごくわずかな部分
- ~のごくわずかな部分
- a significant fraction of ~
- ~のかなりの部分
- ~のかなりの部分
- fraction of a second
- ほんの一瞬、ほんの一秒の何分の一
- ほんの一瞬、ほんの一秒の何分の一
- reduce something to a fraction
- 何かをわずかな量に減らす
- 何かをわずかな量に減らす
- a fraction too high/low
- わずかに高すぎる/低すぎる
- わずかに高すぎる/低すぎる
- fractional ownership
- 所有権の一部、分割所有
- 所有権の一部、分割所有
- fraction bar (数学用語)
- 分数の線(分数を書くときの横線)
- 分数の線(分数を書くときの横線)
- fraction decomposition (数学用語)
- 分数の分解
- 分数の分解
- cut into fractions
- 分割する、バラバラにする
- 分割する、バラバラにする
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の “frangere” (壊す、砕く) が “fractio” (壊すこと, 分割) となり、そこから英語の “fraction” へと変化しました。
- 歴史的使用: 主に「ものを分ける」「壊す」という概念が含まれ、数学や科学分野での「分数」「部分」に関係する言葉として使われてきました。
- ニュアンス:
- 日常では「ほんの少し」というカジュアルな意味合い。
- 数学用語としては「分数」という正確なニュアンス。
- 口語でもビジネス文書などのフォーマルな文章でも幅広く使えますが、数的な「わずかな量」を指すフォーマルな印象を与える場合があります。
- 日常では「ほんの少し」というカジュアルな意味合い。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun) です。例: “a fraction” / “fractions”
- 一般的に “a fraction of something” という形で、「何かの一部分」という意味を表します。
- 数学的には “improper fraction” (仮分数) や “proper fraction” (真分数) のように形容詞と組み合わせて使われます。
使用シーン別
- フォーマル: レポートやプレゼンテーションなどで「わずかな部分」「分数」を示す際。
- カジュアル: 会話で「ちょっとだけ」と言いたいときに “a fraction of sugar” といった言い回しが使われることもあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Could you speak a fraction slower? I’m still learning English.”
- 「もう少しだけゆっくり話してくれますか?まだ英語を勉強中なので。」
- 「もう少しだけゆっくり話してくれますか?まだ英語を勉強中なので。」
- “He only ate a fraction of the cake.”
- 「彼はケーキのほんの一部しか食べなかった。」
- 「彼はケーキのほんの一部しか食べなかった。」
- “I thought we had plenty of time, but we only have a fraction left.”
- 「まだたくさん時間があると思っていたけど、残りはほんの少ししかないよ。」
ビジネスでの例文
- “Our profits increased by a fraction this quarter.”
- 「今期、当社の利益はわずかに増加しました。」
- 「今期、当社の利益はわずかに増加しました。」
- “A fraction of our workforce will be assigned to the new project.”
- 「従業員の一部が新プロジェクトに配属されます。」
- 「従業員の一部が新プロジェクトに配属されます。」
- “Even a fraction of a percent can make a big difference in our sales.”
- 「パーセントのわずかな差でも、売上に大きな影響を与えます。」
学術的・専門的な文脈での例文
- “When dividing fractions, it is essential to multiply by the reciprocal of the second fraction.”
- 「分数の割り算をするときは、2つ目の分数の逆数を掛けることが重要です。」
- 「分数の割り算をするときは、2つ目の分数の逆数を掛けることが重要です。」
- “A small fraction of participants showed a significant reaction to the new medication.”
- 「新薬に対して顕著な反応を示した参加者はごく一部でした。」
- 「新薬に対して顕著な反応を示した参加者はごく一部でした。」
- “This fraction of data points skews the overall results.”
- 「この少数のデータポイントが、全体の結果をゆがめています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- portion (部分)
- 「ほんのひとかけら」という意味合いは似ていますが、“fraction” はより小さい・断片的なイメージが強いです。
- 「ほんのひとかけら」という意味合いは似ていますが、“fraction” はより小さい・断片的なイメージが強いです。
- segment (区分)
- “fraction” はより「分割された数量的な部分」を指すことが多いのに対し、“segment” は線や境界で区切られた区画として表す傾向があります。
- “fraction” はより「分割された数量的な部分」を指すことが多いのに対し、“segment” は線や境界で区切られた区画として表す傾向があります。
- piece (断片)
- “piece” は形のある「かけら」を指す場合が多く、“fraction” は抽象的な数量表現に使われることが多いです。
反意語 (Antonyms)
- whole (全体)
- entirety (全体、完全なもの)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈfræk.ʃən/
- アクセント (強勢): 最初の音節 “frac-” にアクセントが置かれます。
- アメリカ英語 と イギリス英語 の発音差は比較的小さいですが、アメリカ英語では “ア” の母音がややはっきり /æ/ に近く発音され、イギリス英語ではやや長めに /æ/〜/ɑ/ の中間になることがあります。
- よくある間違い: “fraction” の後半を /ʃən/(シュン) ではなく、/kʃən/(クシュン) のように聞こえることがあるかもしれませんが、正しくは “フラクション” ではなく “フラックシュン” と /ʃən/ の音をはっきりさせます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “fraction” を “faction” や “friction” と書いてしまう混同が多いです。
- faction (派閥)
- friction (摩擦)
- faction (派閥)
- 同音異義語ではありませんが、視覚的に似ている単語とは区別が必要です。
- 試験対策: TOEICや英検では、文章中で「~の一部分」や「分数を使った計算を説明する」ような内容で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “fract” = 壊す / 砕く と覚えておくと、“fracture” (骨折、亀裂) や “fragment” (破片) と関連付けて理解しやすくなります。
- スペリングの要注意点: “frac” + “tion” → 「フラ + クション」。
- 具体的なイメージとして「ホールケーキの一切れ(a fraction of the cake)」などを思い浮かべると、部分的という意味を思い出しやすいです。
以上が名詞 “fraction” の詳細解説です。数学的に「分数」を指すときにも、日常的に「ほんの一部」「ごく僅か」を表すときにも使える便利な単語ですので、しっかりと覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
破片,断片;(…の)一部,わずか《+of+名》
意味(2)
分数