con
1. 基本情報と概要
単語: con
品詞:
1) 名詞 (「詐欺」「欠点」「反対意見」「前科者」など、文脈による)
2) 動詞 (「だます」「詐欺を働く」)
3) 接頭辞 (ラテン語由来で「共に」「完全に」の意味を持つ)
英語での意味(主なもの):
- (Noun) a trick or deception, especially a swindle.
- (Noun) a convict (informal).
- (Noun) a negative or disadvantageous factor, as opposed to “pro.”
- (Verb) to trick or swindle someone.
- (Prefix) “con-” meaning “with” or “together,” coming from Latin.
日本語での意味(主なもの):
- (名詞) 「詐欺」や「だまし行為」、または「囚人・前科者」の略称、あるいは「反対意見・不利な面」「短所」など
- (動詞) 「だます」「詐欺を働く」
- (接頭辞) 「共に」「完全に」などのニュアンスを与える
「con」は、詐欺行為を指すときや「プロとコーン(賛と否)」で使われるときなど、文脈によって大きく意味合いが変わります。カジュアルな場面からフォーマルな場面まで幅広く使われます。
活用形(主に動詞としての活用)
- 原形: con
- 三人称単数現在形: cons
- 過去形: conned
- 過去分詞形: conned
- 現在分詞形: conning
名詞・他の品詞としての例
- 名詞: “a con” → 「詐欺」「だます行為」「前科者」「反対意見」など
- 接頭辞: “construct” (con + struct) → 「共に組み立てる」が原義
CEFRレベルの目安
- 「con」の接頭辞の感覚:B1(中級)
- 詐欺関連の用法:B2(中上級)
- “pro and con” を使った議論の場面:B2(中上級)
(レベルはあくまで目安ですが、会話で自然に使いこなしたい場合、中上級レベルの語彙と言えます。)
2. 語構成と詳細な意味
接頭語 “con-”
- 語幹: 多くのラテン語からの単語に含まれる
con-
は「一緒に」「完全に」の意味をもち、英語では “construct(組み立てる)” “conduct(導く)” “connect(つなぐ)” のように、何かを「ともに行う」「一体につなげる」ニュアンスを帯びることが多いです。
名詞としての “con”
- 詐欺・だまし行為
例: “That was a con.” 「あれは詐欺行為だった。」 - 囚人・前科者 (主に口語)
例: “He’s an ex-con.” 「彼は元囚人だ。」 - 反対意見・短所
例: “The cons of this plan are significant.” 「この計画の短所は大きい。」
動詞としての “con”
- to con someone: 「(人)をだます」「詐欺を働く」
例: “He conned me out of my money.” 「彼は私をだましてお金を巻き上げた。」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- con artist → 詐欺師
- con man → 男性の詐欺師
- con job → 詐欺行為
- be conned into doing something → ~するようにだまされる
- pros and cons → 賛否両論 / 良い面と悪い面
- ex-con → 前科者
- con game → 詐欺行為・詐欺の手口
- con trick → だましの手口
- con out of money → お金をだまし取る
- pull a con → 詐欺を働く
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “cum(共に)” が語源で、英語に伝わる過程で “con-” という形をとることが多いです。
- 「詐欺(名詞/動詞)」としての“con”は “confidence trick” (信用を利用する詐欺)から縮まったとも言われます。
ニュアンス・使用時の注意点
- “con” を「詐欺」という意味で使うときはややカジュアルで攻撃的な印象があります。
- “ex-con” は口語表現で「元受刑者」「前科者」のやや俗な言い方です。正式な場面では “former inmate” などのほうがフォーマルです。
- “pros and cons” は会議やフォーマルな文書でも広く使われる表現で、「賛成意見と反対意見」をまとめて示す便利なフレーズです。
4. 文法的な特徴と構文
名詞
- 可算/不可算: 「詐欺」意味で使うときは可算名詞 (“a con,” “two cons”)
- 「前科者」の意味でも可算名詞 (“He is an ex-con.”)
- 「反対意見や短所」の意味でも可算 (“the cons of a situation”)
- 可算/不可算: 「詐欺」意味で使うときは可算名詞 (“a con,” “two cons”)
動詞
- 他動詞: “He conned me.” 「彼は私をだました。」
- 目的語に人や物を取って利用する。
- 「人+out of+金銭/物品」の形を取って「だまして奪い取る」意味をもつことも多い。
- 他動詞: “He conned me.” 「彼は私をだました。」
接頭辞
- “con-” は多くの単語に含まれ、「共に」「一緒に」「完全に」などの意味合いを与える。
- 例: “continue,” “confidence,” “conflict,” “contract,” “construct,” “consent,” など。
- “con-” は多くの単語に含まれ、「共に」「一緒に」「完全に」などの意味合いを与える。
一般的な構文・イディオム
- “con someone into doing something” → 「(人)をだまして~させる」
- “get conned” → 「だまされる」
- “pro and con” / “pros and cons” → 「賛否、利点と欠点」
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
“I almost got conned by a phone scam today.”
→ 「今日、電話詐欺にもう少しでだまされるところだったよ。」“He’s such a con artist. Don’t trust him.”
→ 「彼は本当に詐欺師だから、信用しないほうがいいよ。」“Let’s think about the pros and cons before we decide.”
→ 「決める前に、賛否両論を考えてみよう。」
ビジネスシーン(ややフォーマル)
“We should weigh all the pros and cons of this strategy.”
→ 「この戦略のメリットとデメリットをしっかり比較すべきです。」“The presentation covered the cons of the new policy thoroughly.”
→ 「そのプレゼンでは、新たな方針の欠点がしっかりと説明されていました。」“He was fired after it was revealed he had conned several clients.”
→ 「彼は複数の顧客をだましていたことが判明し、解雇されました。」
学術的・専門的(フォーマル)
“The study discusses the pros and cons of using AI in data analysis.”
→ 「その研究では、データ分析にAIを使用することの利点と欠点について議論しています。」“Historically, con artists have exploited human psychology to gain trust.”
→ 「歴史的に見て、詐欺師は人間の心理を利用して信用を得てきました。」“We must examine the ethical cons of genetic engineering.”
→ 「私たちは遺伝子工学の倫理的な問題点を検証しなければなりません。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“scam” (詐欺) → “He was caught in a scam.” 「彼は詐欺に引っかかった。」
- 「con」よりもやや砕けた表現で、オンライン詐欺など広い範囲で用いられる。
- 「con」よりもやや砕けた表現で、オンライン詐欺など広い範囲で用いられる。
“cheat” (だます) → “He cheated me out of my money.” 「彼は私をだましてお金を巻き上げた。」
- con と同義だが、スポーツなどでも「不正をする」の意味がある。
- con と同義だが、スポーツなどでも「不正をする」の意味がある。
“swindle” (詐欺を働く) → “She swindled investors out of thousands of dollars.”
- con よりもフォーマル・文章向き。
- con よりもフォーマル・文章向き。
反意語
- “honesty” (誠実さ)
- “truthfulness” (正直さ)
詐欺の反意語としては、正直さや誠実さを表す語が該当する。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- 米音: /kɑːn/ または /kɑn/ (地域によっては /kɔn/ とも)
- 英音: /kɒn/
単音節で、強勢(アクセント)はこの一語全体にあります。
- アメリカ英語では「カー(ン)」のような母音になる地域があります。
- イギリス英語では「コン」のように聞こえます。
よくある発音の間違い:
- “can” /kæn/ と混同しやすい。 “can” よりも口を少しすぼめて「コン」に近い発音にするとよい。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “conn” や “coan” のように綴りを間違えやすい。
- 同音異義語との混同: “con” と “cone” (円錐) は似ているが、後者は /koʊn/。
- 使用文脈の幅: 「詐欺」「反対意見」「接頭辞」など多義なので、文脈から正確に意味を判断する必要がある。
- TOEICや英検の出題傾向: “pros and cons” の表現はビジネスシーンの長文読解などで頻出。動詞 “con” として使われる例はそこまで多くないが、出た場合は「だます」という意味が分かると有利。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “con”= “confidence trick” の略 → 「信用を使ってだます」というイメージで覚えると、「詐欺」の意味は頭に入りやすいです。
- “pros and cons” は “pros and cons → プロの意見とコンの意見” とイメージして「賛成と反対」と覚えると簡単です。
- 接頭辞の “con-” は 「共に・一緒に」という意味でラテン語由来 → 「複数の要素が“共に”働く」と暗記すると、派生語を覚えるときに役立ちます。
以上が “con” の解説です。文脈によって意味が大きく変わる単語なので、実際に読む・聞く際は注意してみてください。特に「詐欺」と「接頭辞」と「反対意見」という三大用法がある点を把握しておくと、英語学習やコミュニケーションで役立ちます。
反対して
反対投票,反対論