enact
1. 基本情報と概要
単語: enact
品詞: 動詞 (他動詞)
意味(英語):
- To make a bill or proposal into law. (法律案などを法として成立させる)
- To act out a role or to perform something on stage or in a performance. (役を演じる、あるいは何かを実演する)
意味(日本語):
- 法律案などを正式に「成立させる」「法として制定する」という意味です。
- (舞台や場面などで)役を演じる、場面を上演するという意味も持ちます。
「法律を施行するときや法令を制定するときに使われる、少しフォーマルなニュアンスの単語です。また、演劇などで“演じる”という意味でも使われます。」
活用形:
- 現在形: enact
- 過去形: enacted
- 過去分詞形: enacted
- 現在分詞形: enacting
- 三人称単数形: enacts
- 現在形: enact
他の品詞形:
- 名詞: enactment (制定、法令化 / 演じること)
- 形容詞: 直接派生形はあまり一般的ではありませんが、enacted (制定された) といった形で形容詞的に使われる場合があります。
- 名詞: enactment (制定、法令化 / 演じること)
推定CEFRレベル: B2 〜 C1
- B2: (中上級) 法律や制度に関する議論など、やや専門的な文脈で出てくる単語
- C1: (上級) フォーマルな文章やアカデミックな会話でもよく使われるレベル
- B2: (中上級) 法律や制度に関する議論など、やや専門的な文脈で出てくる単語
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭辞: 「en-」
「~を...にする」「内に入れる」といったニュアンスを加える接頭辞です。 - 語幹: 「act」
「行動する」「演じる」という意味をもつ語幹です。
「en- + act」で「行動を起こさせる」「役にさせる」といったニュアンスが強調されています。
さらに法律に対しては「行動を規定する」→「法律として制定する」という意味になります。
派生語・類縁語
- enactment: 制定、または演じること
- actor/actress, action, active など「act」を含む関連語が多数あります。
コロケーション(共起表現)10選
- enact a law(法律を制定する)
- enact a bill(法案を成立させる)
- enact reforms(改革を実施する / 制定する)
- enact a scene(場面を演じる)
- enact a policy(政策を実施する / 制定する)
- be enacted by parliament(議会によって制定される)
- enact changes(変更を導入する)
- authority to enact(制定する権限)
- enact legislation(法令を制定する)
- enact social measures(社会的措置を講じる)
3. 語源とニュアンス
語源:
「en- (~にする) + act (行動/演じる)」というラテン系の要素をもつ中英語由来の単語。古フランス語の語形“enactier”なども関係するとされています。歴史的な用法:
歴史的には「舞台で役を演じる」という意味が先にありましたが、のちに法律や規則を制定するという意味をより強く持つようになりました。ニュアンス・使用時の注意:
- 法律や法令化の文脈で使う場合は非常にフォーマルです。
- 「演じる」という意味ではやや書き言葉的で、劇や再現ドラマなど特定の文脈で使われます。
- 一般的な日常会話で「演じる」という場合は “act out” を使うことが多く、法律制定なら “pass a law” などがより直接的ですが、フォーマルな文脈では “enact” が好まれます。
- 法律や法令化の文脈で使う場合は非常にフォーマルです。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞: “enact” は目的語が必要な他動詞です。
例: The government enacted the new law. (政府は新しい法律を制定した)イディオムや一般的な構文:
- “be enacted by ...” で「~によって制定される」
- “enact (something) into law” で「~を法律として制定する」
- “be enacted by ...” で「~によって制定される」
使用シーン:
- 法律や規則に関する内容の文書、スピーチなどフォーマルな場面で多用
- 演劇の台本や劇評などでも、やや文語的に使われる
- 法律や規則に関する内容の文書、スピーチなどフォーマルな場面で多用
5. 実例と例文
日常会話での例 (カジュアルなトーン)
- “They decided to enact the final scene of the movie just for fun.”
「彼らは冗談で、その映画のラストシーンを再現してみることにしたんだ。」 - “We’re going to enact a little skit about recycling at the school fair.”
「学校のフェアでリサイクルに関する寸劇をやってみるんだ。」 - “Why not enact the story instead of just telling it?”
「話すだけじゃなくて、その物語を実際に演じてみたら?」
ビジネスシーンでの例 (ややフォーマル)
- “The board plans to enact new guidelines to improve workplace safety.”
「役員会は職場の安全を向上させるため、新しいガイドラインを制定する計画です。」 - “To increase efficiency, we decided to enact changes to the current workflow.”
「効率を高めるため、現在の作業工程に変革を導入することにしました。」 - “The company has enacted policies to ensure diversity and inclusion.”
「その企業は、多様性と包括性を確保するための方針を制定しています。」
学術・法律文脈での例 (フォーマル/アカデミック)
- “The government enacted the reform bill despite strong opposition.”
「政府は強い反対にもかかわらず、改革法案を成立させた。」 - “Historically, many countries have enacted legislation to protect natural resources.”
「歴史的に、多くの国々が天然資源を保護するための法令を制定してきました。」 - “This study examines how new health policies are enacted and implemented.”
「本研究は、新たな医療政策がどのように制定・実施されるかを調査しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- pass (a law)(法律を通過させる、制定する)
- より口語的であり、議会などで“通過した”というニュアンス。
- より口語的であり、議会などで“通過した”というニュアンス。
- legislate(立法措置を取る)
- 法律を作る行為全般をフォーマルに言う。
- 法律を作る行為全般をフォーマルに言う。
- approve(承認する)
- 法律だけでなく、提案を承認するときにも使う。
- 法律だけでなく、提案を承認するときにも使う。
- implement(実行に移す)
- 法律制定以降の「実施」というニュアンスが強い。
- 法律制定以降の「実施」というニュアンスが強い。
- decree(布告する)
- 王様や政府が公式に布告するニュアンス。
- pass (a law)(法律を通過させる、制定する)
反意語 (間接的):
- repeal(取り消す、廃止する)
- revoke(無効にする)
- annul(無効とする)
- repeal(取り消す、廃止する)
これらは「法律や決定などを取り消す」という意味で、enact と反対の動きになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪˈnækt/ または /enˈækt/
- アクセント(強勢): “en*ACT” と **ACT* の部分を強調します。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな発音の違いはほぼありませんが、イギリス英語ではやや /ɪ/ に近い音で始まる傾向があります。
- よくある発音ミス: 語頭の “e” を曖昧な「エ」ではなく、/ɪ/ や /e/ に近いはっきりした音で出すように注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “enact” を “inact” や “ennact” と書いてしまうミス。
- 同音/類似語との混同:
- “in fact” (実際に) と音が似ているように感じる場合がありますが、別物です。
- “in fact” (実際に) と音が似ているように感じる場合がありますが、別物です。
- 試験対策:
- 大学入試やTOEIC、英検準1級~1級レベルで、法律や制度に関する文章で出題されやすいです。
- 大学入試やTOEIC、英検準1級~1級レベルで、法律や制度に関する文章で出題されやすいです。
- 使いやすい言い換え: “pass a law” や “legislate” の方が平易な印象を与えることがありますが、フォーマルにまとめたい場合は “enact” が効果的です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「en-」は “~にする”、「act」は “行動”・“演技”。「行動を法律として固定する」「舞台上で役に入る」という発想で覚えると良いでしょう。
- スペリングのポイント: 先頭の “e” と最後の “t” を忘れがちなので、「en + act」で「n」と「a」の間にスペースがないことを意識してみてください。
- 勉強テクニック:
- “enact a law” とセットで覚えておくと、法律を制定するときの表現として使いやすいです。
- 演劇好きな人は「舞台や劇を“enact”する」と結びつけて覚えると印象に残りやすいかもしれません。
- “enact a law” とセットで覚えておくと、法律を制定するときの表現として使いやすいです。
以上が “enact” の詳細解説です。法律制定を表すフォーマルな用法と、演劇などで「演じる」用法の2つがあることを押さえておくと、自然な使い方がしやすくなります。
(話など)を演じる;の役を演じる
(法律)を制定する;を法令(条令)化する