secrete
1. 基本情報と概要
単語: secrete
品詞: 動詞 (Verb)
英語での意味:
1) (動物や植物の組織などがホルモンや酵素などの物質を) 分泌する
2) (物や情報を) 密かに隠す
日本語での意味:
1) 体内や細胞がホルモン・酵素などを「分泌する」ことを表します。
こういう場面では「分泌する」「放出する」というニュアンスになります。
2) こっそりと「隠す」「しまいこむ」という意味でも使われます。
「あるものを人目に触れないように隠す」という場面で使われるイメージです。
- 過去形: secreted
- 過去分詞形: secreted
- 現在分詞形: secreting
- 三人称単数現在形: secretes
他の品詞例:
- 名詞形にはありませんが、似た形で “secret” (秘密、名詞/形容詞) があり、つづりが似ているため混同しやすいです。
CEFRレベルの目安: B2 (中上級)
- 理由: 科学的・専門的な場面でも使われ、日常会話よりもやや上級の単語です。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: 「se-」(分離を表すラテン語由来の接頭語、cf. separate)
- 語幹: 「-cret-」(ラテン語 “cernere”「区別する」、「分ける」に由来)
- 接尾語: 「-e」(英語化の過程で定着した形)
上記の構成から、「あるものを分けて排出する、あるいは分けて隠す」というニュアンスがうかがえます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ (10個)
- secrete hormones (ホルモンを分泌する)
- secrete digestive enzymes (消化酵素を分泌する)
- secrete fluids (液体を分泌する)
- secrete toxins (毒素を分泌する)
- gland secretes a substance (腺が物質を分泌する)
- cells secrete chemicals (細胞が化学物質を分泌する)
- to secrete valuables (貴重品を隠す)
- secrete oneself (身を隠す/潜む)
- secrete evidence (証拠を隠す)
- secrete money in a safe (お金を金庫に隠す)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語 “secernere” (se-「離して」+ cernere「分ける/振り分ける」) がフランス語経由で英語に入ったと言われています。
- 「(あるものを)他と分ける」という原義が「分泌する」「隠す」という両方向の意味に発展しました。
ニュアンス・使用時の注意:
- 「分泌する」の意味は医学・生物学・科学的文脈など、フォーマルかつ専門的な場面でよく用いられます。
- 「隠す」の意味は物語や小説での描写や、少し文語調・フォーマルな言い回しで使われることが多いです。
- 日常会話ではあまり頻繁には使われませんが、学術やフォーマルな文脈で重要な単語です。
4. 文法的な特徴と構文
1) 他動詞 (transitive verb)
- 何かを「分泌する」「隠す」ときに、目的語が必要になります。
- 例: “The glands secrete hormones.” (その腺はホルモンを分泌する)
2) 構文上の特徴
- 通常は「secrete + 目的語」の形で使われます。
- 「隠す」の用法でも “secrete + 目的語 + 場所や状況” の形をとることが多いです。
3) フォーマル/カジュアル
- 医学的・科学的文脈 → フォーマル
- 隠すという意味で → やや文語的、フォーマルまたは物語調の文章・会話
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
“Some frogs secrete poison through their skin.”
- 「カエルの中には皮膚から毒を分泌するものもいるんだよ。」
“Did you know certain plants secrete chemicals to protect themselves?”
- 「特定の植物が、自分を守るために化学物質を分泌するって知ってた?」
“He tried to secrete the key under the rug.”
- 「彼はその鍵をラグの下にこっそり隠そうとした。」
ビジネス (3例)
“We need to analyze the way these cells secrete enzymes in our research project.”
- 「研究プロジェクトで、これらの細胞がどのように酵素を分泌するのかを分析する必要があります。」
“The new evidence suggests that the factory wastes might cause fish to secrete harmful substances.”
- 「新たな証拠によると、工場廃棄物が魚に有害物質を分泌させている可能性があります。」
“He was suspected of having secreted vital documents related to the client’s project.”
- 「彼は顧客プロジェクトに関連する重要書類を隠したのではないかと疑われていた。」
学術的 (3例)
“The pancreas secretes insulin crucial for regulating blood glucose levels.”
- 「膵臓は血糖値の調節に欠かせないインスリンを分泌する。」
“Several studies have examined how stress hormones are secreted under high-pressure environments.”
- 「いくつかの研究では、高圧下でのストレスホルモンの分泌過程を調べています。」
“Microorganisms can secrete enzymes that break down pollutants in the water.”
- 「微生物は水中の汚染物質を分解する酵素を分泌できる。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
release (リリースする、放出する)
- 生体組織や物質を放出するが、「分泌する」よりも広いニュアンス。
- The factory releases toxic waste. (工場は有害廃棄物を放出する)
- 生体組織や物質を放出するが、「分泌する」よりも広いニュアンス。
emit (放出する)
- 光・音・ガスなどを「発する」イメージ。
- Volcanoes emit sulfur gases. (火山が硫黄ガスを放出する)
- 光・音・ガスなどを「発する」イメージ。
discharge (排出する)
- 液体や電気などを「排出する」。ビジネス文書や環境問題でも使われる。
- The cell discharges excess fluid. (その細胞は過剰な液を排出する)
- 液体や電気などを「排出する」。ビジネス文書や環境問題でも使われる。
hide (隠す)
- より一般的に「隠す」という意味。カジュアルな場面で使われる。
- He hid the money under his mattress. (彼はお金をマットレスの下に隠した)
- より一般的に「隠す」という意味。カジュアルな場面で使われる。
conceal (隠す)
- ややフォーマルに「隠す」という意味。言い換えとして近い。
- She concealed her emotions behind a calm façade. (彼女は平静を装い、感情を隠した)
- ややフォーマルに「隠す」という意味。言い換えとして近い。
反意語 (Antonyms)
reveal (明らかにする、見せる)
- 「隠す」の反意語として使われる。
- He revealed the location of the hidden documents. (彼は隠されていた書類の場所を明らかにした)
- 「隠す」の反意語として使われる。
expose (さらす、暴露する)
- 「隠す」の反意語としてのみならず、危険にさらすというニュアンスもある。
- The investigation exposed large-scale corruption. (その調査は大規模な腐敗を暴露した)
- 「隠す」の反意語としてのみならず、危険にさらすというニュアンスもある。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /sɪˈkriːt/
- 強勢 (アクセント): 第二音節「-crete-」に強勢。
- si-CRETE /sɪ-kreet/
- si-CRETE /sɪ-kreet/
- アメリカ英語 / イギリス英語: ほぼ同じ発音。
- よくある間違い: 「secret (秘密)」と混同して /siːkrət/ のように発音しないように注意。
- 「シークレット」と言いたいときは “secret”であって、語尾に “e” が付くだけで発音が変わります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「secret (秘密)」と混同しやすい。動詞のつづりは “secrete”。
- 意味の混同: 「secrete」の「分泌する」と「隠す」の2つの意味を混同してしまうことがあるので、文脈をよく確認を。
- TOEICや英検など: 医学的・科学的トピック、環境問題の文章で出題される可能性があります。
- 形容詞 “secret” との混同: 「秘密の」は “secret”、動詞は “secrete” という区別をしっかりしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- つづりのポイント: “secret” + “e” → 大きな変化がある(発音が /sɪˈkriːt/ になる)。
- イメージ: “区別して(分けて)放出する” と “区別して(分けて)隠す” の2つのイメージを思い浮かべると忘れにくいです。
- 勉強テクニック: 「se-(離して)+ cret(分ける)」と語源を押さえると、似た単語(“secret”, “discrete”など)も一緒に覚えやすくなります。
学術的・科学的な文脈で重要な「分泌する」を意味し、さらに「隠す」の意味でも用いられる、ややフォーマルな単語です。二重の意味を持つ点に注意して、ぜひ使い方をマスターしてみてください。
…‘を'隠す,秘密の場所にしまう